米国株:S&P500は年初来の上げを消す-中国とウクライナで

米国株式相場は下落。S&P500種 株価指数は年初来の上げを消した。米経済統計が予想より良かったもの の、予想より弱い中国の統計や緊迫化するウクライナ情勢が嫌気され た。

ダウ工業株30種平均の採用銘柄はすべて下落。ユナイテッド・テク ノロジーズやファイザー、アメリカン・エキスプレスの下げが目立っ た。S&P500種の住宅建設株指数は7営業日連続で下げ、この日 は2.4%下落。ディスカウント小売りのダラー・ゼネラルはアナリスト 予想を下回る利益見通しを嫌気されて下げた。

S&P500種株価指数は前日比1.2%下げて1846.34。一時は3月7 日に記録した終値ベースでの過去最高値1878.04に接近する場面もあっ た。ダウ工業株30種平均は231.19ドル(1.4%)安の16108.89ドル。

ミラー・タバクのオプションストラテジスト、リリアン・シードマ ン氏(ニューヨーク在勤)は「米統計はかなり好調だったが、きょうの 市場はそれを認めたがらなかった」と指摘。「中国不安とウクライナ緊 迫という材料がある。今のところ全体的に見れば売りを迫る材料が多 い」と述べた。

S&P500種は今週に入って1.7%下落。年初からは0.1%安。中国 経済の成長減速とウクライナ危機の緊迫化が背景にある。

クリミア住民投票

米国とドイツは、ウクライナの一部であるクリミアを併合する計画 を考え直すようロシアに迫る圧力を強めた。クリミアは16日にロシアへ の帰属替えの是非を問う住民投票を計画している。

ケリー米国務長官は上院委員会で、住民投票の翌日に危機解決の 「兆候が皆無であれば」米国と欧州は「極めて深刻な」措置を講じると 述べた。

中国の工業生産、および都市部固定資産投資と小売売上高の伸びは 予想を下回った。中国は先週、2014年の成長率目標を7.5%に据え置い た。また太陽光発電関連メーカー、上海超日太陽能科技が中国本土企業 として初めて公募社債がデフォルト(債務不履行)状態に陥った。

RBCグローバル・アセット・マネジメントの米株トレーディング 責任者、ライアン・ラーソン氏(シカゴ在勤)は「中国の経済成長とウ クライナ動乱への不安が終わらないことが市場に影響し続けている」と 指摘。「ケリー長官は住民投票を中止させる最後のチャンスに賭けて明 日、ロシア外相と会談する。市場はやや神経質になるだろう。その動き はきょう既に始まった可能性がある」と述べた。

米経済統計

2月の米小売売上高は2カ月連続マイナスのあと増加した。先週の 米新規失業保険申請件数は前週比で減少、昨年11月末以来の低水準とな った。

今年初めに世界の株式市場から引き揚げられた投資資金が、一斉に 戻ってきている。ブルームバーグがまとめたデータによると、株式を保 有する米国の上場投資信託(ETF)には過去4週間に410億ドル(約 4兆2000億円)余りの資金が流入した。その前の月には資金流出が一 時402億ドルに膨らんだが、この流れが反転している。

S&P500種の業種別10指数のうち、9指数が下落。資本財とテク ノロジーの下げがきつい。

S&P500種の住宅建設株指数は2.4%下落。月初来の下げは8%と なった。トール・ブラザーズやパルトグループが大きく下げた。

ダラー・ゼネラルは2.8%下落。同社は2-4月(第1四半期)の 1株当たり利益を最大で74セントと予想。アナリスト予想の81セントを 下回った。

原題:S&P 500 Erases 2014 Gain as China, Ukraine Overshadow U.S. Data(抜粋)

--取材協力:Sofia Horta e Costa.

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