3月12日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円が対ドル3日続伸-中国の景気減速を警戒した逃避需要

ニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで3日続伸。中国の経済 成長に減速の兆候が表れていることから、安全な逃避先として円の需要 が高まった。

スイス・フランは対ドルで2011年以来の高値を付けた。13日には中 国の小売売上高と鉱工業生産が発表される。ウクライナのクリミア半島 をめぐる同国とロシアの対立もフランと円の買いを誘った。商品相場は 下落。ユーロは対ドルで2011年以来の高値に接近した。

ドイツ銀行のG10為替戦略グローバル責任者、アラン・ラスキン氏 は「実態経済の現状という意味で中国は不透明だ。不透明でないのは中 国の影響が大きい商品相場が下げていることだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円はドルに対し前日比0.3%高の 1ドル=102円76銭。対ユーロではほぼ変わらずの1ユーロ=142円86 銭。ユーロは対ドルで0.3%高の1ユーロ=1.3903ドル。一時は1.3914 ドルと、7日に付けた2011年10月以来の高水準である1.3915ドルに近づ いた。

フランは0.5%高の1ドル=87.40サンチーム。一時は87.35サンチ ームと、11年10月以来の高水準となった。対ユーロでは0.2%高の1ユ ーロ=1.2152フラン。

商品24品目で構成するS&P・GSCI指数は0.7%低下。一時 は1.1%低下する場面もあった。

ユーロの上昇基調

3月5日以降、ユーロは対ドルで1.3%上昇している。欧州中央銀 行(ECB)は6日、一部の追加緩和予想に反して政策金利を据え置い た。ドラギECB総裁はインフレ率が緩やかに上昇するとの見通しを示 した。

ドイツ銀のラスキン氏は「欧州のディスインフレ見通しからECB が非伝統的な政策に踏み切ると考えられていた。その予測が外れて以 来、ユーロは非常に底堅く推移している」と指摘した。

チャプデレーン(ニューヨーク)の為替責任者、ダグラス・ボース ウィック氏はユーロが対ドルで6月末までに1.5%上昇すると予想。 「欧州周辺国の資金はドルではなく、欧州中心国やユーロに移ってい る。米国はすぐには利上げせず、緩和的な政策を維持するだろう」と述 べた。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は2008年以来、政策金利をゼロ から0.25%のレンジで維持している。次回会合は18-19日。

中国の減速懸念

8日に発表された中国の2月の輸出は前年同月比18.1%減少した。 ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場関係者45人の予想中央値で は7.5%増が見込まれていた。輸入は同10.1%増となった。この結果、 貿易収支は229億8000万ドル(約2兆3700億円)の赤字だった。

三菱東京UFJ銀行の為替ストラテジスト、リー・ハードマン氏 (ロンドン在勤)は「投資家の間では中国の経済成長鈍化に対する懸念 が強まっている。リスクは悪影響の波及やリスク資産の手じまいだ。円 が過去1年、主な資金調達通貨であったことを考えると、円売りの持ち 高が解消されるリスクがある」と指摘した。

原題:Yen Advances for Third Day on Concern China Slowing; Kiwi Climbs(抜粋)

◎米国株:S&P500は下げ埋める-市場は世界経済やウクライナ注目

米株式相場は朝方大きく下落したが、その後下げを埋める展開とな った。市場参加者はウクライナ情勢や世界の経済成長見通しに注目して いる。

産金のニューモント・マイニングとバリック・ゴールドは上昇。金 相場の値上がりが材料視された。EPLオイル・アンド・ガスは急伸。 エナジーXXI(バミューダ)が15億ドルで買収することで合意した。 一方、栄養補助食品メーカー、ハーバライフは下落。同社は米連邦取引 委員会(FTC)が事業慣行について調査を開始したことを明らかにし た。住宅建設のパルト・グループとトール・ブラザーズも安い。クレデ ィ・スイス・グループが投資判断を引き下げた。

S&P500種株価指数は前日比0.1%未満上昇の1868.20。一時0.7% 下げた。ダウ工業株30種平均は11.17ドル(0.1%未満)下落の16340.08 ドル。

BB&Tウェルス・マネジメントで170億ドル相当の資産運用に携 わるウォルター・ヘルウィグ氏は、「中国の成長減速懸念やロシアの軍 事介入拡大を材料とした極めて健全な売りの動きが見られた」と指摘。 「現状に対する懸念はなお投資家の間に広がっており、米国債や金とい った安全資産に投資する動きが出ている。株式も完全に無関係ではな い」と述べた。

中国めぐる懸念、ウクライナ情勢

S&P500種は前日0.5%安。中国経済をめぐり懸念が広がる中で銅 や原油相場が値下がりし、それを受けて資源株が売られた。中国は先 週、2014年の成長率目標を7.5%に据え置いた。また太陽光発電関連メ ーカー、上海超日太陽能科技が中国本土企業として初めて公募社債がデ フォルト(債務不履行)状態に陥った。

銅や大豆などの世界最大の消費国である中国は13日に鉱工業生産の 発表を予定している。週末発表された経済指標では、2月の輸出は09年 以来の大幅減となった。

ウクライナ政府はロシアが国境付近の兵力を増強していると警告し た。ヤツェニュク首相は金融支援獲得を目指し、ワシントンを訪問し た。ヤツェニュク首相は12日にオバマ大統領と会談し、13日にはニュー ヨークの国連安全保障理事会で演説する。

前向きなセンチメント

LLBアセット・マネジメント(リヒテンシュタイン)の株式・債 券部門責任者、クリスチャン・ゾッグ氏は「投資家はウクライナとロシ アの動きを注意深く見守っている」とし、「第4四半期の決算シーズン は好調だったことから、前向きなセンチメントがゆっくりではあるが確 実に織り込まれている」と続けた。

ブルームバーグのデータによれば、S&P500種の構成企業で第4 四半期決算を発表した企業のうち、約70%で利益がアナリスト予想を上 回った。

S&P500種の業種別10指数では6指数が下落した。

ニューモント・マイニングは2.7%高の25.01ドル。バリック・ゴー ルドは2.6%高の20.34ドル。ウクライナ情勢を受けた逃避需要で、金相 場は1.8%上昇した。

EPLオイル・アンド・ガスは29%高の37.50ドル。

パルト・グループは1.3%安の19.67ドル。トール・ブラザーズ は0.6%安の37.77ドル。クレディ・スイスのアナリスト、ダン・オッペ ンハイム氏は両社の株式投資判断を「ニュートラル」とし、従来の「ア ウトパフォーム」から引き下げた。需要が引き続き弱いことなどを理由 に挙げている。

ハーバライフは7.4%安の60.57ドル。同社は、あらゆる法律を順守 していると確信しておりFTCの調査に協力すると表明した。資産家ビ ル・アックマン氏は、ハーバライフがマルチ商法を行っていると主張し ている。

原題:S&P 500 Erases Loss as Investors Weigh Economy, Ukraine Crisis(抜粋)

◎米国債:3日続伸、ガンドラック氏が利回り低下を予測

米国債は3日続伸。米ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガ ンドラック最高経営責任者(CEO)が利回りは一段と低下する可能性 があると指摘した。米パシフィック・インベストメント・マネジメント (PIMCO)のビル・グロース氏は米国債など米政府関連債の保有を 縮小した。

PIMCOの11日のウェブサイトによると、グロース氏が運用する 「トータル・リターン・ファンド」(運用資産2360億ドル)の米政府関 連債比率は2月で43%。1月は46%だった。ガンドラックCEOは前 日、ウェブキャストを通じて10年債利回りは今年、2.5%に低下すると の予想を示した。

グロース氏は先週ツイッターで「米金融当局が購入してきたものを 売るべきだ。10月に金融緩和の縮小が完了し、買わなくなるからだ」と 述べていた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の2.73%。同年債(表面利率2.75%、2024年2月償 還)価格は10/32上げて100 5/32。

10年債利回りが低下

10年債利回りは年初から約0.25ポイント低下した。冬の悪天候が住 宅市場や消費、雇用の伸びを抑制していることが背景にある。これはア ナリストが予想していた借り入れコスト上昇とは逆の展開となってい る。

財務省は10年債利回りの入札(210億ドル)を実施。最高落札利回 りは市場予想を下回る2.729%だった。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によると、10年債利回 りは年末までに3.4%に上昇する。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン (ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリ バン氏は、「投資家はより分かりやすい統計の発表を待ち望んでいる」 と述べ、「どちらの方向にせよ、市場には確信があまりない」と続け た。

トータル・リターンの投資リターンは過去1年間で0.4%マイナ ス。ブルームバーグがまとめたデータによると、トータル・リターンの パフォーマンスは同業者ランキングの中でパーセンタイル順位で19位と なっている。

入札結果

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.92倍。過去10回の平均値 は2.62倍だった。

海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占める割合は43.4% プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入札者 の比率は27.5%だった。

財務省は13日に30年債の入札(130億ドル)を実施する。

原題:Treasuries Rise as Gundlach Says Yields Will Fall; Gross Sells(抜粋)

◎NY金:続伸、半年ぶり高値-ウクライナはロシアが兵力増強と指摘

ニューヨーク金先物相場は続伸。24週間ぶりの高値となった。ウク ライナのクリミア半島をめぐり同国とロシアの緊張が高まっていること を背景に、安全逃避の買いが膨らんだ。ウクライナ政府はロシアが国境 付近の兵力を増強していると警告した。

ビジョン・ファイナンシャル・マーケッツ(シカゴ)の金属取引担 当ディレクター、デービッド・メーガー氏は電話インタビューで、「リ スク回避の動きが強まっており、安全逃避資産に資金が向かっている」 と指摘。「制裁が発動されれば、金の上昇は続くだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比1.8%高の1オンス=1370.50ドルで終了。一時は1371.30 ドルと、昨年9月19日以来の高値をつけた。

原題:Gold Rises to 24-Week High as Ukraine Says Russia Boosts Troops(抜粋)

◎NY原油:下落、2カ月ぶり大幅安-在庫増を嫌気

ニューヨーク原油先物相場は下落。2カ月ぶりの大幅安だった。米 石油在庫の増加が影響した。政府は戦略石油備蓄 (SPR)を試験的 に放出する計画を明らかにした。

コンフルエンス・インベストメント・マネジメント(セントルイ ス)の市場担当チーフストラテジスト、ビル・オグレイディ氏は、「原 油在庫の全般的な増加は、かなりの弱材料だ」と述べ、「在庫は大幅に 積み上がっている。原油価格は恐らくバレル当たり95ドルまで下げ、そ の水準で底をつけるだろう」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比2.04ドル(2%)安の1バレル=97.99ドルと、2月6日以来の安値 だった。1日当たりの下げとしては1月2日以来で最大だった。

原題:WTI Oil Drops on Supply as U.S. Tests SPR Sale; Brent Gap Grows(抜粋)

◎欧州株:1カ月ぶり安値、マースクとバレオ安い-クリミア情勢も注視

12日の欧州株式相場は1カ月ぶり安値を付けた。株主による保有株 売却を手掛かりにAPモラー・マースクとバレオが下げた。クリミアを めぐりウクライナとロシアの対立が続いていることも注視された。

デンマークのコンテナ海運会社マースクと、フランスの自動車部品 メーカー、バレオが大幅安となった。イタリアの靴・バッグ製造会社ト ッズと、警備サービス最大手の英G4Sも売られた。両社の2013年通期 利益はいずれもアナリスト予想を下回った。

ストックス欧州600指数は前日比1.1%安の327.95で終了。5年ぶり 高値を付けた2月25日以降では3.1%下げている。ロシア系住民が多数 を占めるウクライナ南部クリミア自治共和国は、帰属替えを問う住民投 票を16日に計画している。

ウニクレディト銀行(ミュンヘン)のシニアストラテジスト、クリ スチャン・ストッカー氏は電話インタビューで、「ウクライナとクリミ アの問題をめぐる決定は今週は恐らくないため、市場はリスク回避に動 いている」とし、「日曜日の住民投票とその結果に対する欧州各国の対 応が注目されている」と発言。さらに、「欧州株のバリュエーション (株価評価)は高く、一段高には業績面での新たなプラス材料が必要 だ」とも述べた。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、ストックス600指数の 株価収益率(PER、予想収益ベース)は14.3倍で、年初の13.8倍、5 年平均の12.2倍をそれぞれ上回っている。

12日の西欧市場ではルクセンブルクを除く17カ国で主要株価指数が 下落。仏CAC40指数と英FTSE100指数はそれぞれ1%下げた。独 DAX指数は1.3%安となった。

原題:European Stocks Slide as Maersk to Valeo Retreat on Stake Sales(抜粋)

◎欧州債:アイルランド国債が上昇、利回りは過去最低に-市場復帰で

12日の欧州債市場でアイルランド国債が上昇し、10年債利回りは過 去最低を記録した。欧州危機が4年を経て和らぎ、債務が比較的大きな 国でも市場での資金調達が容易になってきている状況が背景にある。

アイルランドは13日、2010年以来で初めての国債入札を実施す る。2024年償還債(表面利率3.4%)は1月の発行以降、週間ベースで 8週連続値上がりしている。イタリアはここ4年で初めてとなる満期10 年のインフレ連動債を銀行団を通じて発行している。

アイルランドはユーロ危機発生後の支援要請国の中で一番に救済プ ログラムから脱した国。このため同国の市場復帰は、危機時に機能不全 となったソブリン債市場に投資家の信頼が戻ってきているかを示すベン チマークとなる。国際通貨基金(IMF)の欧州担当幹部ポール・トム セン氏はリスボンで、ポルトガルも市場アクセスを完全に取り戻す方向 で順調だと指摘した。また、欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事は、 域内の金融ストレスは後退したとの認識を示した。

ノルデア銀行の債券ストラテジスト、ヤン・フォンゲリッヒ氏(ヘ ルシンキ在勤)は「アイルランドのファンダメンタルズ(経済の基礎的 諸条件)は大きく改善しているが、広範な市場環境が相場の上昇をけん 引している」とし、「入札は順調だろう。この先、アイルランドの市場 アクセスは一段と頻繁になり、流動性も増すだろう。通常の発行体にな りつつある」と語った。

ロンドン時間午後3時51分現在、アイルランド10年債利回りは前日 比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.05%。一時 は3.01%まで下げ、過去最低を更新した。これまでの最低は05年9月に 付けた3.02%だった。11年7月には14.22%まで上げ、ユーロ導入以後 の最高となった。同国債(表面利率3.4%、2024年3月償還)価格はこ の日、0.065上げ103.01。

ドイツ国債の10年物利回りは4bp下げ1.60%、2年物利回りはほ ぼ変わらずの0.16%で、利回り格差(スプレッド)は144bpとなっ た。昨年7月24日以降で最小となる142bpまで縮小する場面もあっ た。

原題:Irish Bond Surge Sends Yield to Record as Market Access Broadens(抜粋)

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