ECB、フォワードガイダンスを強化-経済のスラックに注目を

欧州中央銀行(ECB)は低金利の フォワードガイダンス(時間軸政策)を精密化し、投資家に注目すべき 新たな指標を提示した。

過去1週間にドラギ総裁とコンスタンシオ副総裁、ラウテンシュレ ーガー理事がいずれも、ユーロ圏の低金利を維持する理由としていわゆ る「GDPギャップ(需給ギャップ)」に言及した。ECBのチーフエ コノミストのプラート理事も12日、フランクフルトでの会議で同様の発 言をした。

ドラギ総裁は、2011年に尚早な利上げを実施したトリシェ前総裁の 誤りの繰り返しはないという安心感を市場に与えようとしている。一方 でECBはイングランド銀行(英中銀)と異なり、失業率などを時間軸 政策に関連付け自らの政策余地を限定することは避けてきた。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の シニアエコノミスト、リチャード・バーウェル氏は「回復の勢いが増し ている兆候にもかかわらず、ドラギ総裁は意図的に利上げ議論を先へ押 しやろうとしている」とし、「経済のスラック(たるみ)が十分にある ため中銀が行動する必要はない、というのが総裁のメッセージだ」と話 した。

需給ギャップを測定する標準というものはないが、国際通貨基金 (IMF)は2014年のユーロ圏域内総生産(GDP)が6年連続で潜在 力を下回るとみている。

ドラギ総裁は6日の政策決定後の記者会見で「われわれの金融政策 姿勢は景気と景気に関するデータが改善した後も変わらない。なぜな ら、ユーロ圏経済にはその重しとなるスラックが十分にあるからだ」と 述べていた。

プラート理事は12日、「ECBは前回の政策委員会で、経済のスラ ックに言及することによってフォワードガイダンスを強化した」とし、 「大量の余剰生産能力を理由に、ECBは経済に改善が見られても、政 策金利を現行またはそれ以下に維持するという金融政策姿勢を継続す る」と言明した。

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