3月11日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円が全面高、対ドルで続伸-株・商品安で逃避需要

ニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで続伸。中国金融システ ムの不安定さをめぐって懸念が強まる中、株式と商品相場が下落し、安 全資産としての円の需要が膨らんだ。

円は主要16通貨すべてに対して上昇した。銅相場は2010年以来の低 水準となった。中国本土の債券市場では先週、初のデフォルト(債務不 履行)状態が発生、8日に発表された同国貿易収支は2年ぶりの大幅な 赤字になった。10年債利回りは2日連続で低下した。

ゲイン・キャピタル・グループのシニア為替ストラテジスト、エリ ック・ビロリア氏は「世界第2位の経済大国である中国から失望される 内容の経済指標が発表されれば、市場心理に悪影響を及ぼし得るだろ う」と指摘。「この日の米国債利回りはやや低下しており、対円でのド ルを圧迫する材料になっている」と語った。

ニューヨーク時間午後5時現在、円はドルに対し前日比0.2%高の 1ドル=103円02銭。一時は0.4%上昇した。対ユーロでは0.4%高の1 ユーロ=142円78銭。ユーロは対ドルで0.1%安の1ユーロ=1.3860ド ル。一時は0.3%安の1.3834ドルを付ける場面もあった。

S&P500種株価指数は0.5%下落し、商品24品目で構成するS& P・GSCI指数は0.2%低下した。

銅が大幅安

ニューヨーク銅先物5月限は2.6%安の1ポンド=2.9525ドルで終 了。一時は2.942ドルと、中心限月としては2010年7月以来の安値とな った。

ファロス・トレーディング(コネティカット州スタンフォード)の マネジングディレクター、ブラッド・べクテル氏は銅相場が特定の水準 を割り込んだのをきっかけに、一部の商品投資顧問会社(CTA)が売 りに動いた可能性が高いと指摘。「明らかにS&P500種株価と対円で のドルは歩調を合わせているようだ。銅は支持線を割り込んだ」と述べ た。

ロシアはウクライナ南部のクリミア半島での対立に関し、譲歩の気 配を見せていない。クリミアでは16日にロシアへの編入の是非を問う住 民投票が行われる予定。ウクライナのヤツェニュク首相は12日、ワシン トンでオバマ米大統領と会談する。

ソシエテ・ジェネラルの外為戦略ディレクター、アルビン・タン氏 (ロンドン在勤)は「市場はリスク回避モードにあり、特に新興市場の 為替市場ではそうだ。16日の住民投票が近づき、ロシアが妥協になお消 極的なことから、クリミア情勢をめぐって神経質になっている」と語っ た。

米国債利回り低下

米国債利回りの低下に伴い、円は対ドルで上昇した。10年債利回り は前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.77%。 7日には6週間ぶり高水準となる2.82%まで上昇していた。

日本銀行は11日開いた金融政策決定会合で、政策方針の現状維持を 全員一致で決めた。マネタリーベースを年60兆-70兆円増加させる方針 を維持した。

原題:Yen Climbs Against Major Counterparts as Refuge Demand Increases(抜粋)

◎米国株:下落、銅・原油安受け資源株下げる-中国の経済成長を懸念

米株式相場は下落。中国経済をめぐり懸念が広がる中で銅や原油相 場が値下がりし、それを受けて資源株が売られた。S&P500種株価指 数は先週、過去最高値に上昇していた。

資源会社フリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールド が安い。化学品のデュポンも値下がり。北米での異例の寒さやウクライ ナの混乱で業績が厳しくなるとの見通しを示したことが嫌気された。衣 料小売りのアーバン・アウトフィッターズとアメリカン・イーグル・ア ウトフィッターズも業績予想が期待外れだったことから売られた。

S&P500種株価指数は前日比0.5%安の1867.63。7日には過去最 高値となる1878.04で終了していた。ダウ工業株30種平均はこの日67.43 ドル(0.4%)下げて16351.25ドル。

シェーファーズ・インベストメント・リサーチのシニア株式アナリ スト、ジョー・ベル氏は「中国は重要な銅輸入国だ。株式市場でやや懸 念が広がった」と指摘。「銅は世界経済の健全性と関連するところがあ る。よって資金を引き揚げる動きにつながった可能性はある」と続け た。

銅先物相場は一時3%下落し、2010年7月以来の安値を付けた。中 国で成長減速の兆候から、需要が落ち込むとの懸念が強まった。フリー ポート・マクモランは2.1%下げて30.71ドル。

中国めぐる懸念

中国人民銀行(中央銀行)が10日発表した2月の経済全体のファイ ナンス規模は、市場予想に届かなかった。また今月には太陽光発電関連 メーカー、上海超日太陽能科技が中国本土企業として初めて公募社債が デフォルト(債務不履行)状態に陥った。

TDセキュリティーズのシニア商品ストラテジスト、マイク・ドラ ゴシツ氏(トロント在勤)は「市場参加者は中国の需要シナリオを見直 し始めている。経済データだけでなく、国内初となる社債デフォルトに も注目している」と指摘。「あと何社がデフォルトに陥るだろうか」と 続けた。

米株式相場は前日も中国の輸出減やウクライナ情勢を嫌気し、下落 していた。

S&P500種は2月に4.3%上昇。米連邦準備制度理事会(FRB) のイエレン議長が、米経済は十分力強く、当局による慎重なペースでの 債券購入縮小を乗り切ることができるとの認識を示した。これまで3回 にわたる刺激策が寄与し、S&P500種は12年ぶり安値から176%上昇し ている。09年3月9日始まった米国株の強気相場は6年目に入った。

「二歩進んで一歩下がる」

USバンク・ウェルス・マネジメントのシニア株式ストラテジス ト、ジム・ラッセル氏は「株式相場は、二歩進んで一歩下がるといった 感じのペースで上昇を続けるだろう」とし、「経済の弱さのうちどの程 度が天候要因で、どの程度が真の意味で低調なのか、われわれは精査を 続けている」と述べた。

S&P500種の業種別10指数のうち9指数が下落。エネルギー指数 が最も下げた。原油相場は1.1%安。一時1バレル=100ドルを割り込む 場面もあった。米エネルギー省が発表する先週分の在庫統計は増加が予 想されている。

デュポンは2%安の66.01ドル。時価総額で米最大の化学品メーカ ーである同社は10日の届け出資料で、第1四半期の売上高および利益に ついて、この冬の天候とウクライナ情勢の影響を受けるとの見通しを示 した。

アーバン・アウトフィッターズは4.3%安の35.91ドル。アメリカ ン・イーグル・アウトフィッターズは7.8%下げて13.10ドル。

原題:S&P 500 Retreats From Record Levels as Commodity Shares Slump(抜粋)

◎米国債:続伸、3年債入札で最高落札利回りが6カ月ぶり高水準

米国債相場は続伸。財務省が実施した3年債入札(発行額300億ド ル)では最高落札利回りが6カ月ぶりの高水準となり、投資妙味の強ま りから需要が高まった。安全性を求める動きも相場を押し上げた。

中国の景気減速の兆候が世界需要に打撃を与えるとの懸念を背景に 米国株が下落し、商品相場も下げた。これを受けて10年債利回りは低下 した。3年債の入札では最高落札利回りは0.802%。ブルームバーグ・ ニュースがまとめた入札直前の市場予想では0.803%だった。

SEIインベストメンツ(ペンシルベニア州オークス)で80億ドル 相当の資産運用に携わるショーン・シムコ氏は、投資家は「世界経済成 長の持続性を疑問視している」と述べ、成長が減速するとの見方が「米 国債を動かしている」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の2.77%。同年債(表面利率2.75%、2024年2月償 還)価格は2/32上げて99 27/32。

既発3年債利回りはほぼ変わらずの0.76%。

入札結果

投資家の需要を測る指標の応札倍率は3.25倍と、前回の3.42倍を下 回った。過去10回の平均値は3.29倍となっている。

海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占める割合 は29.9%。前月は42%と、2011年8月以来の最高だった。過去10回の平 均値は35%となっている。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入 札者の比率は15.5%。前月は16.6%だった。過去10回の平均は16%とな っている。

プライマリーディーラーの比率は54.6%と、昨年6月以降で最高だ った。2月は41.3%と、2011年8月以来の低水準だった。

成長減速の兆しを受けて、世界最大の工業用金属消費国である中国 の需要が落ち込むとの懸念が広がり、銅先物相場は2010年7月以来の安 値に下げた。これを受けて米国債は一時の下げを埋めた。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の政府債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「商品市場や全般的 なリスク資産が一段と悪化していることが米国債の需要増につながっ た」と指摘した。

米商務省が発表した1月の卸売在庫は前月比0.6%増加した。ブル ームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は0.4%増だ った。

ボラティリティーが低下

メリルリンチ・オプション・ボラティリティ・エスティメート (MOVE)指数は前日に55.68と、昨年5月10日以来の低水準をつけ た。先週発表された米雇用統計は市場予想を上回る雇用増となり、米金 融当局が資産購入のペース減速を継続するとの観測が広がった。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アイラ・ジャ ージー氏(ニューヨーク在勤)は「様子見の状況ではボラティリティー が低くなる」と述べ、「天候とは関係のない経済統計を待っている。来 月か再来月発表の雇用統計に注目している」と続けた。

原題:Treasuries Rise Second Day After U.S. Three-Year Note Auction(抜粋)

◎NY金:続伸、ウクライナ情勢緊迫で安全逃避の買い

ニューヨーク金先物相場は続伸。ロシアとウクライナの対立を背景 に逃避目的の買いが入った。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)のヘ ッドディーラー、フランク・マギー氏は電話インタビューで、「ウクラ イナ情勢が金を支える要因になっている」と指摘。「不安のプレミアム が戻ってきている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比0.4%高の1オンス=1346.70ドルで終了した。

原題:Gold Climbs for Second Day as Ukraine Tension Spurs Haven Demand(抜粋)

◎NY原油:1カ月ぶり安値に下落、在庫増観測で

ニューヨーク原油先物相場は1カ月ぶり安値に下落。米エネルギー 省が発表する先週分の在庫統計は増加が予想されている。

コンサルティング会社ショーク・グループ(ペンシルベニア州)の スティーブン・ショーク社長は、「市場では供給がダブついている」と 述べ、「このトレンドは続くだろう。ニューヨーク原油先物相場は調整 局面にある。短期的にはバレル当たり98-96ドル程度まで下げるとみて いる」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比1.09ドル(1.1%)安の1バレル=100.03ドルで終了。2月11日以来 の安値だった。

原題:WTI Oil Falls to One-Month Low on U.S. Crude Supply; Brent Gains(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず、バリック・ゴールド下落-企業業績にらむ

11日の欧州株式相場は前日からほぼ変わらず。経済データやウクラ イナ情勢が企業業績に与える影響を見極めようとする動きの中、方向感 のない展開となった。

産金会社アフリカン・バリック・ゴールドはここ1年2カ月で最も きつい値下がり。筆頭株主による10%の持ち分売却が嫌気された。スイ スの医薬品メーカー、ガレニカは2012年7月以来の大幅安。業績見通し がアナリスト予想に届かなかった。ドイツのハノーバー再保険は1.3% 安。四半期決算での営業利益減少が売り材料。一方、スイスの水道機器 メーカー、ギーベリッツは上場来高値。利益率改善で買われた。

ストックス欧州600指数は331.49で終了。前日比では0.1%未満の上 げにとどまった。同指数は6年ぶり高値を付けた2月25日以降、2%下 げている。ウクライナをめぐり、ロシアと米国の間で緊張が高まってい るためだ。

ユニオン・インベストメント・プライバットフォンズ(フランクフ ルト)で約69億ドルの資産運用に携わるカーステン・ヒルク氏は「投資 家は地政学的リスクに非常に神経質になり得るが、値下がりしてもすぐ に相場を安定させてくれる大きな流動性がある」と述べ、「こうした2 つの相反する要因が現在の相場を左右している」と付け加えた。

この日の西欧市場では18カ国中11カ国で主要株価指数が上昇。独 DAX指数は0.5%高となった一方、仏CAC40指数は0.5%下げた。

原題:European Stocks Are Little Changed as African Barrick Gold Falls(抜粋)

◎欧州債:スペイン債下落-銀行破綻処理の法制化めぐる行き詰まりで

11日の欧州債市場ではスペイン国債が値下がりし、10年債利回りは 前日付けた8年ぶり低水準から上昇した。ユーロ圏の銀行破綻処理の法 制化をめぐり、域内の財務相らが行き詰まりを打開できないでいる状況 が重しとなっている。

イタリア10年債は3営業日ぶりに下落。同国経済が昨年10-12月に 前年同月比で先の見積もり以上に縮小していたことがこの日分かった。 ギリシャ国債は3日続落し、1月以降で最長の下げ。欧州中央銀行( ECB)のドラギ総裁は先週、5月の欧州議会選挙までに単一破綻処理 メカニズム(SRM)で合意に達しなければ、ユーロ圏に重大な影響が 生じると警告していた。

ラボバンク(ユトレヒト)の市場エコノミスト、エルビン・デフロ ート氏は「国債の需要がここ数週間強かったことを鑑みると、ささいな ことで信頼が損なわれることはあり得る。ユーロ圏財務相らはSRMを めぐり満足できる妥協を見い出すのにまだ苦労している」と述べた。ま た、周辺国を中心に国債利回りが低下してきた中で、この先、どれだけ 値上がり余地が残されているのかという疑問もあると付け加えた。

ロンドン時間午後4時17分現在、スペイン10年債利回りは前日比2 ベーシスポイト(bp、1bp=0.01%)上昇し3.32%。前日は3.30% と、2006年1月以来の低水準に下げた。同国債(表面利率3.8%、2024 年4月償還)価格はこの日、0.135下げ104.085。

イタリア10年債利回りは3bp上昇し3.40%。前日は05年10月以降 の最低となる3.36%まで低下した。国家統計局がこの日発表した10-12 月の国内総生産(GDP)改定値は前年同期比0.9%減少。先月14日の 速報値は0.8%減だった。

ギリシャ10年債利回りは7bp上げ7%。同年限のドイツ国債利回 りは1.64%で、前日からほぼ変わらずだった。

原題:Spanish Bonds Decline With Italy’s as Officials Debate Bank Law(抜粋)

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