英ロイズ為替ディーラーが注文情報をBPトレーダーと共有か

英銀ロイズ・バンキング・グループ のシニア為替ディーラーが、内部の未決注文の詳細情報を他社のトレー ダーと共有し、同行に損害を与えた可能性があることが事情に詳しい関 係者4人の証言で明らかになった。

関係者のうち2人が匿名を条件に語ったところでは、ロイズのディ ーラー、マーティン・チャントリー氏は昨年1月31日、同氏のデスクが 同行の資金部門から3億ポンド(約515億円)余りの資金をドルに替え る指示を受けたと他社のトレーダーに注意喚起し、値動きにかかわらず 売り続けると伝えた。他の2人の関係者によれば、英国系メジャー(国 際石油資本)BPの為替トレーダーが、ロイズのディーラーから内部情 報を受け取っていた。

ブルームバーグが集計したデータによれば、このやり取りが行われ た午前10時53分からロイズが実際に注文の執行を開始するまでの7分間 で、英ポンドの対ドル相場は16ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)下落し、ロイズは推定75万ドル(約7750万円)の損失を被っ た。関係者2人によると、チャントリー氏はその後、情報を共有すべき ではなかったと同僚らに話していたという。

市場監督機関である英金融行動監視機構(FCA)での勤務経験が あるヒックマン・アンド・ローズの弁護士チャールズ・クーン氏は、 「価格に影響を与える情報を漏らすことは、市場の悪用やインサイダー 取引といった違法行為に相当するだろう。監督当局はそのような行為に 確かに関与したと考えられる個人や企業に対して断固とした対応を行う 姿勢をますます強めている。未承認の第3者にポジション全体の情報を 伝えた場合、重大な結果を招く可能性が高い」と指摘する。

音声の通信記録やメッセージも

ブルームバーグ・ニュースが取引に先立って情報のやり取りが行わ れた疑惑について取い合わせした結果、ロイズはチャントリー氏を2月 3日付で停職処分とした。関係者2人によれば、同氏が注文の規模とタ イミングの詳細を説明した午前10時53分の音声通信を含むメッセージが 見つかり、同行はFCAに連絡を取ったという。

チャントリー氏はロイズに9年間勤務し、いかなる不正行為の責任 も当局から問われていない。電話やリンクトインを通じて同氏にメッセ ージを残したが、これまでのところ返答はない。同氏の弁護士はコメン トを控えている。

ロイズは「この手の個別の疑惑をわれわれは非常に深刻に受け止 め、具体的な指摘について直ちに調査を開始した。調査はごく初期の段 階にあるため、現時点で結果について憶測するのは適切ではない」と電 子メールでコメント。一方、リスクヘッジのために為替売買を行ってい るBPは「ロイズが積極的な売り手だと市場で広く知られるまでBPは 英ポンドを売っていなかった。当社の為替トレーダーが不適切な取引に 関与したという指摘に強く反論する」としている。

ブルームバーグが集計したデータによると、昨年1月31日午前10 時53分から午前11時までの間に英ポンドの対ドル相場は1ポンド =1.5815ドルから1.5790ドルに下落した。

原題:Lloyds Trader Said to Tip Off BP on $500 Million Currency Deal(抜粋)

--取材協力:Suzi Ring、Brian Swint.

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