中国中銀総裁:2年内の預金金利自由化を見込む-元安は正常

中国人民銀行(中央銀行)の周小川 総裁は11日、預金金利が1、2年以内に自由化されるとの見通しを明ら かにした。中国は経済成長が鈍化し、与信ブームによるリスクにさらさ れる中でも市場の役割拡大に取り組んでいる。

中国銀行業監督管理委員会(銀監会)の尚福林主席は全国人民代表 大会(全人代、国会に相当)に合わせて北京で開かれた同じ記者会見 で、新設される民間銀行5行の試験営業を銀監会が認可すると表明し た。周総裁はまた、最近の人民元安は市場の役割拡大を示していると説 明した。

中国では2月の製造業活動が振るわず、輸出も落ち込み、与信の伸 びは予想を下回った。経済成長がさらに鈍化すれば、中国指導部の経済 改革の公約が試される状況になる。1月には中誠信託が発行した高利回 り信託商品の投資家が救済され、今月には太陽光発電関連メーカー、上 海超日太陽能科技が中国本土企業として初めて公募社債がデフォルト (債務不履行)状態に陥るなど金融リスクの鮮明化で、政府の成長率目 標7.5%の達成が脅かされている。

スタンダードチャータードのエコノミスト、李煒氏(上海在勤)は 「中国政府にはこれらのリスクに対処する余地が依然存在する」と述 べ、「政府は改革を緩やかなペースで推し進めるだろう」と指摘した。

人民元

周総裁は人民元安についての質問に答え、中銀としての観点から 「われわれは中期トレンドにより重点を置く。短期トレンドは必ずしも 中期トレンドを表していない」と言及。最近の元の動きは「極めて正常 であり、市場の役割拡大も反映している」との認識を示した。

ブルームバーグが昨年まとめたエコノミスト調査では、過半数が預 金金利の規制全廃は2016年以降になると回答。周総裁のこの日の発言 は15年ないし16年の完全自由化を示唆した。

クレディ・アグリコルCIBのストラテジスト、ダリウス・コワル ツィク氏(香港在勤)は「これはわれわれの予想よりもはるかに速いペ ースだ」とコメント。一方、バンク・オブ・アメリカ(BOA)のエコ ノミスト、陸挺氏(香港在勤)はこのペースは「われわれの予想とほぼ 一致している」と語った。

周総裁は規制廃止に伴い金利は当初、上昇するとの見解をあらため て示した。一方、尚主席は銀行業のリスクは抑制されているとし、銀行 の資本と不良債権引当金は十分だと言明した。

アリババ

尚主席は銀監会が上海、天津両市と浙江、広東両省での民間銀行新 設を認可すると発表。インターネット企業のアリババ・グループ・ホー ルディングは電子メールで、中国万向集団と共同で銀行新設の免許を申 請することを明らかにした。

中国指導部は金利規制撤廃が金融混乱を引き起こした米国やスウェ ーデン、韓国の二の舞を演じないよう努めている。

中国は昨年、本土の銀行が設定できる貸出金利の下限を撤廃。貸出 金利の下限撤廃を発表した7月19日に人民銀は、預金金利の見直しが金 利の完全自由化に向けた改革の「最も高リスク」な部分であり、「はる かに多大な影響」を及ぼすだろうとの見方を示していた。

原題:Zhou Sees China’s Deposit Rates Freed Within 2 Years: Economy(抜粋)

--取材協力:Aipeng Soo.

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