日本株反発、輸出一角や保険、通信高い-売買代金ことし最低

東京株式相場は反発。為替の安定が 好感され、行き過ぎた中国経済への警戒も和らいだ。輸送用機器など輸 出関連の一角、保険や石油、情報・通信、電力株などが上昇。日本銀行 は金融政策の現状維持を決め、TOPIXは一時マイナス圏に沈んだ が、失望売りの動きは広がらず、取引終了にかけて持ち直した。

TOPIXの終値は前日比5.60ポイント(0.5%)高の1233.21、日 経平均株価は103円97銭(0.7%)高の1万5224円11銭。投資家の様子見 姿勢が強い中、東証1部の売買代金はことし最低を更新。

りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・マーケッ ト・ストラテジストは、「大きな材料を欠く上、日経平均の予想PER (株価収益率)が15倍程度と国際的に平均水準にあり、相場は上にも下 にも明確な方向感を持った動きになりにくい」と見ている。日銀の政策 決定会合については、「消費税増税後の景気落ち込みに備え、切り札と して追加金融緩和を取っておく日銀の姿勢が確認された」と話した。

きょうの為替市場では、おおむね1ドル=103円30銭近辺、1ユー ロ=143円30銭前後と前日の東京株式市場終了時の103円10銭、143円13 銭に比べやや円安水準で落ち着いて推移した。前日の中国株急落で株 式、金融市場でのリスクオフの広がりが懸念されていただけに、為替の 安定は投資家心理にプラスに寄与した。

前日に2.9%安と節目の2000ポイントを割り込み、約9カ月ぶりの 下落率を記録した中国の上海総合指数は、きょうは前日終値を挟んだ小 動き。野村証券の山口正章エクイティ・マーケット・ストラテジスト は、昨日悪材料と見なされた中国の貿易収支統計は「精度が落ちてお り、前年ベースであることにかく乱され、単月で見ることは難しい」と 言う。インフレ鎮静化で中国の金融緩和が拡大する可能性もあり、市場 は冷静さを取り戻してきたと指摘した。

一方、日銀はきょう開いた金融政策決定会合で、現状の量的・質的 緩和策の据え置きを決めた。東洋証券の大塚竜太ストラテジストによる と、政策の現状維持が大方の見方だったが、「海外投資家の一部には何 らかの変化に対する期待」があったと言い、日銀の結果公表を受けた午 後の日本株は伸び悩み、一時TOPIXは0.1%安と下げ転換。日銀が 輸出動向についての認識を下方修正したこともマイナスに働いた。

ただ、取引終了後の黒田東彦総裁の会見内容や、消費税率引き上げ を受けた次回以降の会合での日銀アクションに期待感をつなぐ格好で、 大引けにかけては持ち直した。

東証1部33業種は保険、石油・石炭製品、パルプ・紙、通信、電 気・ガス、ガラス・土石製品、水産・農林、陸運、輸送用機器など29業 種が上昇。一方、鉄鋼、海運、電機の3業種は下げ、証券・商品先物取 引は変わらず。

売買代金上位ではソフトバンク、ホンダ、NTT、東芝、太平洋セ メント、ファナック、JXホールディングス、クボタ、日本カーバイド 工業が上昇。太平洋セメには、来期の米国事業が6年ぶりに黒字転換す ると11日付の日本経済新聞朝刊で報じられる材料があった。半面、パナ ソニック、新日鉄住金、NEC、ユニ・チャーム、日本冶金工業、東京 電力、ゼリア新薬工業は安い。

東証1部の売買高は18億1390万株、売買代金は1兆6853億円。双方 ともことし最低水準となった。上昇銘柄数は1144、下落は492。

--取材協力:竹生悠子

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