法人実効税率5%下げを成長戦略に、欧州に足並み-政府税調・土居氏

政府税制調査会(会長・中里実東大 教授)の委員を務める土居丈朗慶応大教授は、同調査会で本格的に議論 を始める法人実効税率の在り方について、5%引き下げ「欧州並み」 の30%程度とするのが適当との認識を示した。7日、ブルームバーグ・ ニュースのインタビューで語った。

復興特別法人税の上乗せ分が廃止される4月以降の法人実効税率 は35.64%となる。経済財政諮問会議の民間議員は税率を10%引き下 げ、アジア近隣諸国並みの25%程度にするよう提言した。土居氏は約5 兆円もの税収減につながることから「一気に10%引き下げることは無理 だ」と指摘。5%で経済界がまとまれば、政府が6月にまとめる新しい 成長戦略に盛り込むことも可能との認識を示した。

安倍晋三首相は1月のダボス会議で、法人課税について「国際相場 に照らして競争的なものにしなければならない」と述べた上で、「さら なる法人税改革に着手する」と表明。政府税調は法人実効税率の引き下 げの政策効果の検証や税収への影響、課税ベースの拡大などを議論する ディスカッショングループ(DG)を設置。座長には大田弘子元経済財 政担当相が就き、初会合を今月12日に開催する。

財務省によると、法人実効税率が1%下がると約4700億円の税収減 となる。政府税調の委員からも課税ベースの拡大によって減収分を穴埋 めする「税収中立」を求める声が多い。土居氏は企業が赤字を翌期以降 の黒字と相殺できる繰越控除の縮小と有形固定資産の減価償却方法の見 直しの2つを挙げる。

土居氏は安倍政権発足後の円安・株高で企業収益の黒字化が相次ぐ なか、企業側も課税ベースの縮小を受け入れやすく「タイミングが良 い」と指摘。経団連を中心とした経済界の利害調整が進めば、税率引き 下げに慎重な自民党税調(野田毅会長)も受け入れるとみる。

財務省ウェブサイトによると、各国の法人実効税率は米 国40.75%、フランス33.33%、ドイツ29.55%などとなっている。

財務省主税局総務課長出身の森信茂樹中央大学教授は7日、ブルー ムバーグ・ニュースに対し、税率の引き下げ幅については「10%は1つ の大きな中期的目標。2-3年でできるのは5%が限度で、当面は5% を目指して進んでいく」と述べた。

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