ウクライナが軍事演習を開始、ロシアは東部の混乱に警告

ロシア軍がクリミア半島の掌握を強 め、ウクライナ東部が「無法状態」にあるとロシア外務省が警告する 中、ウクライナは軍事演習を開始した。

ウクライナ軍は部隊の戦闘即応能力を試していると、同国国防省 が10日にウェブサイトで明らかにした。その上で、クリミアでの対立の 平和的解決を同国政府は望んでいるとあらためて表明した。一方、ロシ アはウクライナが東部の過激派を無視していると批判。ウクライナの首 都キエフで暴動が発生して以降、クリミアの多数を占めるロシア人を守 ると主張している。

ウクライナによれば、クリミアではロシア軍1万9000人が展開され ている。クリミアでは16日にロシアへの編入の是非を問う住民投票が実 施される予定。

キャメロン英首相はこの日、同国議会で「欧州でわれわれは過去70 年間、平和維持に取り組んできた。歴史を見れば分かるように、国家が 踏み荒らされている時に見て見ぬふりをすれば、問題を一層深刻化かつ 長期化させる」とし、「われわれは侵略行為に対して立ち向かい、国際 法を順守し、ウクライナ政府そして自らの将来を選択する自由を望むウ クライナ国民を支援する必要がある」と述べた。

ロシア軍がクリミアのミサイル部隊を掌握したと主張した上で、ウ クライナは軍事演習を開始。ウクライナの国境警備隊によれば、ロシア 軍は13カ所の国境検問所のほか、ケルチ海峡を経由してロシア側と往来 するフェリーも占拠した。

ウクライナのヤツェニュク首相は政府ウェブサイトで声明を発表 し、同国はクリミアの自治権をめぐる追加の権利・権限について対話す ることができるが、「ロシアの銃口の下」では行わないと表明した。

ロシア軍兵士発砲か

インタファクス通信によると、クリミアのバフチサライ近くでロシ ア軍兵士がウクライナの自動車化大隊を捕捉しようとして自動小銃を発 砲した。インタファクスはウクライナ部隊司令部代表を引用して報じた が、名前は伝えていない。インタファクスによると負傷者はいない。

ロシアのラブロフ外相は、ケリー米国務長官が危機緩和の方法を探 るための訪ロを延期したことを明らかにした。ラブロフ外相はロシア・ ソチでのプーチン大統領との会談で、ケリー長官が先週末の会談で提示 した解決案への対案をまとめたと述べた。同外相はロシア案は「例外な く全てのウクライナ国民」の利益を考慮するものだと説明した。

一方、米国務省のサキ報道官は電子メールで、米国は「ケリー長官 が8日にラブロフ外相に提示した具体的な問題への返答を依然待ってい る」と表明。「ロシアがこれらの提案に関与する用意があるとの具体的 な証拠が得られた場合、ウクライナ危機の緊張緩和策に絞ったさらなる 協議」をケリー長官は歓迎するだろうと述べた。

欧州外交評議会(ECFR)のアナリスト、ステファン・マイスタ ー氏はロシアは恐らくウクライナ東部へ侵攻することはないだろうが、 同地域の忠誠心を試す可能性があると指摘した。

原題:Ukraine Starts Army Drills as Russia Warns on Eastern Unrest (2)(抜粋)

--取材協力:Brian Wingfield、Kathleen Hunter、Anna Andrianova、Piotr Bujnicki、Benjamin Harvey、Stepan Kravchenko.

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