日本株は5日ぶり反落、中国経済警戒と連騰反動-国内統計も

東京株式相場は5営業日ぶりに反 落。中国経済の先行き警戒感が広がったほか、朝方発表の国内経済統計 も速報値から下方修正され、投資家心理が悪化した。前週末までことし 初の4日続伸となっていた反動売りも出た。直近急伸した不動産株が下 げ、石油や鉄鋼、輸送用機器、情報・通信など幅広い業種が安い。

TOPIXの終値は前週末比9.36ポイント(0.8%)安の1227.61、 日経平均株価は153円93銭(1%)安の1万5120円14銭。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、「米国雇用統計の改善 を事前に織り込む形で、先週後半に日経平均は一段高となった。しか し、国内外の投資環境に目を向ければ、一本調子に上げていく状況には ない」と指摘。ウクライナ情勢の不透明感に加え、「日中でさえない経 済指標が相次ぎ、利食い売りの口実にされた」と言う。

取引開始前に内閣府が発表した昨年10-12月期の日本の実質国内総 生産(GDP)改定値は、前期比年率で0.7%増と速報値の1%増から 下方修正された。設備投資の下方修正が響き、市場予想の中央値0.9% 増も下回った。1月の経常収支も1兆5890億円の赤字と、比較可能 な1985年以降での過去最大の赤字を3カ月連続で更新した。

キムエン証券のセールストレーディング担当ディレクター、アンド ルー・サリバン氏(香港在勤)は、日本の経済指標が「予想より若干弱 く、センチメントにネガティブ」と指摘。4月の消費税増税後の「個人 消費、事業支出が減速するとの懸念も根強い」としていた。

中国では、税関総署が8日に発表した2月の輸出が前年同月 比18.1%減と市場関係者の予想中央値(7.5%増)から大きく乖離(か いり)した。国家統計局が9日に発表した2月の消費者物価指数は前年 同月比2.0%上昇。市場予想の中央値は2.1%上昇だった。2月の生産者 物価指数は2.0%低下、予想中央値は1.9%低下だった。

上海株下げきつい、売買高は昨年10月来の低水準

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は、 中国統計について「全般的に経済活動の鈍化という見方につながってく る。日本だけではなく、資源国通貨、豪ドルなどにも影響を与え、リス クが大きい」と話した。

この日の中国上海総合指数は2%を超す大幅続落。中国通貨元も下 落した。マネックス証券の金山敏之シニア・マーケット・アナリスト は、「中国株が大きく下げるようなら、リスクオフに傾き、円高・日本 株安につながる」と警戒感を示す。

一方、10-11日は日本銀行が金融政策決定会合を開く。三菱Uモル ガン証の藤戸氏は、追加緩和を行う状況ではないが、前回会合の結果を 踏まえ、日本株は売買エネルギーが低調な中、「イベント・ドリブンな ヘッジファンドの思惑的な売買を呼び込みやすい」と見ている。

東証1部33業種は不動産、石油・石炭製品、倉庫・運輸、非鉄金 属、鉄鋼、保険、金属製品、情報・通信、ガラス・土石製品、輸送用機 器など29業種が下落。建設、空運、精密機器、海運の4業種は小幅に上 げた。売買代金上位ではトヨタ自動車、三井住友フィナンシャルグルー プ、三井物産、ファーストリテイリング、ホンダ、KDDI、ファナッ ク、NTT、三菱地所、三井不動産、住友不動産が安い。ソニー、日本 冶金工業、日本電産、東京ガス、大成建設は上げた。

東証1部の売買高は18億7737万株、売買代金は1兆7523億円。売買 高は昨年10月21日以来の低水準にとどまった。下落銘柄数は1089、上昇 は550。中小型株が相対的に底堅く、国内新興市場ではジャスダック指 数が0.2%高の101.53、マザーズ指数が1.5%高の865.51とともに5日続 伸した。

--取材協力:Anna Kitanaka、竹生悠子.

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