債券先物は反発、中国懸念受けた株安や需給良好で-限月交代の動き

債券先物相場は反発。中国経済への 先行き懸念による株式相場の下落や債券需給の良さを背景に買いが優勢 だった。先物市場は中心限月交代に向けた動きが強まった。

東京先物市場で中心限月の3月物は前週末比5銭安の145円03銭で 開始し、145円02銭まで下げた。直後から水準を切り上げ、午後の取引 開始後には145円24銭まで上昇。その後は上げ幅をやや縮め、結局は4 銭高の145円12銭で引けた。

3月物は11日に最終売買日を控えて、中心限月交代に向けた動きが 進展した。6月物の日中売買高は3兆935億円と、3月物の3兆1413億 円に迫った。一方、未決済残高の建玉では6月物は約7.6兆円と3月物 の4.8兆円をすでに上回っている。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「米雇用情勢が堅 調で米経済の先行きに対する懸念は後退したが、中国の金融問題をめぐ る懸念もあって株価が下落したため、相殺される形になった。クリミア 半島の情勢も含め、先行き不透明な材料が多過ぎる。日銀の金融政策決 定会合も始まり、年度末が近いため、急いで動く必要もない投資家もい る」と話した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の333回債利回 りは横ばいの0.625%で始まり、0.5ベーシスポイント(bp)低い0.62%に 低下。午後に入ると一時0.615%を付けた後、再び0.625%。5年物 の116回債利回りは0.5bp高い0.185%。20年物の147回債利回りは横ばい の1.45%。30年物の42回債利回りは0.5bp高い1.675%。

売りづらいタイミング

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジス トは、「国内債はもともと需給環境が良好で、買い材料に反応しやす い」と指摘。「クリミア半島情勢に不透明感があり、積極的なリスクオ ン(選好)にはならず。短期国債利回りの低下傾向が続いていることや 国債大量償還も意識されて売りづらさの強いタイミング」と言う。

7日の米債相場は続落。米10年債利回りは前日比5bp上昇の2.79% 程度となった。2月の米雇用者数の伸びが予想を上回ったことで、金融 当局が刺激策の縮小を継続するとの観測が広がった。一方、10日の東京 株式相場は下落。8日発表の2月の中国貿易統計で輸出額が急減したこ となどが嫌気された。TOPIXは前週末比0.8%安の1227.61で引け た。一時は1.1%下げた。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、2月の米雇用統 計について、「強めの結果となったが、米経済指標がまだら模様である ことは変わらない。単月の数字では、米景気が3%成長軌道とは判断で きず、円債市場での売り材料としては弱い。4月以降に出てくる3月の 数字をさらに見極めていく必要がある」と指摘した。

日本銀行がきょう実施した長期国債買い入れオペ(総額9000億円) の結果によると、残存期間「1年超3年以下」と「5年超10年以下」の 応札倍率は前回より低下した。一方、「3年超5年以下」は上昇した。

--取材協力:赤間信行.

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