3月7日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルが対円で6週ぶり高値-雇用統計に反応

ニューヨーク外国為替市場ではドルが円に対し6週ぶり高値。米雇 用者数の伸びが市場予想を上回ったことで、金融当局が刺激策の縮小を 継続するとの観測が広がった。

2月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季 節調整済み)は前月比17万5000人増加した。ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミスト予想の中央値は14万9000人増だった。カナダ・ ドルは主要通貨の過半数に対して下落。前月のカナダの雇用者数が市場 予想に反して減少したことを受けた。ユーロは対ドルで約2年ぶり高 値。欧州中央銀行(ECB)による追加緩和の見方が後退し、ユーロ買 いが活発になった。

野村セキュリティーズ・インターナショナルの外国為替ストラテジ スト、チャールズ・サンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は「非農業部 門雇用者数の力強い伸びに市場は比較的驚いていた。これがドルにプラ スとなっている」とし、「今週は誰もが期待を低くしていた。今回の統 計で金融当局がこれまでと同様の方向性で政策を続け、テーパリングが 継続するということが引き続き示された」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは円に対し前日比0.2%高の 1ドル=103円28銭。1月23日以来の高値となった。ユーロは対ドル で0.1%上げて1ユーロ=1.3875ドル。一時1.3915ドルと、2011年10 月31日以来の高値を付けた。ユーロは対円で0.3%高の1ユーロ=143 円33銭。

雇用統計

カナダの2月の雇用統計によると、雇用者数は7000人減となった。 これを受け、成長押し上げに向け中央銀行が利下げを実施する必要が出 てくるとの観測が広がった。カナダ・ドルは0.9%安の1米ドル =1.1087カナダ・ドル。

米労働省によれば、1月の非農業部門雇用者数は12万9000人増に上 方修正された。また家計調査に基づく2月の失業率は6.7%と、前月 の6.6%から上昇。職探しを始めた人が増えたが、職を見つけられなか ったことが背景にある。

BNPパリバの通貨ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏 (ニューヨーク在勤)は「雇用統計を受け、安堵(あんど)感からドル は上昇した。米経済にとって明るい材料だ」と指摘。「現行ペースでの テーパリングと整合性があり、よってドルが買われた」と続けた。

天候の影響

北東部や中西部ではこの冬、寒波や大雪に見舞われ、経済指標にも 影響を及ぼした。金融当局は経済指標に注目しているが、天候の影響で 判断が難しくなる可能性がある。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は2月27日、上院 銀行委員会で、「今後数週間でやるべきことは、一連の低調な経済統計 のうち天候要因として説明できる統計はどの程度あるのか、また弱い景 気展望を反映している部分があるとすれば、それはどの部分なのかを正 確に厳しく見極めることである」と述べた。

ECBは前日の定例政策委員会で、主要政策金利を0.25%で据え置 くことを決めた。ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査では54 人中40人が据え置きを予想、14人が利下げを見込んでいた。

三菱東京UFJ銀の内田稔チーフアナリストは、追加緩和期待の後 退でユーロは対ドルで「目先、1.39ドルを超えて1.40ドルに迫る場面も ある」と予想。もっとも、ユーロ高が進めば「ディスインフレ圧力が跳 ね返ってくる」とし、「緩和不足でユーロが上がれば上がるほど、逆に 緩和を迫ることになるので、1.40ドルを超えてさらに行くかというとこ ろは懐疑的にみている」と語った。

原題:Dollar Rises to 6-Week High Versus Yen as Jobs Gain Backs Taper(抜粋)

◎米国株:小幅高、ウクライナ懸念よりも雇用増を重要視

7日の米国株は小幅高。S&P500種株価指数は一時の下げを埋 め、最高値で終えた。市場ではウクライナ情勢が悪化するとの懸念が広 がったが、朝方発表された雇用統計で市場予想を上回る雇用者の増加が 示されたことがより重視された。

スポーツ用品メーカーのナイキは上昇。フットボール選手と広告契 約を結んだとの報道が手がかりだった。スポーツシューズ店チェーンの フット・ロッカーも高い。同社四半期業績はアナリスト予想を上回っ た。一方、ピーボディ・エナジーは5.3%安となった。

S&P500種株価指数は前日比0.1%上げて1878.04。ダウ工業株30 種平均は30.83ドル(0.2%)高の16452.72ドルで終えた。

スタイフェル・ニコラウスのファンドマネジャー、チャド・モーガ ンランダー氏は「景気は徐々に改善している」と述べ、「市場ではロシ ア・ウクライナ情勢をめぐる不安が確実にぶり返してきた。地政学的な 不透明感が強いにもかかわらず、過去数週間のパフォーマンスは極めて 良好だった」と続けた。

雇用統計

米労働省が発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比17万5000人増加した。ブルーム バーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は14万9000人増 だった。前月は12万9000人増(速報値11万3000人増)に修正された。家 計調査に基づく失業率は6.7%と、前月の6.6%から上昇した。

リッジワース・キャピタル・マネジメントのシニアストラテジス ト、アラン・ゲイル氏(アトランタ在勤)は「統計内容は明らかに良好 なニュースであり、景気は引き続き上昇軌道にあることを示唆してい る」と述べ、「成長の減速が一時的であると考える市場関係者にとって はこの統計はかなりの支援材料だ」と続けた。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、米経済の見通しは「適度に明 るい」と述べた。その上で、失業者が多くインフレ率が低過ぎるため、 大規模な緩和策を「かなりの期間」続けることが正当化されると指摘し た。

2009年3月9日からのS&P500種の強気相場は6年目に突入する 見通しだ。米金融当局が実施した3度にわたる量的緩和の影響で、S& P500種は12年ぶり安値から178%値を戻した。

ロシアによる警告

ロシアは、ウクライナがこれまでに供給を受けた天然ガス料金約20 億ドルを7日中に支払う必要があると述べ、支払いをしない場合、ロシ アが供給を停止する恐れがあると警告した。

JPモルガン・プライベート・バンクの投資スペシャリスト、リチ ャード・スリン氏は「地政学的にも人道的にも、これは非常に重大な事 態だが、経済的にはそれほど大きな影響はない」と述べた。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)はこの日0.7%低下して14.11。

S&P500種の産業別10指数は5指数が上昇。金融株は0.5%高。 JPモルガン・チェースは0.9%値上がりした。

フット・ロッカーは8.8%高。同社11-1月(第4四半期)決算は 調整後ベースの利益が1株当たり82セントと、アナリスト予想の同76セ ントを上回った。ナイキは1.6%上昇した。

原題:U.S. Stocks Rise as Jobs Growth Overshadows Tension in Ukraine(抜粋)

◎米国債:年初来最長の4日続落、予想上回る雇用増で

米国債相場は4日続落し、今年に入って最長の連続安となった。雇 用の伸びが市場予想を上回り、厳冬でも成長の妨げにはならないとの兆 候を示したことが背景。

10年債利回りは週間ベースで6カ月ぶりの大幅上昇となった。米パ シフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のビル・ グロース氏は「当局が購入しているもの」を投資家は売るべきだと指摘 した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は量的緩和策の下での債券購 入を過去2カ月にわたって月額650億ドルに縮小。2013年は同850億ドル 購入していた。米国債は他の主要7カ国(G7)の国債との比較でほぼ 4年ぶりの割安水準となっている。

CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債 トレーディング責任者、トム・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は、 「誰もが悪天候の影響からの回復を待っていたが、きょうの統計および 米国債の動きはそれを確認するものだ」と指摘。「地政学の不透明感な ど対処すべき問題はまだあるが、天候の影響が弱まるのに伴い全般的な 市場センチメントは金利上昇の方向にある」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2.79%。一時は2.82%と1月23日以来の高水準をつ けた。同年債(表面利率2.75%、2024年2月償還)価格は14/32下げ て99 21/32。

10年債利回りは週間ベースでは14bp上昇と、昨年9月6日終了週 以来の大幅上昇となった。同利回りの4日連続上昇は昨年12月27日以来 初めて。

グロース氏の見解

フェデラルファンド(FF)金利先物の動向によると、2015年1月 のFOMC会合までに当局が利上げに踏み切る確率は15.4%と、前日 の12.4%から上昇した。1カ月前は10.3%だった。

PIMCOで「トータル・リターン・ファンド」を運用するグロー ス氏はツイッターで、投資家は「当局が購入しているものを売る」べき だとし、「緩和縮小が10月に終了するときに当局は購入していないため だ」と指摘した。

ニューヨーク連銀は前日、2039年11月-42年8月に償還期限を迎え る米国債12億2500万ドル相当を買い入れた。同連銀は10日に21年5月 -24年2月償還の債券を最大27億5000万ドル購入する予定だ。

10年債利回りは1月2日につけた年初来高水準の3.05%をなお下回 っている。過去5年間の平均は2.7%。同利回りの他のG7諸国国債に 対する上乗せ利回り(スプレッド)は59bpと、2010年4月以降で最も 拡大した。

「緩和縮小路線」

米労働省が発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比17万5000人増加した。ブルーム バーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は14万9000人増 だった。

SEIインベストメンツ(ペンシルベニア州オークス)で80億ドル 相当の資産運用に携わるショーン・シムコ氏は「この数字に市場は不意 を突かれた。今回の数字には天候がマイナスの影響を及ぼすと予想され ていた」と指摘。「当局は緩和縮小路線を継続するだろう」と述べた。

原題:Treasuries Fall in Longest Slump of 2014 on Employment Gains(抜粋)

◎NY金:反落、1週間ぶり安値-予想上回る雇用増が手掛かり

ニューヨーク金先物相場は反落し、1週間ぶりの安値となった。2 月の米雇用者の伸びが市場予想を上回ったことを背景に、金融当局が緩 和縮小ペースを減速させるとの見方が後退した。

米労働省が発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 は前月比17万5000人増加した。ブルーバーグ・ニュースがまとめたエコ ノミスト予想の中央値は14万9000人増だった。家計調査に基づく失業率 は6.7%と、前月の6.6%から上昇した。

STAウェルスのランス・ロバーツ最高経営責任者(CEO)は電 話インタビューで、「きょうの雇用の数字は景気が改善しつつあること を示唆しているため、不安に基づく取引は弱まるだろう」と指摘。「ロ シアのニュースは引き続き金の支えになるだろうが、上昇する勢いはあ まり残っていない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比1%安の1オンス=1338.20ドルで終了。中心限月として は先月26日以来の大幅下落となった。一時は1326.60ドルと、同28日以 来の安値をつけた。週間ベースでは1.3%上昇。

原題:Gold Declines to One-Week Low After U.S. Payrolls Top Estimates(抜粋)

◎NY原油:続伸、雇用者数が予想上回り-景気を楽

ニューヨーク原油先物相場は続伸。2月の米雇用統計で非農業部門 雇用者数の伸びが市場予想を上回ったことから、景気への楽観が強まっ た。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マ サチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は「雇用 者数は予想を大きく上回った。その結果、強いトーンで週末を迎えるだ ろう。市場の注目は現在、景気に移っている。クリミア情勢は既に古い ニュースのようだ」と話した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比1.02ドル(1%)高の1バレル=102.58ドルで終えた。週間では1セ ント下げた。

原題:WTI Crude Rises After U.S. Payrolls Gain; Brent Premium Narrows(抜粋)

◎欧州株:下落、ロシアがウクライナ向けガス供給停止も

欧州株式相場は下落。週間ベースでは1月以来初の値下がりとなっ た。ロシアがウクライナへのガス供給をストップする可能性が浮上した ためで、両国の対立を嫌気し、米雇用者数の伸びが予想を上回っても相 場は上がらなかった。

医療手術機器メーカー、スウェーデンのゲティンゲは1993年の新規 株式公開(IPO)以来の大幅下落。第1四半期の利益見通しが市場予 想を大きく下回った。深海油田探査などを手掛けるオランダのフグロは 業績が予想を下回り2.1%の値下がり。一方、航空会社エールフラン ス・KLMは4.4%高。乗客数が2月に伸びたことが買い材料。

ストックス欧州600指数は前日比1.3%安の333.06で終了。今週はウ クライナをめぐる緊張を受けて1.5%下げた。3日には、ロシア議会が ウクライナへの軍事介入権限をプーチン大統領に認めたことで2.3%下 落した。

IGグループ・ホールディングスの市場アナリスト、クリス・ビュ ーチャンプ氏はリポートでウクライナ情勢について、「さらなる対立が 起きているようだ」とし、「週末に向けて特に買い持ちにしたい人間は いないだろう。ウクライナ危機で何か展開があるリスクは可能性として 依然として大きい」と付け加えた。

ロシア国営会社ガスプロムは、ウクライナがこれまでに供給を受け た天然ガスの支払いをしない場合、ガス供給を停止する可能性を示唆し た。米労働省が発表した2月の雇用統計では、非農業部門雇用者数(事 業所調査、季節調整済み)が前月比17万5000人増加。ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は14万9000人増だった。

この日の西欧市場ではギリシャを除く17カ国で主要株価指数が下 落。独DAX指数は2%、仏CAC40指数が1.2%それぞれ下げた。英 FTSE100指数は1.1%の値下がり。

原題:European Stocks Drop as Russia Says It May Cut Off Ukraine’s Gas(抜粋)

◎欧州債:スペイン債高い、週ベースで周辺国債スプレッド縮小

7日の欧州債市場ではスペインなどいわゆる周辺国の国債相場が総 じて上昇。今週を振り返れば、ギリシャやアイルランドの国債利回りが 少なくとも2010年以来の低水準に下がった。ユーロ圏のソブリン債危機 からの回復が勢いを増している。

ウクライナとロシアとの間で高まる緊張が新興市場に影響したにも かかわらず、これら周辺国債は週間ベースで値上がり。欧州中央銀行 (ECB)は6日に追加緩和をしなかったが、相場はもちこたえてい る。ポルトガル10年債のドイツ債に対する上乗せ利回り(スプレッド) はこの日、3年半で最も小幅となった。

ラボバンク・インターナショナルの債券ストラテジスト、リチャー ド・マクガイア氏は「問題含みの新興市場国と比べ、周辺国の状況はず いぶん明るい」と指摘。「スプレッドは縮小し続けるだろう。スペイン とイタリアではスプレッドの縮小が大分進んだが、価格の上昇余地はま だ残されている。ポルトガルとギリシャはまだかなり期待できる」と付 け加えた。

ロンドン時間午後4時46分現在、スペイン10年債利回りは前日比4 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.36%。前週末比で は13bp下げ、1月3日終了週以来の大幅な利回り低下となった。前日 は3.35%に達し、06年1月以来の低水準となっていた。債務危機時のピ ークは12年7月に付けた7.75%。同国債(表面利率3.8%、2024年4月 償還)の価格はこの日、0.345上げて103.70。

スペイン10年債のスプレッドは今週、17bp縮小し171bp。10 年11月以降の最小となる169bpとなる場面もあった。イタリア10年債 のスプレッドは8bp縮小の177bp。前日は174bpと、11年6月以降 で最も小幅になった。

ポルトガル10年債のスプレッドはこの日、一時14bp縮んで290b p。これは10年8月20日以降で最小。

ドイツ10年債利回りはこの日、ほぼ変わらずの1.65%。一時は2 月25日以来の高水準となる1.68%に達した。

英10年債利回りはロンドン時間午後5時現在、3bp上昇 の2.79%。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格は0.22下 げ95.49。

原題:Spain’s Bulletproof Bonds Resist Ukraine Strains in Debt Rally(抜粋) U.K. Yields at Highest Versus Germany’s Since ’05 on Growth Bets (抜粋)

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