ビットコイン、大久保議員が銀行のマネロン監視責務を追加質問

民主党議員でモルガン・スタンレー 出身の大久保勉氏が、ビットコインに関する二度目の質問書を週明けに 国会に提出する準備を進めていることが分かった。みずほ銀行などビッ トコインの決済銀行が資金洗浄(マネーロンダリング)に対してどのよ うな責務を持ち得るのか回答を求める。

大久保参議院議員は7日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビ ューで、同日閣議決定された政府の回答は「あいまいで残念だった」と 述べた。大手取引所のマウント・ゴックスが破綻し、被害者が出ている 今、国会や政府による法規制の整備が「喫緊の課題」であり、今回の答 弁書からは危機感が感じられないとして質問の再提出に踏み切る。

ビットコインは政府や中央銀行などの発行主体や管理者がおらず、 取引の匿名性により麻薬などの違法取引やマネーロンダリングに活用さ れる恐れがあると指摘されている。2月には米フロリダ州在住の男性2 人がマネロンの罪で訴追請求されるなど、国際的にも金融規制上の大き な問題として浮上している。

大久保議員は、実際に取引所の口座を受け持っていた銀行があると 指摘。その上で決済銀行が「ビットコインを購入するために本邦銀行の 当該交換所口座に振り込まれる多額の現金に対する振り込み人の本人確 認」や「ビットコインの購入有無と本人確認書の保管」など、銀行がマ ネーロンダリングの危険性に対して持つべき責任などについて政府見解 を求める。

みずほ広報担当の田中理一郎氏によれば、マウント・ゴックスは顧 客によるビットコイン取引の決済口座としてみずほ銀行渋谷支店に口座 を持っていた。新たな質問書は10日に国会に提出する予定。11日に受理 され、18日には答弁が閣議決定される見通し。

「確たることを申し上げるのは困難」

世界で使えるインターネット上の仮想通貨であるビットコインの取 引が広がり、投資対象などとして注目を集める中、日本ではマウント・ ゴックスが機能不全となり、顧客から預かった75万ビットコインなどが 消失。2月28日に同社は東京地裁に民事再生法の適用を申請した。金融 庁、財務省、警察庁などは情報収集に乗り出している。

政府は7日、大久保議員が2月下旬に提出した質問に対する答弁書 を閣議決定。ビットコインが通貨に該当しないことや課税対象であるこ と、また銀行は売買の仲介、円・外貨との交換、コインを預かる口座開 設はできないなど法規制上の公式見解を明記した。

一方で政府の答弁書は、ビットコイン取引がマネーロンダリング対 策の不備の原因になり得るのではないかとの質問書の指摘に対し、「ビ ットコインの使用実態などが明らかでない現段階で答えるのは困難であ る」と回答。現在の世界での発行残高や経済価値についても「確たるこ とを申し上げるのは困難」と明確な回答を控えた。

「投資家に被害」

大久保氏はまた証券会社などがビットコインを投資対象とするファ ンドを組成することができるかと質したが、政府答弁は金融商品取引法 では「有価証券またはデリバティブ取引に係る権利以外の資産に対する 投資として、財産の運用を行う業務を規定している」と引用し、法律上 は可能であるとの見方を示した。

みずほ証券の楊為舟市場アナリストは、「ビットコインはここ5年 ほどで急成長したため、日本政府の対応が後手に回っている感がある」 と指摘。また証券会社などのビジネス機会に関連して、「リスクを分か った上で投資対象としてファンドを組成することなどは投資商品の幅を 広げる可能性があり、政府は自由な市場整備という視点から規制には慎 重になるべきではないか」と語った。

投資信託協会の仁木清一事務局長は、これまでビットコインを対象 とするファンドはなかったとの認識を示し、「投資家に被害が出ている ものを対象とすることには慎重であるべきだ」と述べた。今後は「政府 や当局が投資対象としてどう判断するか見守りたい」としている。

--取材協力:谷口崇子, 河元伸吾. Editors: 平野和, 浅井秀樹

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