MUFG:シンガポールでM&Aバンカーが証券から銀行に移籍

三菱UFJフィナンシャル・グルー プがシンガポールでM&Aアドバイザリー事業を再編する計画が分かっ た。同事業に携わる証券子会社の従業員や関連業務を銀行に移管する。 東南アジアなど新興国で日本企業による買収が拡大する中、同地域で助 言業務を拡大したい考えだ。

MUFGは三菱UFJセキュリティーズ(シンガポール)のM&A バンカー全員と全ての助言業務を、金融当局による認可などを経て5月 初旬にも三菱東京UFJ銀行に譲渡。これにより銀行内でM&Aの助言 業務ができるようになる。同行の高原一暢広報担当がブルームバーグ・ ニュースの取材に答えた。

今回の事業再編によりMUFGは商業銀行として備えている融資機 能と証券会社が持つM&Aの専門知識や案件執行能力を融合し、バンカ ーは銀行の融資先や親密先など広範な顧客と法令を順守した上で対話す ることが可能となる。ブルームバーグ・データによれば、2013年の日本 企業によるアジア新興国企業の株式・資産の買収額は120億ドル(1 兆2300億円)と少なくとも過去12年間で最大となっている。

M&A助言業務を手掛けるカチタスの平井宏治社長は、「メガバン クにとっては貸し出しで稼ぎにくい状況下、フィービジネスであるM& A業務は大切な収益源になりつつある」と指摘。その上で、「日本企業 がタイ、ベトナム、インド、ミャンマー、インドネシアでの買収や投資 を積極的に進める中、シンガポールはそのハブになる」と述べた。

複数の関係者によれば、三菱東京UFJ銀は約10人の現地採用など のM&Aバンカーを証券子会社から譲り受ける予定。同行の高原氏と三 菱UFJモルガン・スタンレー証券の小西博晃広報担当は人数などの詳 細についてコメントを控えた。

クロスボーダーM&A

三菱東京UFJの高原氏は今回の事業継承について「当行の顧客の クロスボーダーM&Aアドバイザリーにかかるニーズに機動的にサービ スを提供できる体制を構築することが主な目的だ」と述べた。その上で 同社の「ファイナンスに関わるノウハウも含め、アジア・オセアニア地 域でのM&A機会に多面的にサービスを提供していく」と語った。

一方、証券子会社である三菱UFJセキュリティーズ(シンガポー ル)はM&A業務から退き、債券の引き受けやフィクスト・インカム、 日本株のトレーディング業務に特化する。

明治安田生命から東芝まで、日本では幅広い業種の企業が経済成長 の著しいアジア新興国での投資を活発化している。ブルームバーグ・デ ータによれば、同地域でのM&A規模は13年は4220億ドルと過去5年間 で最大となっている。

カチタスの平井代表は、今回のMUFGのシンガポールでのM&A 事業再編について、「東南アジアに食い込んでいるバンカーを居抜きで もってくるのは同業務の拡大においてポジティブだ」と述べた。

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