3月6日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロが2カ月ぶり高値、ECB見通しで-円は下落

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対し一時2カ月ぶ り高値を付けた。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がインフレ率は 緩やかに上昇するとの認識を示したことで、追加緩和策が実施されると の観測が後退した。

ユーロは主要16通貨のうち15通貨に対して上昇。ECBは経済成長 ペースの加速を予想した。円は対ドルで5週ぶり安値を付けた。年金積 立金管理運用独立行政法人(GPIF)などの運用をめぐって、国内債 を中心とした運用を求めないとの方針を盛り込んだ厚生労働省の草案内 容に反応した。ドルは主要通貨の大半に対して値下がり。7日発表され る2月の雇用統計では、非農業部門雇用者数の増加幅が昨年の平均を下 回ると予想されている。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジのチーフ市場アナリ スト、オマー・エシナー氏は「市場参加者の大半は、ECBがきょう何 らかの形で行動を起こすか、ごく近い将来に金融緩和があるというシグ ナルを発すると見込んでいた」と指摘。「だがそのどちらもなかった。 ユーロがほぼ全面高になっているのはそのためだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時2分現在、ユーロは対ドルで前日 比0.9%高の1ユーロ=1.3861ドル。一時1.3873ドルと、昨年12月27日 以来の高値を付けた。対円では1.7%上げて1ユーロ=142円86銭。上昇 率は昨年9月19日以降で最大。円は対ドルで0.8%下げて1ドル=103 円07銭。一時103円17銭と、1月29日以来の安値を付けた。

新興市場通貨

ブルームバーグがまとめた新興市場の主要20通貨で構成する指数 は0.6%上昇と、ここ1カ月余りで最大の上げ。インド・ルピー、ハン ガリー・フォリントやポーランド・ズロチが大きく上昇した。

ロシア・ルーブルは下落。ウクライナ情勢をめぐる政治的緊張でロ シア資産への投資意欲が一層弱まるとの観測が背景にある。ウェブサイ トに掲載された声明によると、クリミア議会はロシアへの編入を求める 決議を採択。帰属を問う住民投票を今月16日に実施することを決めた。 ルーブルはドルに対し0.2%安の1ドル=36.1806ルーブル。一時0.6% 安まで下げた。

バンク・オブ・アメリカの金利・通貨グローバル責任者、デービッ ド・ウー氏(ニューヨーク在勤)は「ルーブル安はロシア経済にとっ て、起こり得る中で恐らく最も素晴らしい事だろう」と指摘。「今回の 危機における隠れた宝だ」と続けた。

ECB、円

ECBはこの日の定例政策委員会で、主要政策金利を0.25%で据え 置くことを決めた。ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査で は54人中40人が据え置きを予想、14人が利下げを見込んでいた。

ドラギ総裁は政策決定後の記者会見で、ユーロ圏のインフレ率につ いて、2016年10-12月(第4四半期)に1.7%に加速するとの見通しを 示した。今年2月のインフレ率は0.8%。14年のインフレ率については 1%と予想した。ECBの最新経済予測によれば、インフレ率は15年 が1.3%、16年は平均1.5%となっている。

円は主要16通貨全てに対して値下がり。厚労省が6日午前、社会保 障審議会の年金財政の経済前提と積立金運用を議論する専門委員会(委 員長:吉野直行慶応大学教授)に提出した草案によると、世界最大の年 金基金であるGPIFなどの運用利回り目標を賃金上昇率を基準にどの 程度上回るべきかの数値に変える方針が示された。また、国内債券を中 心にした運用は求めない。

この日はまた、ウクライナをめぐる緊張が緩和するとの観測から安 全需要が後退。こうした状況も背景に円は売られた。

三菱東京UFJ銀行のグローバル市場調査部門で欧州責任者を務め るデレク・ハルペニー氏は「専門委員会はここしばらく、政府が GPIFを国内債から遠ざける必要があるとの考えを示していた」と し、「市場の全般的なトーンはリスク選好で、それが円安につながって いる」と続けた。

原題:Euro Rises to 2-Month High on ECB Inflation Outlook; Yen Falls(抜粋)

◎米国株:上昇、失業保険申請減少で買い-S&P500は最高値更新

6日の米国株は上昇。S&P500種株価指数は最高値を更新した。 朝方発表された新規失業保険申請件数は3カ月ぶり低水準をつけた。投 資家は引き続きウクライナ情勢を注視している。

「KFC」などのファストフードチェーンを運営するヤム・ブラン ズは上昇。ロバート・W・ベアードが株式投資判断を引き上げたことが 買い材料となった。米会員制卸売り最大手、コストコ・ホールセールは 下落。四半期利益がアナリスト予想に及ばなかった。事務用品チェーン 最大手、ステープルズは大幅安。北米店舗の最大12%を閉鎖する方針を 明らかにしたことが嫌気された。

S&P500種株価指数は前日比0.2%上げて1877.03。ダウ工業株30 種平均は61.71ドル(0.4%)高の16421.89ドルで終えた。

アスター・インベスト・マネジメントのロブ・スタイン最高経営責 任者(CEO)は「直近の騒音やニュースから離れて、基本的なトレン ドを見る必要がある」と述べ、「雇用も拡大しているし、国内総生産 (GDP)の伸びもプラスだ。企業利益は明るいトレンドを示してお り、インフレは比較的抑制されている。トレンドはなお前向きだ」と続 けた。

先週の米失業保険申請件数は市場予想を下回った。7日には2月の 米雇用統計が発表される。商務省が発表した1月の製造業受注額は前月 比0.7%減少した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト 予想の中央値は0.5%減だった。

ロシア帰属を問う住民投票

オバマ米大統領は、ロシアがウクライナから手を引くよう、関係同 盟国とともにロシアへの圧力強化を続けると述べた。ロシア政府が反応 しない場合はさらに制裁を科す可能性を示した。米国はこれより先、ウ クライナの主権を脅かすと米国が考えるウクライナやロシアなどの一部 当局者らにビザ発給を制限した。大統領はまた金融制裁についても承認 した。

ウクライナ南部のクリミア自治共和国の議会は今月16日にロシアへ の帰属を問う住民投票を実施することを決めた。欧州連合(EU)首脳 はクリミアでのロシアの動きへの抗議のため、同国との通商交渉や査証 (ビザ)発給をめぐる協議を一時停止した。

ウェルズ・キャピタル・マネジメントのチーフ投資ストラテジス ト、ジェームズ・ポールセン氏は「まだウクライナ情勢をめぐる不安は あるが、急速に関心が失われつつある。少なくとも、問題が再燃しない 限りウクライナ情勢は経済的な影響を及ぼさない段階になりつつある」 と述べた。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数( VIX)はこの日2.3%上昇して14.21。

S&P500種産業別10指数のうち7指数が上昇した。金融株が特に 買われ、JPモルガン・チェースは1.3%値上がりした。

ヤムが高い、コストコは下落

ヤムは3.3%高。ロバート・ベアードのアナリスト、デービッド・ タランティーノ氏は同社の株式投資判断を「ニュートラル」から買いに 相当する「アウトパフォーム」に引き上げた。

コストコは2.8%安。同社12-2月(第2四半期)決算は、純利益 が前年同期比15%減の1株当たり1.05ドル。前年同期は同1.24ドルだっ た。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想では1株当たり利益 が1.17ドルだった。

ステープルズは15%安。同社は2015年末までに北米で最大225店舗 を閉鎖し、最大5億ドルのコスト削減に取り組む。2-4月(第1四半 期)の売上高については前年同期比で減少するとの見通しを示した。売 上高の減少はこれで5四半期連続となる。

原題:U.S. Stocks Rise as Unemployment Claims Retreat Before Jobs Data(抜粋)

◎米国債:10年債、1週間ぶり高利回り-失業保険申請の減少で

米国債相場は下落。10年債利回りは1週間ぶりの高水準となった。 新規失業保険申請件数が予想よりも減少したため、売りが優勢になっ た。

米国債は他の主要7カ国(G7)の国債との比較でほぼ4年ぶりの 割安水準となっている。7日発表の雇用統計では非農業部門雇用者数の 伸びが加速すると予想されている。欧州中央銀行(ECB)が政策金利 を据え置いたため、英独の国債も下げた。米財務省は来週の中長期国債 入札での発行額を640億ドルと発表した。

GMPセキュリティーズ(ニューヨーク)の債券戦略ディレクタ ー、エイドリアン・ミラー氏は「経済指標は改善し始めている。その影 響で米国債は下げている。先行きを占う上で7日の雇用統計が注目され ている」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2.74%。一時は2.75%と、2月25日以来の高水準を 付けた。同年債(表面利率2.75%、2024年2月償還)価格は9/32安 の100 3/32。

ブルームバーグがエコノミストとストラテジスト75人を対象に実施 した調査では、10年債利回りは6月末には3.05%に上昇すると予想され ている。

10年物米国債の他のG7諸国の国債に対する上乗せ利回り(スプレ ッド)は54bp。前日には55bpと、2010年4月以降で最も拡大してい た。

失業保険

労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は32万3000件と、前週から2万6000件減少して、昨年11月末以来の低水 準となった。労働省の広報担当官によると、最近の変動は冬の嵐の影響 が特に大きかった州の動向に一致している。

CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債 トレーディング責任者、トム・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は失業 保険統計について、「天候が回復すれば景気も回復するとの見通しにつ ながっている」と指摘。「投資家が関心を示すには金利は低過ぎる領域 にある」と述べた。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト92人を対象にした調査によ ると、2月の非農業部門雇用者数の予想中央値は14万9000人増。1月 は11万3000人増だった。12月、1月の数値はともに市場予想を下回っ た。

11日の3年債入札の規模は300億ドル、12日の10年債は210億ド ル、13日の30年債は130億ドルとなっている。

欧州債

欧州では大半の国債利回りが上昇。欧州中央銀行(ECB)のドラ ギ総裁の発言が手掛かり。同総裁はユーロ圏のインフレ率が今後2年半 で加速するとの見通しを示し、デフレリスクが弱まっていることを示唆 した。

2月のユーロ圏インフレ率は0.8%だった。ドラギ総裁によれば、 ECBはインフレ率が2016年10-12月(第4四半期)には1.7%まで加 速すると予想している。ECBの最新予測で14年インフレ率は1%、15 年は1.3%の見込み。16年平均は1.5%と予想されている。

キャンター・フィッツジェラルドの金利トレーディング責任者、ブ ライアン・エドモンズ氏はECBのインフレ見通しについて、「火に油 を少し注いだ格好だ」と指摘。「この日の国債相場は売り圧力を受け た。デフレ懸念からインフレ懸念に変わってきている」と述べた。

原題:Treasury Yields Rise to Highest in Week as Jobless Claims Fall(抜粋)

◎NY金:続伸、米国の低金利長期化や欧州のインフレ上昇見通しで

ニューヨーク金先物相場は続伸。米国の借り入れコストは低水準で 維持されるほか、欧州のインフレは徐々に上昇するとの見通しが背景。 ニューヨーク連銀のダドリー総裁は2015年半ばまで利上げはないとの予 想は適切との認識を示した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁はイ ンフレ率が2016年末に同中銀が目指す水準に近づくとの見通しを示し た。

ヘレウス・プレシャス・メタルズ・マネジメント(ニューヨーク) のバイスプレジデント、デービッド・リー氏は電話インタビューで、 「ダドリー、ドラギ両総裁の発言で金は支えられた」と指摘。「経済の 健全性を判断するため、あすの雇用統計が注目されるだろう」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比0.9%高の1オンス=1351.80ドルで終了した。

原題:Gold Futures Advance on Outlook for U.S. Rates, Europe Inflation(抜粋)

◎NY原油:小反発、失業保険申請件数の減少で-株に連れ高

ニューヨーク原油先物相場は小幅ながら3日ぶりに反発。米新規失 業保険申請件数が予想よりも減少したことが手掛かりとなり、株式相場 に連れて買いが入った。

エナジー・アナリティクス・グループのディレクター、トム・フィ ンロン氏は「失業保険統計で株式と原油が上昇している。ドル安も強材 料だ。原油は100ドルを割り込まないと思う。ウクライナ危機は終わっ ていない」と話した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比11セント高の1バレル=101.56ドルで終えた。

原題:WTI Oil Heads for Longest Drop in Two Months as Brent Gap Grows(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず、ECBは金融政策維持-仏ブイグが高い

6日の欧州株式相場はほぼ変わらず。欧州中央銀行(ECB)がこ の日の定例政策委員会で政策金利を据え置き、ドラギ総裁の会見でも新 たな刺激策が示唆されないと、それまでの上昇分を消した。

発電機レンタルの英アグレコは3.5%上昇。利益が予想を上回った ほか、株主への2億ポンド追加還元発表が好感された。フランスの建 設・通信会社ブイグは6.6%の大幅高。ビベンディの仏電話部門SFR を買収する提案を示した。一方、ドイツ最大の電話会社、ドイツテレコ ムは3.6%の値下がり。同社のティモテウス・ヘットゲス最高経営責任 者(CEO)が米子会社TモバイルUSを近い将来売却する可能性は低 いとの見解を示したことが明らかになった。

ストックス欧州600指数は前日比0.1%未満上げて337.28で終了。一 時は0.6%上昇していた。今週これまではウクライナをめぐる緊張を受 けて0.2%下落。2月25日に付けた6年ぶり高値を0.3%下回る水準とな っている。

ハンプステッド・キャピタルのファンドマネジャー、レックス・バ ンダム氏はECBについて、「成長が上向きインフレ率も上向いている と言うなら、利下げの余地は狭まる」と電話で話し、「利下げ期待があ ったが、それは起こらないようだ。このため、市場はちょっと失望して いる。ドラギ総裁はそう早急に緩和しないだろう」と続けた。

ECBはこの日、主要政策金利を過去最低の0.25%で据え置いた。 ドラギ総裁は前回会合以降に発表された経済データを受け、早急に利下 げする必要が後退したとの認識を示した。

この日の西欧市場では18カ国中14カ国で主要株価指数が上昇。仏 CAC40指数が0.6%、英FTSE100指数は0.2%それぞれ高くなっ た。

原題:Europe Stocks Are Little Changed After ECB Keeps Rate Unchanged(抜粋)

◎欧州債:ユーロ圏の国債が総じて下落-ECBは新たな行動控える

6日の欧州債市場ではユーロ参加国の国債相場が総じて下落。欧州 中央銀行(ECB)のドラギ総裁の発言で、利下げや新たな刺激策が導 入されるとの観測が後退した。

ドイツ国債は3営業日続落。ドラギ総裁はユーロ圏のインフレ率が ECBが目安とする水準に向かって中期的に上昇するとの見通しを示し た。同中銀はこの日、主要政策金利を過去最低の0.25%で据え置いた。 ブルームバーグ・ニュースがアナリスト54人を対象に実施した調査で40 人が予想した通りだった。スペインでは国債入札で借り入れコストが下 がったものの、流通市場の国債は値下がりした。

クレディ・アグリコルCIBの債券ストラテジスト、オーランド・ グリーン氏(ロンドン在勤)は「利回りがかなり上昇しているのは、市 場がECBのさらなる行動やドラギ総裁の発言にもっと何かを期待して いたことを示唆している」と指摘。「市場は明らかに、利下げであれ流 動性拡大措置であれ、ECBのハト派的な動きを織り込んでいたのに、 それは現実のものとはならなかった」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時26分現在、ドイツ10年債利回りは前日比4ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.65%。2月25日以来 の高さとなる1.67%に達する場面もあった。同国債(表面利 率1.75%、2024年2月償還)価格は0.405下げて100.915。2年債利回り も4bp上昇し0.165%。一時は1月23日以来の高水準となる0.17%を 付けた。

ECBはこの日公表した最新の経済予測で今年のユーロ圏成長率見 通しを1.2%と、従来予想の1.1%から上方修正。ドラギ総裁はインフレ 率が16年10-12月期には1.7%に上昇する見込みだと述べた。今年2月 のインフレ率は0.8%だった。

スペイン10年債利回りは5bp上昇して3.41%。11億ユーロ相当 の10年債入札では平均落札利回りが3.344%と、06年1月以来の低水準 となった。イタリア10年債利回りは7bp上昇の3.45%。

英国債もドイツ債に追随して下落。10年債利回りは5bp上昇 の2.77%。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格は0.385下 げ95.71。この日はイングランド銀行(英中銀)も金融政策を発表し、 政策金利を予想通りに過去最低の0.5%で据え置いた。

原題:European Bonds Slide as ECB Refrains From New Stimulus Measures(抜粋) Pound Weakens Most in a Month Versus Euro on ECB; Gilts Decline (抜粋)

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