クリミア、ロシア編入の是非問う住民投票実施へ-米欧は制裁

ウクライナ南部のクリミア自治共和 国の議会は6日、ロシアへの帰属を問う住民投票を実施することを決め た。欧州連合(EU)首脳はクリミアでのロシアの動きへの抗議で、同 国との通商交渉や査証(ビザ)発給をめぐる協議を一時停止した。

一方、米政府はウクライナの主権侵害に加担したとみなす当局者へ の査証(ビザ)発給を禁じた。ブリュッセルでのEU首脳会議では6 日、東欧諸国と西欧諸国の間で意見が対立。ロシアに対する強い措置を 求める東欧諸国に対し、西欧諸国は制裁を科す前にロシアがクリミアか ら軍を撤収する時間的猶予を与えるべきだと主張した。

ウクライナのヤツェニュク首相はブリュッセルでEU首脳らと会談 後、「この住民投票と呼ばれるものには法的根拠はない」と言明。「ウ クライナの分裂を主張する人々をロシア政府が支持しないよう強く求め る。クリミアは過去も現在も、そして今後もウクライナにとって不可欠 な領土の一部だ」と述べた。

ロシアが支持するヤヌコビッチ氏が大統領職を解任されて以降、ク リミアでは同地域の多数派であるロシア系住民の「権利と自由の保護」 を名分としたロシアの侵略を受ける脅威にさらされている。ヘイグ英外 相はウクライナ問題を、今世紀「最大の欧州危機」と呼んだ。

クリミア議会はこの日、住民投票でロシア帰属に賛成の意思が示さ れた場合にロシア編入のための拘束力のない法案について採決を実施し た。クリミア自治共和国の通信社、クリミアン・インフォメーション・ エージェンシーによれば、クリミア議会はロシアのプーチン大統領と同 国議会に対し、クリミア半島をロシア連邦に帰属させる手続きの開始を 求めた。

「茶番」

ウクライナの首都キエフの暫定政府当局者らはクリミア議会の動き を非難。トゥルチノフ大統領代行はクリミアの住民投票は「茶番」であ るばかりか「国家に対する犯罪」だと述べ、これを無効とした。ウクラ イナ憲法では国境の変更は地方ではなく全国的な住民投票で決定すると 定められている。

2001年の国勢調査によれば、クリミアの人口約200万のうちロシア 系住民が59%、ウクライナ人が24%、タタール人が12%を占める。

オバマ米政権はロシアとウクライナの一部当局者を念頭にビザの発 給を禁止。ホワイトハウスの声明によると、オバマ大統領は金融制裁も 承認し、ロシアに一段の圧力を加える準備を整えた。

米国は戦闘機6機をリトアニアに派遣したほか、ポーランドにもさ らに12機を派遣する予定。両国の国防相が6日明らかにした。また米海 軍はミサイル駆逐艦を黒海に派遣。ただこれはウクライナの問題とは無 関係だと米海軍は説明している。

キャメロン英首相はEU首脳会議後、記者団に対し、クリミアの住 民投票はウクライナ憲法と法律に反しており、EUの行政執行機関であ る欧州委員会はロシアが協議に参加しない場合、同国に対して渡航禁止 や資産凍結といった制裁措置を発動する計画を策定していると述べた。

原題:Crimea Makes Move to Join Russia as West Announces Sanctions (2)(抜粋)

--取材協力:Andrew Clapham、Jonathan Stearns、Helene Fouquet、Tony Czuczka、Jones Hayden、Krystof Chamonikolas、Andrew Frye. Editors: Michael Winfrey, Alan Crawford

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