ドラギ総裁:デフレは免れる-インフレ率は16年末に目標付近に

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総 裁は6日、ユーロ圏のデフレリスクは和らぎつつあるとの認識を示唆し た。同日公表されたECBの最新予測は、インフレ率が2016年末に同中 銀が目指す水準に近づく見通しであることを示した。

総裁はこの日の政策決定後の記者会見で、「前回の政策委員会以降 のデータは総じて、ポジティブなものだった」と述べた。ECBは同 日、主要政策金利を過去最低の0.25%で据え置いた。総裁はまた、短期 金融市場が今のところよくコントロールされているとの認識も示し、緊 急の流動性措置の必要性も後退したことを示唆した。

ドラギ総裁は債務危機からの回復の途上にあるユーロ圏経済を脅か すデフレリスクに立ち向かっている。ECBの最新予測は、ユーロ圏経 済が勢いを増し日本のような長期デフレを免れるとの総裁の見通しを強 化した。

「われわれは今まで、金融政策について早期に断固たる措置を取っ てきたし、今も取っている」と総裁は述べ、「入ってくる情報は、ユー ロ圏の緩やかな景気回復がわれわれの従来の想定に沿って進展している ことを裏付けた」と続けた。

ドラギ総裁はインフレ率が2016年10-12月(第4四半期)に1.7% 程度まで上昇し、年間の物価上昇率を2%弱の水準とするECBの目標 にほぼ一致するとの見通しを示した。今年2月のインフレ率は0.8%だ った。

現時点で行動の必要なし

当局者らは景気を守る取り組みの一環として、市場金利を低く抑え る決意もあらためて強調した。ドラギ総裁はこの日、市場の「妥当でな いタイトニング」に対して行動する必要は認めていないと述べた。

危機時に実施された証券市場プログラム(SMP)と呼ばれる債券 購入策で生じた流動性の不胎化措置をめぐる議論について、「SMPポ ートフォリオに現在ある債券の残存期間は短いため、この不胎化の影響 は比較的限られたものだ」とし、不胎化をしない場合の流動性の増加は 「比較的短期間しか続かない」と説明した。

総裁はまた、政策金利を「長期にわたり」低く維持する方針もあら ためて表明。ドラギ総裁は先月、状況を分析する上で情報が不足してい るとし①昨年10-12月期の成長率②新興市場の波乱からの影響③企業と家 計への与信④新しい経済予測-の4点に注目していた。

この中のECBの最新経済予測がこの日公表され、今年の成長率予 想は1.2%と、昨年12月時点の予想から0.1ポイント引き上げられた。16 年の予想は1.8%。インフレ率の予想は14年が1%と、前回予想の1.1% から下方修正された。15年は1.3%、16年は平均1.5%と予想されてい る。

「予測には、為替レートが不変であることや原油値下がりなど多数 の技術的な前提があることを強調しておかなければならない」とドラギ 総裁は付け加えた。

原題:Draghi Says Deflation Danger Should Abate as Economy Revives (1)(抜粋)

--取材協力:Alessandro Speciale、Jennifer Ryan、Emma Charlton、Scott Hamilton. Editor: John Fraher

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