NY外為:ユーロが対ドル2カ月ぶり高値-円は下落

ニューヨーク外国為替市場では、ユ ーロがドルに対し一時2カ月ぶり高値を付けた。欧州中央銀行 (ECB)のドラギ総裁がインフレ率は緩やかに上昇するとの認識を示 したことで、追加緩和策が実施されるとの観測が後退した。

ユーロは主要16通貨のうち15通貨に対して上昇。ECBは経済成長 ペースの加速を予想した。円は対ドルで5週ぶり安値を付けた。年金積 立金管理運用独立行政法人(GPIF)などの運用をめぐって、国内債 を中心とした運用を求めないとの方針を盛り込んだ厚生労働省の草案内 容に反応した。ドルは主要通貨の大半に対して値下がり。7日発表され る2月の雇用統計では、非農業部門雇用者数の増加幅が昨年の平均を下 回ると予想されている。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジのチーフ市場アナリ スト、オマー・エシナー氏は「市場参加者の大半は、ECBがきょう何 らかの形で行動を起こすか、ごく近い将来に金融緩和があるというシグ ナルを発すると見込んでいた」と指摘。「だがそのどちらもなかった。 ユーロがほぼ全面高になっているのはそのためだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時2分現在、ユーロは対ドルで前日 比0.9%高の1ユーロ=1.3861ドル。一時1.3873ドルと、昨年12月27日 以来の高値を付けた。対円では1.7%上げて1ユーロ=142円86銭。上昇 率は昨年9月19日以降で最大。円は対ドルで0.8%下げて1ドル=103 円07銭。一時103円17銭と、1月29日以来の安値を付けた。

新興市場通貨

ブルームバーグがまとめた新興市場の主要20通貨で構成する指数 は0.6%上昇と、ここ1カ月余りで最大の上げ。インド・ルピー、ハン ガリー・フォリントやポーランド・ズロチが大きく上昇した。

ロシア・ルーブルは下落。ウクライナ情勢をめぐる政治的緊張でロ シア資産への投資意欲が一層弱まるとの観測が背景にある。ウェブサイ トに掲載された声明によると、クリミア議会はロシアへの編入を求める 決議を採択。帰属を問う住民投票を今月16日に実施することを決めた。 ルーブルはドルに対し0.2%安の1ドル=36.1806ルーブル。一時0.6% 安まで下げた。

バンク・オブ・アメリカの金利・通貨グローバル責任者、デービッ ド・ウー氏(ニューヨーク在勤)は「ルーブル安はロシア経済にとっ て、起こり得る中で恐らく最も素晴らしい事だろう」と指摘。「今回の 危機における隠れた宝だ」と続けた。

ECB、円

ECBはこの日の定例政策委員会で、主要政策金利を0.25%で据え 置くことを決めた。ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査で は54人中40人が据え置きを予想、14人が利下げを見込んでいた。

ドラギ総裁は政策決定後の記者会見で、ユーロ圏のインフレ率につ いて、2016年10-12月(第4四半期)に1.7%に加速するとの見通しを 示した。今年2月のインフレ率は0.8%。14年のインフレ率については 1%と予想した。ECBの最新経済予測によれば、インフレ率は15年 が1.3%、16年は平均1.5%となっている。

円は主要16通貨全てに対して値下がり。厚労省が6日午前、社会保 障審議会の年金財政の経済前提と積立金運用を議論する専門委員会(委 員長:吉野直行慶応大学教授)に提出した草案によると、世界最大の年 金基金であるGPIFなどの運用利回り目標を賃金上昇率を基準にどの 程度上回るべきかの数値に変える方針が示された。また、国内債券を中 心にした運用は求めない。

この日はまた、ウクライナをめぐる緊張が緩和するとの観測から安 全需要が後退。こうした状況も背景に円は売られた。

三菱東京UFJ銀行のグローバル市場調査部門で欧州責任者を務め るデレク・ハルペニー氏は「専門委員会はここしばらく、政府が GPIFを国内債から遠ざける必要があるとの考えを示していた」と し、「市場の全般的なトーンはリスク選好で、それが円安につながって いる」と続けた。

原題:Euro Rises to 2-Month High on ECB Inflation Outlook; Yen Falls(抜粋)

--取材協力:Andrea Wong、Neal Armstrong. Editors: Paul Cox, Kenneth Pringle

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