全トヨタ労連会長:ほとんど溝は埋まっていない-春闘交渉終盤

トヨタ自動車グループの労働組合が 加盟する全トヨタ労働組合連合会(全トヨタ労連)の東正元・会長は、 今年の春闘労使交渉で経営側との溝が埋まっていないと指摘、現状は例 年以上に厳しいとの認識を示した。全組合がベースアップ(ベア)を要 求しており、こうした中でも賃上げや一時金では満額回答を目指す考え を強調した。また、政府の賃上げ要請の影響はまったくないという。

東会長は6日に愛知県内で開催した労組集会で、労組側の具体的要 求に対し、経営側が先行きの不透明さを指摘したり、賃上げより雇用確 保を優先する考えを示すなど、「ほとんどその溝は埋まっていない」と 述べた。また、集会後に記者団に対しては、労使交渉について「この段 階では例年以上になかなか厳しい」と話した。全トヨタ労連にはグルー プの製造系や販売系など計312組合が加盟し、組合員は約32万9000人。

こうした中でも、東会長は賃上げ満額獲得を「あきらめていない」 と述べ、一時金についても「最後まで満額にこだわり抜いていただきた い」と強調。経営側も日本経済復活とデフレ脱却に賃金の上昇が必要と は理解しているという。6日時点の平均で、製造系のベア要求は月2906 円、一時金は5.01カ月、また販売系のベアは月3045円、一時金4.66カ月 となっている。

デフレ脱却を目指す安倍晋三首相は、企業に対して収益増を賃上げ に回すよう訴えている。こうした政府の要請に対して、東会長は「やり すぎ」と指摘し、労使間の交渉をないがしろにしているとの考えを示 し、「大変残念、遺憾です」と語った。今回の労使交渉で、政府の影響 は「今はまったくない」と話した。

グループの中核企業の労組、トヨタ自動車労働組合では春闘で経営 側に対し、月平均4000円のベアと、基準内賃金の6.8カ月(約244万円に 相当)の年間一時金を要求している。鶴岡光行執行委員長は4日、愛知 県豊田市内の労組集会で組合員に対し、「会社側との交渉は平行線」と し、「これまで2回交渉したが、大きな隔たりが残されたまま」と指摘 していた。

高い要求

一方、トヨタの宮崎直樹専務は2月19日、月平均4000円のベアは保 険や福利厚生費なども含めると会社側負担が倍に膨らみ、年間60億円前 後のコスト増になる試算を明らかにしている。また、今回の要求額は非 常に高いとの認識を示していた。

東会長は、トヨタ労組のベア4000円要求について「高い要求をした なというのが率直な印象」と話した。また、グループ内の格差が大きい と指摘し、トヨタのブランドはみんなでつくっており、格差を縮めてい く必要があり、「それがグループの一体感を維持する重要な一つの方 策」との考えを示した。

全日本自動車産業労働組合総連合会(自動車総連)のウェブサイト によると、今年の春闘では2月12日に統一要求、同19日、26日、3月5 日に統一交渉、3月12日を集中回答日に設定している。

--取材協力:Ma Jie、Craig Trudell.

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