ドル・円は102円台前半、ECB会合や米雇用統計待ち

東京外国為替市場では円が下落。対 ドルでは一時1ドル=102円76銭と、2月21日以来の安値を付けた。年 金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などの運用をめぐって、国 内債を中心とした運用を求めないとの方針を盛り込んだ厚生労働省の草 案内容が伝わると、日本株の上昇を背景にリスク選好的な円売りが強ま った。

午後3時20分現在のドル・円相場は102円64銭付近。円は朝方に付 けた102円27銭を上値に伸び悩んだ後、厚労省草案の報道を受けて日経 平均株価が上昇したのにつれて円売りが優勢となった。円は対ユーロで も一時1ユーロ=141円03銭と、8営業日ぶりの安値を付けた。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、「国内債に比重 がかかっていたところを変えるということで、少しリスクを取るという 方向があらためて確認される格好になった」と指摘。株高につながり、 「ドル・円相場にはプラスになる」と言い、日経平均が1万5000円台に 乗せて上伸すると、一段の円安になるとしていた。

厚労省が6日午前、社会保障審議会の年金財政の経済前提と積立金 運用を議論する専門委員会(委員長:吉野直行慶応大学教授)に提出し た草案によると、世界最大の年金基金であるGPIFなどの運用利回り 目標を賃金上昇率を基準にどの程度上回るべきかの数値に変える方針が 示された。

また、同草案は、GPIFは年金財政が求める利回りを最小限のリ スクで得る「安全かつ効率的な運用」に徹する必要があるが、具体的な 運用手法は自身で検討すべきだと主張。デフレから脱却して適度なイン フレ環境に移行しつつある中では「あらかじめ『国内債中心』を示す必 要はなく、GPIFがフォワードルッキングの視点も踏まえ、運用目的 ・目標に則したポートフォリオを検討すべきだ」とした。

6日の東京株式相場は上昇。日経平均株価は心理的節目の1万5000 円を1週間ぶりに回復し、上げ幅は一時300円を超えた。

ECB政策や米雇用統計を注視

この日は欧州時間にECB(欧州中央銀行)の政策決定会合が開か れる。ユニオン・バンクのトレーダー、白井万雄氏(ロサンゼルス在勤 )は、「IMF(国際通貨基金)は利下げするべきだというようなこと を言っていたが、何となく今は落ち着いているので、3月半ばに出るイ ンフレの数字を見ないことには判断できないと思う」と言い、今回は据 え置きの結果を予想している。

ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト54人を対象にした調査で は、40人が今回の会合で主要政策金利の変更はないと予想。国内総生産 (GDP)やインフレ統計が予想を上回り、景況感が改善を示す中、焦 点はドラギ総裁が流動性を拡大させたり融資を刺激する戦略を打ち出す かどうかに移っている。

ユーロ・ドル相場は海外時間に一時1ユーロ=1.3708ドルと3営業 日ぶりのユーロ安値を付けた。その後は1.37ドル台半ばと1.37ドルちょ うど付近の間で上下し、この日の東京市場では1.37ドル台前半で推移し た。

米国では、注目の2月の雇用統計が7日に発表される。エコノミス ト調査では非農業部門の雇用者数は前月比14万6000人増が見込まれてい る。1月は11万3000人増だった。2月の失業率は前月比変わらずの6.6 %と予想されている。これは08年10月以来の低水準。

5日に発表された給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・イン スティテュートが発表した給与名簿に基づく2月の米民間部門雇用者数 は前月比13万9000人増と、事前予想を下回った。また、米供給管理協会 (ISM)が発表した2月のは2010年2月以来の最低水準となり、雇用 指数も同年3月以来の水準に低下した。6日は先週分の新規失業保険申 請件数や1月の製造業受注などが発表される。

白井氏は、米雇用統計について、「また天候の影響がどれだけある のかという」点が注目だとし、ADP発表の雇用者数が予想を下回り、 前月も下方修正されており、「今回は慎重に数字を見ていく必要がある 」と指摘。その上で、市場予想の15万人増程度の数字が出てこないと、 「大きくドル売りになってしまう」可能性があると指摘した。

--取材協力:大塚美佳. Editors: 青木 勝, 崎浜秀磨

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