ロシア、クリミアで米欧に譲らず-EUはウクライナ支援表明

ロシアのラブロフ外相は5日、パリ でケリー米国務長官らと会談した。クリミア情勢の沈静化を目指しケリ ー長官はラブロフ外相に対し、ウクライナ外相とパリで協議するよう提 案したがロシアはこれを拒否。クリミアからの軍の撤収を求める欧米の 声も無視した。一方、欧州連合(EU)は新政権のデフォルト(債務不 履行)回避支援で16億ユーロ(約2250億円)規模の緊急支援を実施する 方針を表明した。

ラブロフ外相とケリー長官の直接会談は先月のウクライナ政変で最 高会議(国会)から大統領職を解任されたヤヌコビッチ氏がロシアに事 実上亡命して以来初めて。ロシアは欧米がヤヌコビッチ政権へのクーデ ターを支持していると批判してきた。ロシアはEUが事態の解決に向け ロシアとウクライナ暫定政権の間の調停役を務めるとの提案も拒絶し た。

ラブロフ外相は5日夜のケリー長官や欧州の外相らとの協議後、 「クリミアで起きていることをわれわれ全員が心配している」とした上 で、「協議は今後も続く。今言えることはそれだけだ」と記者団に語っ た。

ウクライナのデシツァ外相はロシア外相との協議に備え、予定を延 長してパリに滞在したものの、ケリー長官は同協議が5日中に実現する 「見込みは全くない」と言明した。同長官はまた、ロシアに対し、ウク ライナ政府との直接協議のほか、軍の撤収や国際監視団の安全確保をあ らためて求めると述べた。さらにラブロフ外相との直接協議では帰国後 にオバマ大統領と話し合うべき「具体的な材料」が得られたと語った が、具体的内容は明らかにしなかった。

監視団

欧州安全保障協力機構(OSCE)はウクライナ監視団として、18 カ国から35人の軍事要員を非武装で派遣した。ロシアもOSCEに加盟 しているが監視団には参加していない。ウクライナの国境警備隊はロシ ア軍から6回の攻撃を受けたとして、クリミア半島に入る道路にチェッ クポイントを設置したほか、ロシアとの国境の警備を強化した。

国連は電子メールで配布した資料で、ウクライナに派遣したロバー ト・セリー特使が身元不明の武装集団から直ちに出国するよう警告され たため、事実調査を予定より早く切り上げ帰途に就いたことを明らかに した。

ロシアのプーチン大統領はモスクワ近郊で開いた政府会議で、ウク ライナの政治と経済問題を切り離したいと発言。ロシアは全てのパート ナー国と協力し、状況の深刻化を回避する必要があると述べた。

メルケル独首相やキャメロン英首相らEU首脳は6日にブリュッセ ルでウクライナ問題に関する緊急会合を開く。ウクライナのヤツェニュ ク首相も同首脳会議に出席し、その後、北大西洋条約機構(NATO) のラスムセン事務総長と会談する予定。

原題:Russia Spurns U.S. Diplomacy Bid on Ukraine as EU Promises Aid(抜粋)

--取材協力:Paul Abelsky、Thomas Penny、Andras Gergely、Gregory Viscusi、Daryna Krasnolutska. Editors: Larry Liebert, Michael Shepard

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