楽天三木谷社長:利用者20億人目指す-無料通信アプリ買収で

国内最大の電子商取引サイトを運営 する楽天は、2-3年をめどに利用者数を20億人に拡大する計画だ。先 月発表した無料メッセージングアプリ会社バイバー・メディアの買収を てこにする。三木谷浩史会長兼社長が5日、ブルームバーグ・ニュース の単独インタビューで明らかにした。

「ゴールは10億人、20億人の利用者数に到達することだ」と三木谷 氏はいう。楽天の現在の会員数は約2億人。同氏によると、バイバーの 1日の新規利用登録者数を現在の60万人から100万人に増やす。これで 年間3億6500万人が加わることになり「恐らくあと2、3年」で目標を 達成できると述べた。同氏は英語でインタビューに答えた。

世界一のネットサービス企業を目指す楽天は米フェイスブックや米 アマゾン、さらにソフトバンクなどと覇権争いをしている。楽天の現在 の収益源はインターネットを使った買い物やトラベルサービス、金融が 柱だが、三木谷氏(48)は、そこにデジタルコンテンツサービスを加え るべく先行投資を繰り返している。バイバーの前には電子書籍サービス やビデオストリーミングサービスなどを買収した。

バークレイズ証券の米島慶一アナリストは、バイバーの登録者数が 増えることは楽天の「リーチが増える」ことにつながるという。その一 方で「20億ユーザーに届くかもしれないが、それがどう業績に結び付く かは別の問題」と述べた。

フェイスブック

楽天は2月14日にバイバー・メディアを総額9億ドル(約920億 円)で買収すると発表した。当時の資料によると、バイバーの利用者は 世界で2億8000万人。この発表から5日後、携帯端末向けメッセージン グアプリ「WhatsApp(ワッツアップ)」を展開し、4億5000万 人強のユーザーを抱える米ワッツアップを、米フェイスブックが最 大190億ドルで取得すると発表している。

フェイスブックがワッツアップのユーザー1人を獲得するのに払う のが42ドルに対し、楽天はバイバーユーザー1人の獲得に3ドルを支払 う計算になる。

三木谷氏はバイバーの活用法について、アプリの従来の無料通話や メッセージなどのサービスを利用し、ゲームやビデオストリーミング、 電子書籍などを提供すると述べた。しかし業績への貢献開始について 「収益化のタイミングはそれほど重要ではない」として、明言を避け た。

楽天の株価は今年に入って5日までに8.4%下落。6日は0.8%安 の1420円で取引を終えた。

登録者は増加

インタビューに同席したバイバーのタルモン・マルコ最高経営責任 者(CEO)によると、先月の買収発表以来、同社の無料メッセージン グや無料通話のアプリ「Viber(バイバー)」の新規利用者登録の ペースは世界中で加速しているという。発表当時は1日あたり55万人だ ったのが、現在は60万人を上回ることもあると述べた。

通信アプリをめぐる大手の買収は、楽天、フェイスブックだけでな く、ソフトバンクも関心を示している。事情に詳しい複数の関係者の話 によると、ソフトバンクは韓国の検索サイト大手のネイバーの傘下でス マートフォン向けなどにメッセージングアプリを展開するLINEの株 式取得を目指しているという。

LINEの出澤剛最高執行責任者(COO)は先月ソフトバンクか ら買収提案はないと述べた。ソフトバンク広報の倉野充裕氏は「憶測に はコメントしない」と述べている。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、通信アプリ の激しい競争の中で、楽天がバイバーを成長させられるのか不透明だと いう。そして「ネットワークとして楽天の地位がLINEなどに脅かさ れる」と述べた。2月26日時点で全世界3億7000万人のLINEユーザ ー数は年内に5億人に達する見通し。

バイバーとViki

三木谷氏は、バイバーの活用の一例として、楽天が提供する動画共 有サービス「Viki(ヴィキ)」との統合を挙げる。それによりすべ てのバイバー利用者が動画を見られるようになり、大きな市場でなくて も「裁定機会は巨大」という。また新しい機能の提供開始が世界中に迅 速にできるようになることも強みとして挙げた。

みずほ投信投資顧問の青木隆シニアファンドマネジャーは、楽天 が20億人の利用者を目指す上でさらなる「合併・買収(M&A)も必要 だ」として「フェイスブックなど各社が同じような所を狙っている」と 述べた。

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