米国株:ほぼ変わらず、ウクライナ情勢や経済統計を注視

5日の米国株はほぼ変わらず。投資 家はウクライナ危機を見極めている。この日発表された雇用と非製造業 の統計はいずれも市場予想を下回った。

石油のエクソンモービルを中心にエネルギー株が下落。ディスカウ ントストアのターゲットも安い。同社の最高情報責任者が辞任した。ゲ ームストップは増配が好感されて3.8%急伸した。

S&P500種株価指数は前日比1ポイント未満下げて1873.81。ダウ 工業株30種平均は35.70ドル(0.2%)下げて16360.18ドルで終えた。

LPLファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、ジェフリ ー・クライントップ氏(ボストン在勤)は、「市場のレーダーがウクラ イナ情勢をしっかりと捉えていることは間違いなく、引き続き主要な手 掛かりにされている」と指摘。さらに「冬の悪天候を理由に投資家は低 調な経済統計を素通りしている。こうした市場の反応はこれから発表さ れる2月の経済統計の大部分についても言えることだ。つまり株式市場 は統計内容が悪ければ無視し、良好であれば買い材料にするだろう」と 述べた。

前日のS&P500種は大幅高。ロシアのプーチン大統領の発言で、 ウクライナ危機はすぐに深刻化することはないとの見方が広がった。

市場は強い耐性がある

米国は対ロシア制裁を検討している一方で、ウクライナ暫定政権へ の援助も準備している。プーチン大統領は、ウクライナのロシア系住民 を守るために武力を行使する権利は譲らなかったものの、現時点で「そ のような必要性はない」と述べた。

ロバート・W・ベアードの米株セールス責任者、パトリック・スペ ンサー氏は、「世界的に見ても、こうした出来事に対して市場は強い耐 性がある」と述べ、「今回の地政学的な状況変化に伴うボラティリティ ーは確かに高いが、それが決定打になるとは考えていない。むしろ金利 政策のほうが重要だ。マクロ経済の方向性や経済成長をめぐる環境は堅 調だ」と続けた。

給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが 発表した給与名簿に基づく集計調査によると、2月の米民間部門の雇用 者数は前月比13万9000人増加した。ブルームバーグがまとめたエコノミ ストの予想中央値は15万5000人の増加だった。

米供給管理協会(ISM)が発表した2月の非製造業景況指数は拡 大ペースが鈍化し、4年ぶりの低水準となった。ISMが発表した2月 の非製造業総合景況指数は51.6と、前月の54から低下した。これは2010 年2月以来の最低水準。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想 中央値は53.5だった。同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。

ベージュブック

投資家の間では最近の芳しくない経済統計は天候が理由だとみてい る。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によると、7日に労働 省が発表する2月の米雇用統計では15万人の雇用増が見込まれている。

米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベ ージュブック)によると、先月は異例に厳しい寒さとなり、雇用が抑え られたほかサプライチェーンは混乱し、小売店や自動車販売店への客足 も鈍ったが、景気は大半の地域で拡大した。

ベージュブックでは、全12地区のうち8地区が「活動水準の改善を 報告した。ただ大半のケースで改善の度合いは緩慢ないし緩やかとされ た」と指摘した。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数( VIX)はこの日1.5%低下して13.89。

S&P500種の産業別10指数は5指数が下げた。特にエネルギー関 連株が売られた。一方、金融株は買われた。

エクソンは2.8%安。ウクライナ情勢を背景に米国企業のロシア事 業が制限される恐れがある。

ターゲットは1.2%安。同社は顧客情報流出の再発防止のため、技 術問題の最高責任者となるべき新たな人材を模索している。同社でこれ まで最高情報責任者を務めてきたベス・ジェイコブ氏は5日、辞任し た。

原題:U.S. Stocks Little Changed Amid Ukraine Tension, Economic Data(抜粋)

--取材協力:Joe Carroll. Editors: Jeremy Herron, Jeff Sutherland

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