米国債:小動き、1カ月ぶりの小幅なレンジ-成長鈍化の兆候

米国債相場は小動き。ほぼ1カ月ぶ りの小幅な取引レンジとなった。民間雇用者数の伸びが予想を下回った ほか、非製造業景況指数が予想以上に低下し、景気腰折れの思惑が強ま った。

米連邦準備制度理事会(FRB)が5日公表した地区連銀経済報告 (ベージュブック)によると、厳しい寒さとなる中、全12地区のうち8 地区が2月に「緩慢ないし緩やかな」成長を報告した。給与明細書作成 代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが発表した給与名簿に 基づく集計調査によると、2月の民間部門雇用者数は前月比13万9000人 増加した。前月は12万7000人増。労働省は7日に2月の雇用統計を発表 する。

大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、レ イ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は「雇用情勢の弱さの一部は厳冬に よるものだと当局は説明した」と指摘。次回の連邦公開市場委員会 (FOMC)までに「当局は7日の雇用統計をみて、雇用情勢に関して 理解を深めるだろう」と話した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比ほぼ変わらずの2.70%。取引レン ジは3.95ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、2月10日以降 で最小となった。同年債(表面利率2.75%、2024年2月償還)価格 は100 15/32。

債券ETFから資金流出

ブルームバーグが集計したデータによると、米国の債券で運用する 上場投資信託(ETF)から60億6800万ドルの資金が4日に流出し、債 券への投資意欲減退を示した。20日間の平均は9億5390万ドルの資金流 入。

一方、米国株で運用するETFには14億3500万ドルが4日に流入し た。年初来では米債券ETFには113億ドルの資金が流入し、米国株 ETFからは113億ドルが流出している。

ベージュブックでは、大半の連銀地区が「活動水準の改善を報告し た」と指摘した。一方でニューヨークとフィラデルフィアの両地区は活 動の低下を報告し、「大部分はこれら地域での異例に厳しい天候が原因 だ」と説明した。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、ADP民間 雇用者数の予想中央値は15万5000人の増加だった。前月は速報値の17 万5000人増から下方修正された。

米供給管理協会(ISM)が発表した2月の非製造業総合景況指数 は51.6と、前月の54から低下した。これは2010年2月以来の最低水準。 ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は53.5だった。

「雇用統計が鍵」

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラ リー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「天候と弱い数字という 組み合わせで市場の楽観的な見方がやや後退したため、利回りは比較的 低位で推移している。市場はやや神経質で、方向感が出るまで動きは比 較的抑制されるだろう。7日の雇用統計が鍵だ」と述べた。

ブルームバーグがエコノミスト85人を対象にまとめた予想中央値で は、2月の非農業部門雇用者数は15万人増。1月は11万3000人増だっ た。12月と1月の数値はいずれも市場予想を下回った。

原題:Treasuries in Tightest Range in Month on Growth-Slowdown Signs(抜粋)

--取材協力:Lukanyo Mnyanda. Editors: Kenneth Pringle, Dave Liedtka

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