ドル・円は102円前半、ウクライナ緊張緩和-欧米景気見極めでこう着

東京外国為替市場では、ドル・円相 場が1ドル=102円台前半で推移。ウクライナ情勢をめぐる緊張がいっ たん緩和し、リスク回避を背景とした円買いの動きが後退した。

午後3時22分現在のドル・円相場は102円16銭付近。朝方に102円29 銭を付けた後、102円12銭まで円が値を戻す場面が見られたものの、値 動きは乏しく、同時刻現在までの値幅は17銭にとどまっている。

マネースクウェア・ジャパン市場調査室の山岸永幸シニアアナリス トは、足元ではウクライナ情勢の緊迫化を受けて過度に進んだリスク回 避の動きが後退した格好になっていると指摘。ただ、今週は本来の注目 材料が欧州中央銀行(ECB)の政策決定と米国の雇用統計だとし、 「リスクオンになるためには結果を見ないとという意識が働いてしま う」と言い、東京時間は動きづらい面があるとしている。

7日には米国で2月の雇用統計が発表される。山岸氏は、同統計は 市場予想比で下振れる内容が続いており、今回も「市場は過度に期待し ている雰囲気ではない」として、「いい数字が出れば、好感される」と みている。

そうした中、この日の米国時間には、米供給管理協会(ISM)が 2月の非製造業景気指数を発表するほか、給与明細書作成代行会社の ADPリサーチ・インスティテュートが2月の民間部門の雇用者数を発 表する。

ECB政策見極め

また、6日に欧州中央銀行(ECB)の政策決定会合を控えて、こ の日はユーロ圏で1月の小売売上高などの経済指標が発表される。先日 発表された2月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)は前年同月 比0.8%上昇と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予 想を上回り、市場では利下げ観測が後退している。

三井住友銀行市場営業部ニューヨークトレーディンググループの柳 谷政人グループ長(ニューヨーク在勤)は、欧州経済について、「景気 はそこまで悪くはないが、失業率が高くて良くもないので、そのあたり を考えると、何らかの刺激策が必要というのはその通りだと思う」と説 明。「問題はそのカードを今切るべきか否かというところだ」としなが らも、マーケットはほとんど利下げがあるとはみていないと言う。

東京市場のユーロは上値が抑えられる展開となっている。対円では 朝方に一時1ユーロ=140円58銭と、3営業日ぶりの高値を付けた 後、140円台前半に水準を切り下げて推移。対ドルでは1ユーロ =1.3744ドルを上値に1.37ドル台前半に下押しされた。

一方、ウクライナのクリミア自治共和国をめぐる緊張感は、ロシア のプーチン大統領が4日、ロシアが直ちにウクライナ東部に侵攻する必 要性はないと言明したことでいったん落ち着きをみせている。同国の金 融市場では株式、債券、ルーブルがトリプル高となった。また、ウクラ イナ債は反発し、通貨のフリブナも上昇した。

米国のオバマ大統領はウクライナ情勢について、「われわれは今後 数日、数週間に緩和させることが可能かもしれないが、状況は深刻で多 くの時間を費やしている」と発言。さらに、 ロシアは「国際法に根本 的に違反」と述べている。

柳谷氏は、「恐らくロシアはクリミアから手を引かないだろうが、 ウクライナにこれ以上の侵攻もしないだろう」とし、この状態が続く可 能性は多分にあると予想。その上で、「米国がアクションを起こしてく る可能性は極めて低いと思うが、ロシアに対して何らかの経済制裁を起 こすのであれば、ロシア側としては反発すると思う」と言い、衝突が起 こりやすい状況で、衝突の仕方次第によっては、リスクオフの材料にな り得るかもしれないとみる。

--取材協力:大塚美佳. Editors: 崎浜秀磨, 青木 勝

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE