米国債:下落、ウクライナ危機の緩和で逃避需要が後退

米国債市場では10年債利回りが約3 カ月ぶりの大幅な上昇となった。ウクライナ危機が落ち着き始めた兆候 を受け、逃避需要が後退し、ほかの先進国の国債利回りも上昇した。

ロシアのプーチン大統領は直ちにウクライナに派兵する必要はない と発言。ケリー米国務長官はキエフ入りし、金融支援を表明した。世界 的に株高となる中、ドイツと英国の国債も下落した。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、ウィリアム・ マーシャル氏(ニューヨーク在勤)は「きょうは好材料となるような悪 いニュースがまったくない。前日とほぼ正反対の一日だった」と指摘し た。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比10ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2.70%と、終値ベースでは昨年11月8日以来の大幅 な上昇となった。同年債(表面利率2.75%、2024年2月償還)価格 は27/32安の100 14/32。

前日に2.3%安となったストックス欧州600指数は2.1%上昇、前日 に0.7%下落したS&P500種株価指数は1.5%上げた。

クレディ・アグリコルの債券戦略の責任者、デービッド・キーブル 氏は米国債市場について、「世界市場の動きに追随しているだけだ」と 指摘した。キーブル氏によると、同社は前日にウクライナの混乱が10年 債利回りを15bp押し下げたと試算。この日の動きでその3分の2を戻 したという。

プーチン大統領

プーチン大統領は4日の記者会見で、「軍事力の行使は極端なケー スだ」と発言。西側との対立を招き世界市場を混乱させた危機が早急に エスカレートしないことを示唆した。ロシアが大陸間弾道弾( ICBM)の発射テストを実施したとインタファクス通信が報じると、 国債相場は下げ渋る場面もあった。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏は「ニュース主導のパニック相場と言える。過去10年間、恐怖心に基 づき数多くの悪い投資判断がなされた」と話した。

ロシア国債利回りが今週、2012年以来の高水準に上昇したため、同 国財務省は5日に予定していた国債入札の中止を発表した。ルーブル建 てロシア国債(2027年2月償還)の利回りは前日に52bp上昇し、12年 6月以来の高水準となった。

「緊張が弱まる」

BNPパリバ(パリ)のシニア債券ストラテジスト、パトリック・ ジャック氏は「前日の国債利回り上昇は、週末からのウクライナ情勢の 緊迫化をめぐる懸念が主導した」と指摘。この日は「緊張がやや弱ま り、アジア株はプラスに反応した。株式相場はもっと建設的なトーンで 始まった」と述べた。

7日発表の2月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が15万人増と予 想されている。1月は11万3000人増だった。

原題:Treasuries Fall Most Since November on Ukraine Turmoil Eases(抜粋)

--取材協力:Mariko Ishikawa、Lukanyo Mnyanda. Editors: Kenneth Pringle, Paul Cox

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