3月3日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円が一時1カ月ぶり高値-ウクライナ情勢で逃避需要

ニューヨーク外国為替市場では円がドルに対しほぼ1カ月ぶりの高 値を付けた。ロシアがウクライナのクリミアを事実上掌握したことでウ クライナ政府との衝突が激化するとの不安が強まり、安全資産の需要が 高まった。

円は主要16通貨全てに対して値上がり。米国はロシアに対する制裁 を検討、また欧州連合(EU)外相も緊急会議を開催した。そうした 中、ケリー米国務長官はウクライナの首都キエフを訪問する。スイス・ フランは対ユーロで1年ぶり高値に上昇。ロシアではルーブルが過去最 安値となり、中銀は利上げを実施した。ノルウェー・クローネおよびス ウェーデン・クローナは下落。両国とも製造業購買担当者指数 (PMI)がエコノミスト予想を下回った。

ウエストパック銀行の北半球通貨担当チーフストラテジスト、リチ ャード・フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「逃避の流れから円 が買われている」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前週末比0.3%高の 1ドル=101円45銭。一時101円20銭と、2月5日以来の高値を付けた。 対ユーロでは0.8%上げて1ユーロ=139円33銭。一時は1%高と、1 月31日以来で最大の上昇率となった。ユーロは対ドルで0.5%下げて1 ユーロ=1.3735ドル。

フラン、ルーブル

ノルウェー・クローネは0.7%安の1ドル=6.0481クローネ。一時 1月30日以降で最大の下げとなった。スウェーデン・クローナは1.1% 安の1ドル=6.4761クローナ。

ノルウェーの製造業PMIは51と、前月の52.8から低下。市場予想 の52.5も下回った。スウェーデンの同指数は54.6と前月の56.4から下 げ、市場予想の55にも届かなかった。

スイス・フランは対ユーロで0.2%上昇の1ユーロ=1.21294フラ ン。一時1.21044フランと、2013年1月10日以来の高値を付けた。スイ ス中銀は、デフレやリセッション(景気後退)の阻止を目指し2011年9 月に1ユーロ=1.20フランの相場上限を設定した。

ルーブルはロシア中銀の通貨バスケットに対して1.5%安の42.6570 ルーブル。一時過去最安値となる42.754ルーブルを付けた。ロシア中銀 は1週間物入札レポ金利を7%と、従来の5.5%から引き上げた。利上 げはモスクワ時間午前11時に実施。

ロシア中銀は「今回の決定はインフレおよび、金融市場でこのとこ ろ見られる高いボラティリティに関連した金融安定へのリスクの抑制が 目的だ」と説明した。

「ウクライナの情勢次第」

ウクライナ情勢をめぐっては、オバマ米大統領が各国首脳と連絡を 取り、ロシアによる軍事侵攻への対応方法を協議した。

野村セキュリティーズ・インターナショナルの外国為替ストラテジ スト、チャールズ・サンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は「全てはウ クライナの情勢次第だ」とし、「高金利通貨は下げている。市場ではこ れまでのところドルと円が主な逃避先として注目されている。スイス・ フランのパフォーマンスも比較的良い」と述べた。

原題:Yen Reaches 1-Month High as Ukraine Tension Fuels Haven Demand(抜粋)

◎米国株:大幅下落、ウクライナ情勢緊迫で売り-ダウ153ドル安

3日の米国株は1カ月ぶりの大幅下落。世界的な株安に追随した。 ウクライナでのロシア軍の動向次第で情勢が一段と悪化する恐れがある との不安が広がった。

複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)と日用品・工業品メー カー、3Mを中心に工業株が売られた。金融株も安い。電子決済ネット ワークのビザやクレジットカードのアメリカン・エキスプレス(アメッ クス)が下落。ガスプロムやルクオイルを含むロシア企業に投資するマ ーケット・ベクターズ・ロシアETF(RSX)は6.9%下げた。

S&P500種株価指数は前営業日比0.7%安の1845.73。ダウ工業 株30種平均は153.68ドル(0.9%)下げて16168.03ドル。

D.A.デービッドソンのチーフ投資ストラテジスト、フレデリッ ク・ディクソン氏は、「ウクライナのように地政学的危機が深刻化した 材料に対して、株式市場は大抵、世界的に売りが優勢になる。どれほど 深刻化するかは外交手腕次第だ」と述べた上で、「今回は5年間にわた る強気相場を終わらせるような一大事ではなく、穏やかな調整を促す出 来事だとみている」と続けた。

MSCIオールカントリー世界指数は1.3%下落。ロシアの株価は 5年ぶりの大幅安、ストックス欧州600指数は2.3%下げた。新興市場の 株価は1.7%下落した。

ウクライナ情勢

ウクライナ当局者によると、クリミアに停泊している同国の艦船2 隻に対しロシア海軍が降伏を迫った。冷戦以降で最悪のロシアと西側の 対立は急速に緊張を高めている。一方、ロシア側は最後通告の事実はな いと否定した。

ウクライナのテルノピルの副司令官、オレクシー・キルクコフ氏が 同国のチャンネル5に電話で述べたところによると、ロシアの黒海艦隊 の司令官が同艦隊の基地のあるセバストポリの港付近に停泊しているウ クライナ艦船2隻に対し、現地時間4日午前5時までに武器を引き渡し 降伏するよう迫った。

米欧の外交当局者らが緊張緩和を図る中、ケリー米国務長官は3日 にキエフ入りする。

買いの好機

ING・USインベストメント・マネジメントのマーケットストラ テジスト、カリン・キャバナー氏は、「ウクライナのニュースは深刻 だ。しかしグローバルリスクは常に存在しており、こうしたリスクによ る短期的な変動も絶えず見られる」と述べ、「これ以上深刻化しなけれ ば、今回の緊迫化した情勢は短期で収束するとみている。ある程度の乱 高下やボラティリティーが見られたら、それは買いの好機である可能性 もある」と続けた。

2009年3月9日からのS&P500種の強気相場は6年目に突入する 見通しだ。米金融当局が実施した3度にわたる量的緩和の影響で、S& P500種は12年ぶり安値から173%値を戻した。

2月の米製造業活動は、市場予想を上回るペースでの拡大となっ た。米供給管理協会(ISM)が発表した2月の製造業総合景況指数 は53.2と、前月の51.3から上昇した。同指数で50は活動の拡大と縮小の 境目を示す。

米商務省が発表した1月の個人消費支出(PCE)は前月比0.4% 増加。伸びはブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値 (0.1%増)を上回った。個人所得は0.3%増加した。

ボラティリティーの上昇

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)はこの日16%上昇して16.02。

S&P500種の産業別10指数はいずれも下げた。特に公益事業株や 選択的消費株が下げた。

工業株は0.7%安。GEは1.4%下落、3Mは1.9%値下がりした。 金融株は0.9%安。アメックスとビザはそれぞれ1.4%と2%下落した。

原題:U.S. Stocks Fall Amid Global Equities Selloff on Ukraine Turmoil(抜粋)

◎米国債:上昇、ウクライナ危機の深刻化で世界的に逃避需要

国債相場は世界的に上昇した。ロシアがウクライナのクリミア地方 を事実上掌握したため、安全な資産に対する需要が膨らんだ。

米個人消費支出が増加し、製造業景況指数が上昇したため、米10年 債利回りは一時下げを縮小した。それ以前には1カ月ぶりの水準まで低 下した。日本の10年債利回りは昨年5月以来の低水準となり、ドイツと 英国の国債も上昇した。米国はロシアに制裁の可能性を警告。ケリー米 国務長官はキエフを訪問する予定で、欧州連合(EU)外相らは緊急会 合で早急な悪化防止策を求めた。

プルデンシャル・ファイナンシャルのフィクストインカム部門チー フ投資ストラテジスト、ロバート・ティップ氏は「瀬戸際にあるウクラ イナ情勢が改善するかどうか様子見姿勢が強く、同時に経済状況も依然 として厳しい。経済統計がこの先どのようになるか見極めようとしてい る」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、米10年債利回りは前営業日比5ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下の2.60%。一時は2.59%と、4日以来の低水 準となった。同年債(表面利率2.75%、2024年2月償還)価格は13/32 高の101 9/32。

ロシア議会がウクライナへの軍事介入を承認したため、逃避需要が 高まった。ウクライナは予備役を招集し、国際社会に経済支援を要請。 ロシアの侵攻は「戦争行為」であると非難した。

各国の国債利回り

ドイツ10年債利回りは前週末比7bp低下の1.56%。2月27日に は1.55%と、昨年7月24日以来の低水準を付けていた。日本の10年債利 回りは一時、昨年5月7日以来の低水準となる0.57%まで低下した。 英10年債利回りは7bp低下の2.65%。

ストックス欧州600指数は前週末比2.3%安となり、S&P500種株 価指数は0.7%下落した。

商品相場はほぼ6カ月ぶりの高値。ウクライナ危機でエネルギーと 農産物の供給に障害が発生するとの懸念が強まり、逃避先として金の需 要が高まった。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の政府債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏はウクライナ混乱の 「結果として、エネルギー価格が世界的に跳ね上がるリスクがある」と 指摘。エネルギー価格の上昇は「消費を抑制し、既に脆弱(ぜいじゃ く)な欧州の景気回復を腰折れさせる恐れがある」と述べた。

米経済指標

1月の米個人消費(PCE)は前月比0.4%増加。前月は0.1%増だ った。伸びはブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値 (0.1%増)を上回った。個人所得は前月から0.3%増加した。

米供給管理協会(ISM)が発表した2月の製造業総合景況指数 は53.2と、前月の51.3から上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノ ミスト予想の中央値は52.3だった。同指数で50は活動の拡大と縮小の境 目を示す。

RBCキャピタル・マーケッツの米国担当チーフエコノミスト、ト ム・ポーセリ氏(ニューヨーク在勤)は「ISM指数は非常に力強い内 容だ。市場は天候からの悪影響がどの程度あるかを判断しようとしてい る。つい1週間前に見られた弱いトレンドを乗り越えるデータが出てき た。本当に天候だけが要因かもしれない」と述べた。

原題:Government Bonds Advance as Ukraine Crisis Boosts Bid for Safety(抜粋)

◎NY金:反発、4カ月ぶり高値-ウクライナ情勢緊迫で逃避需要

ニューヨーク金先物相場は反発し、約4カ月ぶりの高値となった。 ロシアとウクライナ間の緊張が高まる中、逃避目的の買いが入った。

バードモント・キャピタル(パナマ)の運用担当者、スコット・ガ ードナー氏は電話インタビューで、「安全逃避資産としての金に対する 信頼感が戻ってきたようだ」と指摘。「地政学的懸念に加え、米国や世 界の他地域の減速に関する不安が資金を金に向かわせている」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前週末比2.2%高の1オンス=1350.30ドルで終了。一時は1355ド ルと、中心限月としては昨年10月30日以来の高値をつけた。

原題:Gold Climbs to Four-Month High as Ukraine Tension Boosts Demand(抜粋)

◎NY原油:5カ月ぶり高値、ウクライナ情勢の緊迫化で

ニューヨーク原油先物相場は続伸。5カ月ぶりの高値を付けた。ウ クライナとロシアの緊張が高まっていることが背景にある。ロシアは世 界最大のエネルギー輸出国。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)の アナリスト兼ブローカー、ジーン・マクギリアン氏は「ロシアのクリミ ア侵攻は地政学プレミアムを押し上げている。強気派が幅を利かせてお り、上昇が続いている」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前営業 日比2.33ドル(2.3%)高の1バレル=104.92ドルで終了。終値として は昨年9月19日以来の高値となった。

原題:WTI Crude Rises to Five-Month High on Ukraine as Brent Advances(抜粋)

◎欧州株:1カ月ぶり大幅下落、ウクライナ緊迫化で企業業績に懸念

欧州株式相場は下落。ウクライナ情勢緊迫化が企業利益に悪影響を 及ぼすとの懸念で、指標のストックス欧州600指数は約1カ月ぶり大幅 安となった。先週は6年ぶり高値を付けていた。

ロシアとのつながりが深い企業が安い。同国最大のビール会社を保 有するデンマークのカールスバーグは約1年ぶりの大幅下落。スイスの 製薬会社ロシュ・ホールディングは2011年8月以降で最も下げた。肺が ん治療薬の治験を中止するよう独立評価委員会から助言を受けたことが 売り材料。建設サービスや通信などを手掛けるフランスのブイグ は1.8%下落。同社が仏ビベンディの電話部門SFRに買収提案すると の報道が嫌気された。

ストックス欧州600指数は前週末比2.3%安の330.36で終了。1月24 日以来の大幅下落となった。指数構成銘柄の中で575銘柄が下げ、値上 がりは19銘柄のみだった。2月は4.8%上昇。イエレン米連邦準備制度 理事会(FRB)議長が同月の議会証言で、バーナンキ前議長が主導し た政策を継続し米経済を支える方針を示したことが背景だった。

バーダー銀行の資本市場調査責任者、ロバート・ハルベル氏(フラ ンクフルト在勤)は電話インタビューで、「ウクライナ情勢は企業業績 に大きな影響を及ぼす」とし、「この問題への迅速な解決策が見当たら ない。西欧へのエネルギー供給がリスクにさらされている。金融市場の ボラティリティは高まるだろう」と述べた。

この日の西欧市場では17カ国で主要株価指数が下落。ギリシャのア テネ市場は祝日のため休場だった。独DAX指数は3.4%安と、11年11 月以来の大幅下落。仏CAC40指数は2.7%、英FTSE100指数 は1.5%それぞれ下げた。

原題:Europe Stocks Slump After Six-Year High as Ukraine Tension Grows(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債利回り、7週ぶり大幅低下-安全需要で英国債も高い

3日の欧州債市場では、ドイツ国債相場が上昇。10年債利回りが7 週ぶり大幅低下となった。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の脅威 から安全資産への需要が高まった。

オーストリアとベルギー、フランスの国債も値上がり。ケリー米国 務長官がこの日、ウクライナに向かうほか、同国南部のクリミア半島を 掌握しつつあるロシアへの対応方法を西側諸国は探っている。高利回り 債は敬遠され、ポルトガルやギリシャの国債は値下がりした。

ラボバンク・インターナショナルの債券ストラテジスト、リン・グ レアムテーラー氏(ロンドン在勤)は「週末のロシアの行動は想定され たよりも攻撃的で、投資家は懸念している」と指摘。「同地域への懸念 を背景にドイツ債が買われている」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時25分現在、ドイツ10年債利回りは前週末比6 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.56%。1月10日以 来の大幅低下となった。同国債(表面利率1.75%、2024年2月償還)の 価格は0.57上げて101.715。

オーストリア10年債利回りは7bp低下の1.86%。同年限のベルギ ー債利回りは6bp低下の2.27%。フランス10年債利回りは5bp下げ て2.15%となった。

この日発表された2月のユーロ圏製造業景気指数(改定値)は53.2 と、1月の54を下回り活動鈍化が示された。同指数公表後も安全資産と されるドイツ債などは堅調に推移。ムーディーズ・インベスターズ・サ ービスは2月28日、ドイツの国債格付けを「Aaa」に据え置き、格付 け見通しは「ネガティブ」から「ステーブル(安定的)」に変更した。

安全資産とされる英国債も値上がり。10年債利回りは一時、昨年11 月5日以来の低水準となる2.64%まで下げた。ロンドン時間午後4時42 分現在は前週末比7bp下げて2.66%。同国債(表面利率2.25%、2023 年9月償還)価格は0.53上げ96.62。

原題:German Bond Yields Fall Most in 7 Weeks Amid Ukraine Safety Bid(抜粋) U.K. Yields Drop to Lowest Since November Amid Ukraine Tensions (抜粋)

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