米国株:過去1カ月で最大の下げ、ウクライナ情勢緊迫で売り

3日の米国株は1カ月ぶりの大幅下 落。世界的な株安に追随した。ウクライナでのロシア軍の動向次第で情 勢が一段と悪化する恐れがあるとの不安が広がった。

複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)と日用品・工業品メー カー、3Mを中心に工業株が売られた。金融株も安い。電子決済ネット ワークのビザやクレジットカードのアメリカン・エキスプレス(アメッ クス)が下落。ガスプロムやルクオイルを含むロシア企業に投資するマ ーケット・ベクターズ・ロシアETF(RSX)は6.9%下げた。

S&P500種株価指数は前営業日比0.7%安の1845.73。ダウ工業 株30種平均は153.68ドル(0.9%)下げて16168.03ドル。

D.A.デービッドソンのチーフ投資ストラテジスト、フレデリッ ク・ディクソン氏は、「ウクライナのように地政学的危機が深刻化した 材料に対して、株式市場は大抵、世界的に売りが優勢になる。どれほど 深刻化するかは外交手腕次第だ」と述べた上で、「今回は5年間にわた る強気相場を終わらせるような一大事ではなく、穏やかな調整を促す出 来事だとみている」と続けた。

MSCIオールカントリー世界指数は1.3%下落。ロシアの株価は 5年ぶりの大幅安、ストックス欧州600指数は2.3%下げた。新興市場の 株価は1.7%下落した。

ウクライナ情勢

ウクライナ当局者によると、クリミアに停泊している同国の艦船2 隻に対しロシア海軍が降伏を迫った。冷戦以降で最悪のロシアと西側の 対立は急速に緊張を高めている。一方、ロシア側は最後通告の事実はな いと否定した。

ウクライナのテルノピルの副司令官、オレクシー・キルクコフ氏が 同国のチャンネル5に電話で述べたところによると、ロシアの黒海艦隊 の司令官が同艦隊の基地のあるセバストポリの港付近に停泊しているウ クライナ艦船2隻に対し、現地時間4日午前5時までに武器を引き渡し 降伏するよう迫った。

米欧の外交当局者らが緊張緩和を図る中、ケリー米国務長官は3日 にキエフ入りする。

買いの好機

ING・USインベストメント・マネジメントのマーケットストラ テジスト、カリン・キャバナー氏は、「ウクライナのニュースは深刻 だ。しかしグローバルリスクは常に存在しており、こうしたリスクによ る短期的な変動も絶えず見られる」と述べ、「これ以上深刻化しなけれ ば、今回の緊迫化した情勢は短期で収束するとみている。ある程度の乱 高下やボラティリティーが見られたら、それは買いの好機である可能性 もある」と続けた。

2009年3月9日からのS&P500種の強気相場は6年目に突入する 見通しだ。米金融当局が実施した3度にわたる量的緩和の影響で、S& P500種は12年ぶり安値から173%値を戻した。

2月の米製造業活動は、市場予想を上回るペースでの拡大となっ た。米供給管理協会(ISM)が発表した2月の製造業総合景況指数 は53.2と、前月の51.3から上昇した。同指数で50は活動の拡大と縮小の 境目を示す。

米商務省が発表した1月の個人消費支出(PCE)は前月比0.4% 増加。伸びはブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値 (0.1%増)を上回った。個人所得は0.3%増加した。

ボラティリティーの上昇

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)はこの日16%上昇して16.02。

S&P500種の産業別10指数はいずれも下げた。特に公益事業株や 選択的消費株が下げた。

工業株は0.7%安。GEは1.4%下落、3Mは1.9%値下がりした。 金融株は0.9%安。アメックスとビザはそれぞれ1.4%と2%下落した。

原題:U.S. Stocks Fall Amid Global Equities Selloff on Ukraine Turmoil(抜粋)

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