日本株4日続落、ウクライナ情勢緊迫で円高進む-内外需売り

東京株式相場は4日続落。ロシアに よるウクライナ軍事介入への警戒から為替市場で円高が進み、地政学リ スクの高まりによる世界経済、企業業績への悪影響が懸念された。電機 や機械、精密機器など輸出関連、医薬品や情報・通信など内外需ともに 売られ、東証1部33業種中、31業種が下げた。

TOPIXの終値は前週末比14.90ポイント(1.2%)安の1196.76 と2月20日以来の1200ポイント割れ、日経平均株価は188円84銭 (1.3%)安の1万4652円23銭。

DIAMアセットマネジメントの武内邦信エグゼクティブポートフ ォリオマネジャーは、「軍事衝突にはつながらないと思うが、ロシアは 地政学的に引くに引けない状況にあり、歴史背景からもウクライナ問題 の解決には時間がかかる」との認識を示した。企業の決算発表が終わ り、材料に乏しい中での悪材料とあって、「薄商いの中での一時的なリ スク回避」で下げが大きくなった、と見る。

ロシアのプーチン大統領は1日、ウクライナに軍を投入する方針に ついて上院の同意を求め、承認された。これを受け、ウクライナは2 日、予備役を招集するとともに、欧州連合(EU)などにクリミアへの 監視団派遣を求めた。ケリー米国務長官は2日、NBC放送の番組「ミ ート・ザ・プレス」で、米国は制裁を検討していると言明。ロシアが軍 事侵略から後戻りしなければ、「最終的には資産凍結や査証(ビザ)発 給停止、貿易の途絶もあり得る」と語った。

プーチン大統領はメルケル独首相と電話会談した。会談後のドイツ 政府の発表資料によれば、メルケル首相はロシアによるクリミア介入は 「容認できない」とし、プーチン大統領はウクライナ問題での対話開始 のため、連絡グループを設けることに同意した。EUは3日に緊急の外 相会合を開く。

また、韓国国防省は3日、北朝鮮が東海岸沖に短距離ミサイル2発 を発射したと発表した。

GLOBEX下げる

地政学、投資リスクを回避する流れから、この日の為替市場では2 月6日以来となる1ドル=101円20銭台まで円高が進行。前週末の東京 株式市場の終値時点は101円72銭だった。シカゴ24時間電子取引システ ム(GLOBEX)の米S&P500種指数先物はきょう、基準価格に対 し一時1.3%安と大きく下落。日本時間今夜の米国株への警戒感も、名 実とも3月相場に入った日本株の押し下げ要因となった。

日経平均は一時397円安の1万4443円と、心理的節目の1万4500円 を割り込んだ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情 報部長は、ロシアの軍事介入に対する警戒感が高まった後、日本は最も 早く市場が開いており、「過剰な反応をしている」と指摘。売買が低調 な中、「投機筋とみられる先物の売りが一気に出ており、予想外に下落 の幅が拡大した」と言う。

もっとも、GLOBEXの下げ渋り、アジア株が日本株ほど下げな かったことなどが下支えし、取引終了にかけてTOPIX、日経平均と も下げ幅をやや縮小。東証1部売買代金もかろうじて2兆円台に乗せ た。東京海上日動火災保険資産運用第2部の桑山祐介課長代理は、ウク ライナの状況がどうなるのかを見極めるまでセンチメントは改善しにく いとしながらも、「振り返ってみると、良い買い場だったという結果に 落ち着く可能性が高い」と話していた。

東証1部33業種は、鉱業と電気・ガスを除く31業種が下げ、下落率 上位は医薬品、情報・通信、精密、電機、海運、機械、ガラス・土石製 品、繊維、非鉄金属、パルプ・紙など。売買代金上位ではソフトバン ク、アステラス製薬、JT、日立製作所、マツダ、NEC、NTT、三 井不動産、ファナックなどが安い。衣料小売チェーンの米Jクルー・グ ループを買収する可能性のある協議事実が分かったファーストリテイリ ング、星光PMCや国際石油開発帝石は逆行して上昇。

東証1部の売買高は21億8132万株、売買代金は2兆54億円。値上が り銘柄数は351、値下がりは1351。国内新興市場では、マザーズ指数 が2.8%安と下げが目立った。

--取材協力:竹生悠子、Yoshiaki Nohara. Editor: 院去信太郎

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