Fリテイリ:世界首位へブランド獲得か-米Jクルー買収協議

アジア最大のアパレルチェーンファ ーストリテイリングが米国展開を加速させている。米衣料小売りチェー ンのJクルー・グループの買収に向け協議していることが明らかになっ た。実現すれば売上高5兆円という目標に向け大きな前進となる。

関係者によると、交渉は初期段階でファーストリテイリング以外の 企業もJクルーに関心を示しているという。Jクルーは年内の新規株式 公開(IPO)も検討しており、同社の評価額は最大50億ドル(約5072 億円)になる可能性があるという。

衣料品で世界首位を目指すファーストリテイリングは2020年に売上 高5兆円が目標で、13年8月期からは4倍を超える成長が必要。11年に ニューヨーク5番街に旗艦店を出した米国では売上高1兆円を目指して おり、1月にはユニクロの海外事業などを担当する外国人執行役員4人 の採用を発表した。柳井正会長兼社長は昨年、米国での店舗展開を加速 し、昨年11月末現在で17あるユニクロの店舗数を「数年内」に100店舗 まで増やす考えを明らかにした。

ジャパンインベストの大和樹彦副調査部長は、ユニクロが「米国で 展開する場合、認知されているブランドと一緒だと展開しやすい」とい い、戦略の一例としてユニクロ店舗とJクルー店舗を併設すれば、集客 力を高めることが可能だと語った。

売上高

岡崎健最高財務責任者(CFO)は先週香港で、20年に5兆円の売 上高を達成する目標をあらためて示した上で、米国、欧州、中国、その 他のアジア、日本で各1兆円を稼ぎ出すと話した。13年8月期の売上高 は前期比23%増の1兆1430億円だった。

ファーストリテイリングはM&Aの目的について「海外や新しい市 場でユニクロのビジネスのプラットフォーム」の獲得、「グローバル展 開の可能性のあるブランドを買収し、事業ポートフォリオを強化・拡 充」するためとウェブサイトで説明している。

同社は09年にリンク・セオリー・ホールディングス、12年に米国で ジーンズを手がけるJブランドなどを買収。広報担当者アルド・リグオ リ氏はJクルーとの協議についてコメントを控えた。

大和氏は「昔は『ユニバレ』といって、ユニクロを着ているのがば れると恥ずかしいと思う人が多かったが、今はそうでもない」という。 「買収や、デザイナーを引き抜いてきたりしてデザインが良くなってき ている。ディスカウントだけじゃない、というメッセージを発信してき ている」と述べた。

オバマ米大統領夫人

Jクルーは1983年にカタログ通販の企業として設立され、89年にニ ューヨーク市マンハッタンのサウス・ストリート・シーポートに旗艦店 舗をオープン。3年前にプライベートエクイティ(PE、未公開株)投 資会社のTPGキャピタルとレオナルド・グリーン・アンド・パートナ ーズが26億4000万ドルで買収した。

Jクルーの商品価格帯は、スペインのインディテックスが展開する 「ZARA」やスウェーデンのヘネス&モーリッツ(H&M)より上 で、アレキサンダーワンなどよりも下。ファッション誌ヴォーグの米国 版の編集長、アナ・ウィンター氏やミシェル・オバマ米大統領夫人がフ ァンだ。

3日の取引でファーストリテイリングの株価は前週末比で一 時1.8%高となったあと、1.2%上昇の3万5480円で取引を終えた。 TOPIXは1.2%安の1196.76ポイントだった。

--取材協力:Vinicy Chan. Editors: 宮沢祐介, 中川寛之

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE