2月28日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ユーロが年初来高値、インフレ率が予想上回る

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで上昇し、年初来の 高値水準をつけた。ユーロ圏のインフレ率がアナリスト予想を上回った ことを背景に、欧州中央銀行(ECB)が来週の会合で追加緩和に動く との観測が後退した。

円は対ドルで上昇。ウクライナのトゥルチノフ大統領代行は、ロシ アがウクライナに対する侵攻を開始したと述べた。ユーロは主要16通貨 の大半に対して値上がりした。2月のユーロ圏消費者物価指数(速報 値)は前年同月比0.8%上昇した。

HSBCホールディングスの為替ストラテジスト、ロバート・リン チ氏は「きょうの指標発表でマーケットは不意打ちを食らったため、対 ドルのユーロには急激かつ大規模な踏み上げが起きた」と指摘。「市場 はユーロについて、上昇によって見込まれる影響よりも、下落のリスク を注視していた」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比0.7%高 の1ユ-ロ=1.3802ドル。一時は1.3825ドルと、昨年12月27日以来の高 値水準をつけた。週間では4週連続上昇。ユーロは対円で前日比0.3% 高の1ユーロ=140円49銭、一時は0.6%下げる場面もあった。円は対ド ルで0.3%高の1ドル=101円80銭。

ブルームバーグがまとめたデータによると、月間ベースでは主要31 通貨中27通貨がドルに対して上昇した。特にインドネシア・ルピア は5.2%、ポーランド・ズロチは4.7%それぞれ上げた。

ウクライナ情勢

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、円は今年に入って3.4%上昇。ユーロはほぼ変わらず、ドル は0.4%下落となっている。

円はこの日、対ドルで3週間ぶりの大幅高となった。ウクライナの トゥルチノフ大統領代行は、ロシアがウクライナ南部のクリミア自治共 和国に侵攻したと発言。武装集団がクリミアの空港や他の施設を掌握し たとの報道も伝わった。

ソシエテ・ジェネラルのシニア為替ストラテジスト、セバスチャ ン・ゲーリー氏は「リスク回避が続いていることや利益確定の動きによ って、対円でのドルに下落圧力がかかっている」と指摘。「危機でしば しば起きるように、流動的な状況だ」と述べた。

2月のユーロ圏消費者物価指数はブルームバーグ・ニュースがまと めたエコノミスト予想中央値の0.7%を上回った。ECBは中期的に 2%をやや下回る水準を目指している。

「リスクを伴う」

バークレイズの為替調査グローバル責任者ホセ・ウィン氏(ニュー ヨーク在勤)は電子メールのリポートで、「ディスインフレ傾向が続い ていることを考慮すれば、ECBが政策を現状維持することはリスクを 伴うと確信する」と指摘。「中期的にはECBの緩和的な金融政策スタ ンスを背景に、ユーロは対ドルで下落するだろう」と述べた。

ECBのドラギ総裁は6日、追加緩和の決定を下す前にさらなる情 報が必要だとの認識を示していた。その上で「われわれには行動する意 思も準備もある」と述べた。次回会合は3月6日に開かれる。

原題:Euro Rises to 2014 High as Inflation Damps ECB Bets; Yuan Drops(抜粋)

◎米国株:3日続伸、堅調な指標や金融当局の景気支援観測

米株式相場は3日続伸。消費者信頼感の改善や金融当局による景気 支援の観測が背景にある。ただウクライナ情勢の緊迫化が懸念され、相 場は一時下げる場面もあった。S&P500種株価指数は月間ベースでは 昨年10月以来で最大の上げとなった。

プリンシパル・ファイナンシャル・グループが上昇。キーフ・ブリ ューエット・アンド・ウッズによる投資判断引き上げに反応した。モン スター・ビバレッジも高い。売上高がアナリスト予想を上回った。

S&P500種株価指数は前日比0.3%高の1859.45。週間では1.3% 高、月間では4.3%高となった。ダウ工業株30種平均は49.06ドル (0.3%)上げて16321.71ドル。

センター・アセット・マネジメントのジェームズ・アベート最高投 資責任者(CIO)は、「引き続き回復と緩やかな成長という環境にあ る。ただ利上げという点で言えば金融当局の政策を変更させるような極 めて力強いという状態にはない」と指摘。「株式にはプラスだ」と続け た。

2009年3月9日に始まった米国株の強気相場は6年目に入ろうとし ている。金融当局による3回の刺激策が寄与し、S&P500種は12年ぶ り安値から175%上昇している。

ウクライナ情勢

S&P500種は午後、ウクライナ情勢を受けて一時下げに転じる場 面があった。ウクライナ南部クリミアでは、武装集団が空港などの施設 を掌握。同国のトゥルチノフ大統領代行は、ロシアによる侵略行為だと 主張した。

トゥルチノフ大統領代行は、ロシア軍が08年のグルジア紛争と同様 の対立を引き起こそうとしていると述べた。

シェーファーズ・インベストメント・リサーチのシニア株式ストラ テジスト、ジョー・ベル氏は「不透明感が広がれば市場参加者は売りに 出る。特に週末を控えた状況ではそうだ」と指摘。「テクニカル的に見 て、相場は上げ過ぎの面がある。買われ過ぎの状態ということだ。利益 確定の動きが出ている」と述べた。

イエレン議長

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は前日、景気が軟 化した場合は、金融当局は債券購入ペースを徐々に減速させる現行戦略 (テーパリング)を変更する可能性があるとの認識を示した。

イエレン議長のこうした認識表明も好感し、S&P500種は前日、 終値ベースでの過去最高値を更新した。26日までの3日間は、前回の終 値ベースでの最高値を日中に上回るものの、取引終了まで維持できない というパターンが続いていた。

2月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (確定値)は81.6と、前月の81.2から上昇した。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめたエコノミスト予想の中央値は81.2だった。

S&P500種の業種別10指数では8指数が上昇。生活必需品株や公 益株の上げが目立った。

生命保険会社のプリンシパル・ファイナンシャルは1.6%高の45.35 ドル。キーフ・ブリューエット・アンド・ウッズは株式投資判断を「マ ーケットパフォーム」から「アウトパフォーム」に引き上げた。

モンスター・ビバレッジは4%高の74ドル。同社の第4四半期の売 上高は5億4080万ドル。アナリスト予想の平均(5億2630万ドル)を上 回った。

原題:U.S. Stocks Rise for Third Day on Economy Data, Fed Speculation(抜粋)

◎米国債:下げ幅縮小、ウクライナ懸念で逃避買い

28日の米国債は下げ幅を縮小。ウクライナで緊張が続く中で投資家 は米国債に逃避した。月末の買いも影響した。

10年債は約3週ぶり低水準で推移。ウクライナのトゥルチノフ大統 領代行はロシアがクリミアに侵攻したと非難した。オバマ米大統領はロ シア軍の動きを「深く憂慮」していると述べた。朝方発表されたミシガ ン大学消費者マインド指数やシカゴ地区の製造業景況指数が前月比で上 昇したことに反応し、利回りは上昇する場面もあった。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏はウクライナ情勢を背景に「市場は若干パニックになった」と述べ、 「月末の買いも大きく影響している。その両方が若干、材料になった」 と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2.65%。一時は2.70%に上昇した。前日は2.63% と、7日以来の低水準だった。

トレーダーのインフレ見通しの指標となる10年債と同年限のインフ レ連動債(TIPS)の利回り格差(ブレークイーブンレート)は0.01 ポイント拡大して2.18%と、13日以来の最大となった。過去1年間の平 均値は2.22ポイントとなっている。

ウクライナ情勢

トゥルチノフ大統領代行は「ロシアがわが国に対する露骨な侵略を 開始した」と発言した。政権の座を追われロシアに逃れたヤヌコビッチ 前大統領はこの日の記者会見で、自身が依然として正当なウクライナの 指導者だと主張した。

フランクリン・テンプルトン・インベストメンツの債券運用委員会 の共同委員長、マイケル・マテラッソ氏は、ウクライナの不安定な情勢 が「米国債の利回りをある程度押し下げた」と述べた。

2月のシカゴ地区製造業景況指数(季節調整済み)は59.8と、前月 の59.6から上昇した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミス ト予想の中央値は56.4だった。同指数は50が製造業活動の拡大と縮小の 境目を示す。

消費者マインド指数、GDP改定値

2月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (確定値)は81.6と、前月の81.2から上昇した。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめたエコノミスト予想の中央値は81.2だった。速報値 も81.2。

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラ リー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「最近の経済統計は厳し い内容が続いたので、速報値を上回る内容や予想を大きく上回る結果は 景気にとって前向きだ」と述べ、「この影響で米国債は若干軟調だ」と 続けた。

商務省が発表した昨年10-12月(第4四半期)の実質国内総生産 (GDP、季節調整済み、年率)改定値は前期比2.4%増と、速報値 (3.2%増)から下方修正された。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミスト予想の中央値は2.5%増だった。

個人消費支出(PCE)価格指数は、食品とエネルギーを除いたコ アベースで年率1.3%上昇。速報は1.1%上昇だった。

原題:Treasuries Pare Losses as Ukraine Unrest Fuels Refuge Demand(抜粋)

◎NY金:反落、株式相場の上昇で代替需要が減退

ニューヨーク金先物相場は反落。株式相場の上昇を背景に代替投資 としての金買いが減退し、過去3日間では2日目の下げとなった。株価 指標のMSCIオールカントリー世界指数は2007年12月以来の高値をつ けた。

ペンション・パートナーズのチーフ投資ストラテジスト、マイケ ル・ゲイド氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「きょうは マネーが株式に流れている」と指摘。「利益確定の動きも出ているが、 景気の先行き懸念を背景に金は引き続き支えられている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比0.8%安の1オンス=1321.60ドルで終了した。

原題:Gold Declines for Second Time in Three Days as Equities Advance(抜粋)

◎NY原油:上昇、月間ベースも高い-クッシング在庫の減少で

ニューヨーク原油先物相場は上昇。月間ベースでも値上がりした。 オクラホマ州クッシングの在庫が減少したほか、ユーロが対ドルで上昇 したことも影響した。

エナジー・アナリティクス・グループのディレクター、トム・フィ ンロン氏は、「原油価格は高止まりしている。下落する兆候は見受けら れない」と述べ、「クッシング在庫が短期間で積み上がる理由はない。 対ユーロでのドルはかなり軟調なようだ。それが原油価格の上昇見通し を支えている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比19セント高の1バレル=102.59ドルで終了。月間ベースでは5.2%上 昇した。

原題:WTI Crude Caps Monthly Advance on Cushing Supply as Brent Rises(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず、エルステ銀安い-月間は4.8%上昇

欧州株式相場はほぼ変わらず。指標のストックス欧州600指数は月 間ベースでは昨年7月以来の大幅高となったものの、この日はウクライ ナが領土をめぐりロシアを非難したほか、米国の昨年10-12月(第4四 半期)の実質国内総生産(GDP)が速報値から下方修正され、上昇力 に欠ける相場展開となった。

オーストリア最大の銀行、エルステ・グループ・バンクは2009年5 月以来の大幅安。今年の業績は出だしが鈍いとの見方を示し、これが嫌 気された。英メディア大手ピアソンは3年ぶり安値に下落。13年通期決 算が減益となった。保険会社オールド・ミューチュアルは5.9%高。英 国での企業買収が買い材料。

ストックス欧州600指数は前日比0.2%高の338.02で終了。今月 は4.8%上げたが、その背景にはイエレン米連邦準備制度理事会 (FRB)議長が議会証言で、バーナンキ前議長が主導した政策を継続 し米経済を支える方針を示したことがある。

チャールズ・スタンレー(ロンドン)の調査責任者、ジェレミー・ バットストーンカー氏は電話インタビューで、「ウクライナが非常に深 刻な状況となる可能性を投資家は大変懸念している」と述べ、「かなり 好調な相場が1週間程度続いた後、投資家は様子見の姿勢を取ることに 満足で、取引はおおむね静かだ」と付け加えた。

ウクライナ議会は国連安全保障理事会の開催を求めるトゥルチノフ 大統領代行の動議を可決。南部クリミアでロシア軍の行動が伝えられ、 緊張が高まっている。米商務省が発表した第4四半期の実質GDP(季 節調整済み、年率)改定値は前期比2.4%増と、速報値(3.2%増)から 下方修正された。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予 想の中央値は2.5%増だった。

この日の西欧市場では18カ国中13カ国で主要株価指数が上昇。仏 CAC40指数は0.3%、独DAX指数は1.1%それぞれ上昇。英 FTSE100指数は0.1%未満下げた。

原題:European Stocks Are Little Changed as Erste Falls, Serco Gains(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債下落、インフレ率予想上回る-ギリシャ債高い

28日の欧州債市場では、ドイツ国債相場が4日ぶりに下落。この日 発表されたユーロ圏の2月のインフレ率が予想を上回り、欧州中央銀行 (ECB)が金融緩和拡大に動く可能性が弱まった。

ドイツ10年債利回りは昨年7月以来の低水準付近から上昇。フラン スとオランダ、ベルギーの国債利回りも上昇した。ECBは3月6日に 定例政策委員会を開く。欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が 発表した2月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)は前年同月比0.8% 上昇。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト41人の予想中 央値の0.7%を上回った。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の 債券ストラテジスト、ハービンダー・シャン氏(ロンドン在勤)は 「ECBが行動する緊急性はないことが示唆された」と指摘。その上で 「大きな構図で考えれば、状況は変わっていない。インフレ率は依然と して低く、当面は驚くほど下向きだ」と語った。

ロンドン時間午後4時19分現在、ドイツ10年債利回りは前日比6ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.63%。前日は昨年7 月24日以来の低水準となる1.55%まで下げた。同国債(表面利 率1.75%、2024年2月償還)の価格はこの日0.585下げて101.13。利回 りは前週末比では3bp低下した。

フランス10年債利回りは7bp上昇の2.20%。同年限のオランダ国 債利回りも7bp上昇し1.85%。ベルギー10年債利回りは6bp上昇 の2.34%となった。

一方、欧州が債務危機を克服しつつあるとの見方でギリシャ債相場 は上昇。10年債利回りは2010年5月以来の低水準となる6.76%まで低下 後、ロンドン時間午後4時10分現在は6bp低下の6.96%。前週末比で は66bp下げた。12年3月には過去最高の44.2%に達していた。

英国債はドイツ債に追随して値下がり。10年債利回りは4bp上昇 の2.72%。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格は0.355下 げ96.09。

原題:German Bonds Drop as Euro-Area Inflation Tempers ECB Speculation(抜粋) Greek Yields Fall Below 7% as Crisis Source Regains Confidence( 抜粋) Pound Reaches Two-Week High on Bets U.K. Recovery Gathering Pace (抜粋)

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