日本株は内需主導で3日続落、円高と春先景気警戒-人民元安

東京株式相場は3日続落。ウクライ ナ情勢や中国の人民元急落などを背景に、為替市場でリスク回避の円高 が進み、今後の日本経済に与える影響が警戒された。足元の国内経済統 計は好調さを確認したが、消費税増税前の駆け込み需要の影響も大き く、春先の反動が懸念された。

業種別では銀行や小売、不動産、パルプ・紙など内需株が下げ、自 動車株も安い。TOPIXの終値は前日比5.69ポイント(0.5%)安 の1211.66、日経平均株価は82円4銭(0.6%)安の1万4841円7銭。

富国生命保険の山田一郎株式部長は、「毎日のようにエマージング 諸国に振り回されている」と指摘。きょうは人民元安を見た市場参加者 が午後からリスクオフの姿勢を強め、「為替市場で消去法的に円が買わ れてしまったことも、日本株にとってマイナス材料」と言う。

ウクライナ南部のクリミア自治共和国では、地方議会と政府庁舎を 武装勢力が占拠し、ロシア国旗を掲げるなど混乱が続いている。カブド ットコム証券の山田勉マーケットアナリストは、「ウクライナ情勢はど う転ぶか分からない」とし、中国での理財商品の債務不履行(デフォル ト)リスクなど「新興国不安がくすぶっている」と話した。

中国では通貨人民元が急落し、日中下落率は一時0.85%と中国外国 為替取引システム(CFETS)のデータがある07年以降で最大。ウク ライナ情勢も緊張する中、新興国の先行き懸念を背景に為替は1ドル =101円56銭、1ユーロ=139円12銭まで円高が進んだ。前日の東京株式 市場終了時は対ドル102円36銭、対ユーロ140円10銭近辺だった。

富国生命の山田氏は、人民元急落の背景を「中国経済のハードラン ディング懸念がある」と分析。直近の製造業購買担当者指数(PMI) がさえない内容だったほか、「理財商品のデフォルト(債務不履行)は いつあってもおかしくない状況。不動産価格の上昇が止まらず、中国政 府は政策のかじ取りが難しい」との認識を示している。

1月の国内統計

一方、取引開始前に発表された1月の国内経済統計は、全国消費者 物価指数が生鮮食品を除くコアCPIで前年同月比1.3%上昇と、前年 比では8カ月連続の上昇。小売業販売額は季節調整済みで前月比1.4% 増え、2人以上世帯の実質消費支出は前年同月比1.1%増だった。鉱工 業生産指数も前月比4%上昇と、市場予想の2.8%上昇を上回った。

SMBC日興証券のシニアエコノミスト、宮前耕也氏は鉱工業生産 について「輸出数量指数が弱かったが、出荷の大幅増を見る限り、増税 前の駆け込み需要等で内需が好調だったもよう」と指摘。生産指数は東 日本大震災前の水準をようやく超えたが、輸出数量を見ると1月時点で 震災前対比でマイナス16%程度水準と低迷し、「主に内需のけん引によ るもの」とした。カブコム証の山田氏も、国内景気は「4月からの消費 税増税を控え、そろそろ神経質になってくる時期」と言う。

東証1部33業種は紙パ、銀行、小売、倉庫・運輸、不動産、鉄鋼、 証券・商品先物取引、石油・石炭製品、情報・通信、輸送用機器など27 業種が下落。相対的に内需関連が多く、輸送用機器は消費税率引き上げ 後の自動車販売への懸念もある。売買代金上位ではソフトバンク、トヨ タ自動車、三井住友フィナンシャルグループ、ホンダ、パナソニック、 JT、NEC、住友不動産、セブン&アイ・ホールディングス、富士 通、東京建物、エイチームなどが安い。

精密機器や鉱業、保険、医薬品など6業種は上昇。個別ではソニー やKDDI、16期ぶりに復配する三菱自動車が上昇。コマツ、デンソ ー、LIXILグループも上げ、ドイツ証券が新規に投資判断を「買 い」とした三菱電機も堅調だった。東証1部の売買高は23億2834万株、 売買代金は2兆2480億円。

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