2月27日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円上昇、ウクライナ情勢の緊迫で逃避需要-ルーブル下落

ニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで3週間ぶりの大幅高。 ウクライナで緊張が高まる中、ロシアのプーチン大統領が戦闘機に警戒 態勢を命じたとの報道が流れ、リスクのより小さい資産の需要が高まっ た。

別の安全通貨とみなされるスイス・フランは対ユーロで昨年4月以 来の大幅高となった。ユーロは対ドルで下落分を埋める展開。28日には ユーロ圏の消費者物価指数が発表される。ロシア・ルーブルは過去最安 値を更新、ウクライナ・フリブナは一時、初めて1ドル=11フリブナ台 に下げた。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は長期金利 の抑制に成功していると話した。

ウエストパック銀行の北半球通貨担当チーフストラテジスト、リチ ャード・フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「プーチン大統領は 軍事演習を実施するとともに、ロシア軍を高い警戒態勢下に置いてい る。これはリスク回避の動きを誘う」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前日比0.3%高の1 ドル=102円13銭。対ユーロでは0.1%高の1ユーロ=140円01銭。一時 は0.9%上昇した。ユーロは対ドルで0.2%高の1ユーロ=1.3710ドル。 一時は0.3%下げた。

スイス・フランは一時0.3%上げ、1ユーロ=1.21572フランと、昨 年4月18日以来の高値を付けた。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ユーロは今年に入ってから0.1%下落。円が3.6%高で上昇率ト ップ。ドルは0.1%高となっている。

ルーブル

ルーブルはドルとユーロで構成するロシア中央銀行の通貨バスケッ トに対して0.2%安の42.0712ルーブル。フリブナは5.4%下落し1ドル =10.70フリブナ。年初からの下げは23%安。一時は11.3075フリブナま で下げた。

ロシア軍は26日に中央および西部軍管区で軍事演習を始めた。イン タファクス通信がロシア国防省を引用して報じたところによると、27日 には戦闘機もこれに参加した。ウクライナ南部のクリミアでは地方議会 と政府の建物を武装勢力が占拠し、ウクライナ国旗に替えてロシア国旗 を掲げている。

カピタル・アセット・マネジメント(モスクワ)で約42億ドルの資 産運用に携わるバディム・ビットアブラジム氏は、「何が起きているの か市場は分からないため、非常に恐れている。すべての投資家はロシア がウクライナへの軍事介入に踏み切る可能性を織り込みつつある」と述 べた。

ECB

欧州中央銀行(ECB)が3月6日の政策委員会で、鈍化するイン フレへの対応で追加緩和を検討するとの思惑がある。

28日に発表される2月のユーロ圏消費者物価指数は上昇率が5カ月 連続で1%を下回ると予想されている。

イエレンFRB議長の上院銀行委員会での証言は、当初13日に予定 されていたが、悪天候のためにこの日に延期された。議長は慎重なステ ップで資産購入のペースを縮小する可能性が高いと指摘。「見通しに有 意な変化が表れれば、われわれは間違いなく再検討に前向きになるだろ う。ただし、ここで結論を急ぐことはしたくない」と言明した。

原題:Yen Climbs as Ukraine Tension Boosts Safety Bid; Ruble Declines(抜粋)

◎米国株:上昇、FRB議長の証言に反応-S&P500種は最高値更新

米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は過去最高値を更新し た。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が、景気が軟化し た場合は、金融当局は債券購入ペースを徐々に減速させる現行戦略(テ ーパリング)を変更する可能性があるとの認識を示したことが手掛か り。

S&P500種の業種別10指数では通信株が最も上昇。JPモルガ ン・チェースがベライゾン・コミュニケーションズを「フォーカスリス ト(買い推奨リスト)」に加えたことが材料視された。百貨店のJCペ ニーは25%高と急伸。通期売上高の増加および利幅拡大を予想したこと に反応した。シアーズ・ホールディングスも高い。第4四半期決算で赤 字幅が縮小した。

S&P500種株価指数は前日比0.5%高の1854.29。ダウ工業株30種 平均は74.24ドル(0.5%)上げて16272.65ドル。

ミラー・タバクの株式ストラテジスト、マット・メイリー氏は「イ エレン議長は、景気が大きく減速した場合は当局がテーパリング計画の 減速を検討すると説明した」とし、「前回議会で語った時よりもアクセ ルを緩めることに前向きなようだ」と続けた。

S&P500種は過去最高値で終了。前日までの3日間、前回の終値 ベースでの最高値を日中に上回るものの、取引終了まで維持できないと いうパターンが続いていた。

イエレン議長の証言

イエレン議長はこの日、上院銀行委員会で証言し、資産購入の縮小 を継続する可能性が高いと述べた上で、最近の経済の弱さが一時的であ るのかどうかを見極めるために金融政策当局者は経済統計を注視してい ると続けた。S&P500種は3日に付けた安値から6.5%上昇。住宅市場 や雇用関連の統計が軟調だったものの、市場ではこの冬の厳しい寒さで 説明がつくとの見方が広がった。

この日発表された1月の製造業耐久財受注額は前月比1%減。ブル ームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は1.7%減に比べ下落率 は小幅だった。一方で先週の米新規失業保険申請件数は前週比で増加。 増加幅は市場予想を上回った。

この日は欧州株式相場が下落。ウクライナの政変後、同国南部のク リミアで緊張が高まったことが嫌気された。

RBCグローバル・アセット・マネジメントの米株トレーディング 責任者、ライアン・ラーソン氏(シカゴ在勤)は「ウクライナ情勢の展 開と、S&P500種が1840-1850の水準を上抜けられるかがきょうの注 目点だった」と指摘。「失業保険申請の統計は、地政学的要素とテクニ カル水準の影で目立たなくなっている」と述べた。

通信株が高い

S&P500種の業種別10指数では通信株が1.7%高と最大の上げ。ベ ライゾンは2.5%高の47.50ドルとなった。JPモルガンはベライゾン株 について、向こう6-12カ月に57ドルに達する可能性があると指摘し た。

JCペニーは25%高の7.47ドル。同社の26日発表によると、今年は 既存店売上高の増加率が%表示で1桁台半ば、粗利益については「大 幅」に改善する見通し。マイク・ウルマン最高経営責任者(CEO)は 経営再建が年内に完了するとの見方を示した。

シアーズは6.5%高の43.01ドル。

原題:S&P 500 Rises to Record After Yellen Speech as Phone Shares Gain(抜粋)

◎米国債:10年債利回り3週ぶり低水準、ウクライナや景気への懸念で

米国債は10年債利回りが約3週間ぶりの低水準をつけた。ウクライ ナの緊張で米国債の安全性への需要が高まった。さらに米国経済の見通 しも材料になった。

この日は7年債の入札(290億ドル)では需要が好調だった。ブル ームバーグが集計する指数によると、米国債の年初からのリターンは 2%と、2カ月間のリターンとしてはほぼ2年間で最大に向かってい る。イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長はこの日の議会証言 で、「今後数週間でやるべきことは、一連の低調な経済統計のうち天候 要因として説明できる統計はどの程度あるのか、また弱い景気展望を反 映している部分があるとすれば、それはどの部分なのかを正確に厳しく 見極めることである」と続けた。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デービッ ド・コード氏(ニューヨーク在勤)は、「ウクライナ情勢への懸念を背 景に質への逃避買いが見られる」と述べ、「景気が誤った方向に向かっ ているとの懸念があり、それは必ずしも天候とは関係がない」と続け た。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の2.64%。一時は2.63%と、7日以来の最低をつけ た。同年債(表面利率2.75%、2024年2月償還)価格は7/32上昇の100 31/32。

既発7年債利回りは2bp下げて2.08%。一時は2月5日以来で最 低となる2.07%をつけた。

入札結果

7年債入札の結果によると、最高落札利回りは2.105%。入札直前 の市場予想は2.113%だった。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.72倍。2012年12月時の水準 に並んだ。過去10回の平均値は2.56倍だった。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入 札者の比率は24.6%と、過去最大。過去10回の平均は19%となってい る。海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占める割合 は41.1%。過去10回の平均値は42.4%。

野村ホールディングスのストラテジスト、スタンリー・サン氏は、 「入札は非常に良好な結果だった。直接入札者からの需要が高かったほ か、月末の需要もあった」と述べた。

月末は債券ファンドが保有する国債のデュレーション(平均残存期 間)をベンチマーク(基準)に合わせようとする特有の需要がある。

イエレン議長の証言

イエレン議長は上院銀行委員会の公聴会で、資産購入縮小(テーパ リング)について、「資産購入にあらかじめ決められた道筋はない」と 指摘し、「経済見通しに有意な変化が表れれば、われわれは間違いなく 再検討に前向きになるだろう」と述べた。

1月の米耐久財受注が発表されると、米国債利回りは下げ幅を一時 縮小した。米商務省の発表によると、1月の製造業耐久財受注額は前月 比1%の減少。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値 は1.7%減。前月は5.3%減に下方修正された。

設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本 財)受注は前月比でプラスとなった。

原題:Treasury Yields Reach 3-Week Low on Ukraine, Economic Outlook(抜粋)

◎NY金:反発、FRB議長が指標は経済の「軟調」を示唆と発言

ニューヨーク金先物相場は反発。イエレン連邦準備制度理事会 (FRB)議長が最近の経済指標は米経済の「軟調」を示唆していると 発言したことを背景に、代替投資として金が買われた。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レシ ュ氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「安全逃避の買いが入って いる」と指摘。「当局は経済情勢について明らかに懸念しているよう だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比0.3%高の1オンス=1331.80ドルで終了。

原題:Gold Advances as Yellen Says Economic Data Points to ‘Softness’(抜粋)

◎NY原油:下落、ウクライナ懸念でブレント原油も安い

ニューヨーク原油先物相場は下落。ウクライナでの緊張の高まりを 背景に北海ブレント原油も約2週間ぶりの安値に下げた。ウェスト・テ キサス・インターミディエート(WTI)に対するブレント原油のプレ ミアムは昨年10月以来の最小となった。

みずほセキュリティーズUSA(ニューヨーク)の先物部門ディレ クター、ボブ・ヨーガー氏は、「ウクライナの不安定な情勢が相場に影 響している」と述べ、「ウクライナの位置を考えるとニューヨーク原油 よりもブレント原油がより影響を受けることは明らかだ。またクッシン グ在庫もニューヨーク原油とブレント原油の価格差に影響を及ぼしてい る」と続けた。

ロンドンのICEフューチャーズ・ヨーロッパで取引されるブレン ト先物4月限は56セント下げて1バレル=108.96ドル。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比19セント安の1バレル=102.40ドルで終了。

原題:Crude Falls; Brent Premium to WTI Drops to Least Since October(抜粋)

◎欧州株:続落、ウクライナ南部クリミアの緊張を嫌気-RBS大幅安

欧州株式相場は続落。ウクライナの政変後、同国南部のクリミアで 緊張が高まったことが嫌気された。

英広告会社WPPが3.5%、ドイツ保険会社アリアンツが2.3%それ ぞれ下落。両社ともに利益が予想を下回った。英銀ロイヤル・バンク・ オブ・スコットランド・グループ(RBS)は7.7%の値下がり。2013 年通期決算が、08年の政府救済受け入れ後で最大の赤字となった。一 方、世界最大の上場ヘッジファンド運用会社、英マン・グループは14% の大幅上昇。1億1500万ドル相当の自社株買い計画が好感された。

ストックス欧州600指数は前日比0.2%安の337.21で終了。前日は、 クレディ・スイス・グループを中心に銀行株の下げが響いた。

ホバート・キャピタル・マーケッツ(ロンドン)の株式セールスト レーダー、ジャスティン・ハック氏は「市場は大量の流動性とクリミア の深刻な状況という2つのテーマの間で揺れているが、残念ながらクリ ミア情勢の影響が広がるだろう」と電話で指摘。「市場は既に沸き立っ ていたので、ほんの小さな地政学的リスクでぐらっと傾く。しかも、こ れは小さな問題ではない」と付け加えた。

ロシア系住民が多いクリミアでは、同地域のステータスについて住 民投票を5月25日に実施することで議員らが合意したと、インタファク ス通信が報じた。ロシア当局は前日、ウクライナとの国境付近での軍事 演習を命じている。クリミアにはロシア軍の黒海艦隊の基地がある。

この日の西欧市場では18カ国中11カ国で主要株価指数が下落。仏 CAC40指数は0.1%未満、独DAX指数は0.8%それぞれ下げた。英 FTSE100指数は0.2%値上がりした。

原題:European Stocks Drop for Second Day on Escalating Crimea Tension(抜粋)

◎欧州債:軒並み上昇、ECB追加行動期待とウクライナめぐる緊張で

27日の欧州債市場では、ユーロ参加国の国債が軒並み上昇。欧州中 央銀行(ECB)による追加緩和の可能性で域内債務危機の記憶が取り 除かれつつあるほか、ウクライナ南部のクリミアで高まる緊張から安全 資産として中核国の債券を求める動きが強まった。

このためドイツやフランスといった中核国のほか、債務危機時にユ ーロ圏離脱の瀬戸際に立たされたギリシャなど周辺国の国債まで幅広く 値上がり。ポルトガルもこの日に国債を買い戻し、救済プログラム脱却 に一歩近づいた。イタリアが実施した5年債入札では、落札利回りが過 去最低となった。

SEBの債券調査責任者、ユッシ・ヒルヤネン氏は「欧州の非中核 国の債券市場が再び、有望な代替投資先として注目され始めている」と 指摘。周辺国債の中核国債に対する利回り上乗せ幅が縮小する傾向が ECBの追加行動によって保たれる可能性があると付け加えた。

ロンドン時間午後4時42分現在、ドイツ10年債利回りは前日比6ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.56%。一時 は1.546%と、昨年7月24日以来の低水準まで下げた。同国債(表面利 率1.75%、2024年2月償還)の価格は0.505上げて101.72。

イタリア10年債利回りは7bp低下の3.47%。06年1月以来の低水 準となる3.46%を付ける場面もあった。同年限のポルトガル国債の利回 りは4bp低下の4.81%。一時は10年6月以来の低水準となる4.78%に なった。

イタリアが実施した30億ユーロ相当の5年債入札では、平均落札利 回りが2.14%と過去最低。ポルトガルは今年と来年に償還を迎える債 券13億2000万ユーロ相当を買い戻した。

ロシアの戦闘機が警戒態勢に入ったと伝えられるなど、ウクライナ 情勢の緊迫化を受けた安全資産需要で、英国債相場も上昇。10年債利回 りは5週間ぶり大幅低下となった。同利回りは5bp低下の2.67%と、 1月23日以降で最大の低下。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償 還)価格は0.445上げ96.485。

原題:European Bonds Surge as ECB Stimulus Confines Crisis to Memory(抜粋) U.K. Bond Yields Drop Most in Five Weeks on Tensions in Ukraine (抜粋)

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