中国人民元、最悪の新興市場キャリートレード通貨に急転落

中国人民元はこれまで新興市場のキ ャリートレード通貨として最も魅力的だったが、この2カ月で最悪に転 じた。中国人民銀行(中央銀行)が元安方向に誘導する姿勢を示してい ることでボラティリティ(変動性)が急激に高まったことが嫌気されて いる。

人民元のシャープレシオは今年に入ってマイナスとなった。シャー プレシオはリスク調整後のリターンを測る指標で、今月はこれまでのと ころマイナス8.4。昨年10-12月(第4四半期)はプラス8.4と、ブルー ムバーグが継続調査する新興市場の23通貨で最も高かった。

ブルームバーグのデータによれば、人民元の3カ月物インプライド ボラティリティ(IV、予想変動率)は今月、40ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)上昇の1.72%と、米連邦準備制度が緩和策縮小方 針を示した昨年5月以来の大きな上昇となった。1月は45bp低下して いた。

人民元の対ドル相場は今月25日に2010年以来の大幅安を記録。人民 銀が元上昇のみを見越した市場の投資姿勢の修正に動いているとの観測 が広がった。

シュローダー・インベストメント・マネジメントのアジア債券責任 者、ラジーブ・デメロ氏(シンガポール在勤)は25日の電話取材に対し て、人民元は「金利差と低いボラティリティ」を理由に多くの投資資金 を集めてきたが、「このうち低いボラティリティという面が突然失われ た」と述べた。

キャリートレードの巻き戻しで人民元の下げに拍車が掛かる可能性 がある。元の対ドル相場は今月このままいけば、公定・市場レートが統 合された1993年末以降最も大きな月間下落率で取引を終える。

ブルームバーグのデータによると、人民元のキャリートレードの年 初来のリターンはマイナス1.1%。インドネシア・ルピアはプラ ス5.8%、ブラジル・レアルはプラス2.3%となっている。

原題:Yuan Turns Worst Emerging Carry Trade as PBOC Stokes Volatility(抜粋)

--取材協力:Ye Xie. Editors: Simon Harvey, Anil Varma

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