安倍首相の東南アジア外交、日米同盟補完へ-中国をけん制

安倍晋三首相が東南アジア諸国との 関係強化に向け外交攻勢を強めている。米国との同盟関係を補完するこ とで、中国をけん制することが狙いだ。

最近数カ月では、カンボジアが日本と安全保障をめぐる協力を進め ることで合意し、1億3500万ドル(約138億円)のインフラ融資を確保 したほか、シンガポールは自衛隊強化を目指す首相に理解を示した。ベ トナムも親日的な姿勢を見せている。首相は就任1年目に東南アジア諸 国連合(ASEAN)に加盟する全10カ国を含む30カ国を訪問するな ど、積極的な外交活動を展開している。

米国が陸軍の規模を2001年より前の水準に縮小することを計画する 中、安倍首相は中国の経済的および軍事的な影響力拡大に対抗するた め、アジアの新たなパートナーを探している。日中間の対立が再び表面 化しており、アジア1、2位の経済大国である両国は、天然資源や市 場、影響力を求めて争っている。

オーストラリアのニューサウスウェールズ大学のアラン・デュポン 教授(国際安全保障)は、「中国と対立したら米国が支援するかどうか が日本で懸念されている」と指摘。「オバマ政権は政治的には支援する だろうが、将来の米政権が日本を軍事的、戦略的に支えるだろうか。こ れをめぐり日本では本当に疑念が生じているのだと思う」と述べた。

尖閣諸島問題や安倍首相の自衛隊強化策などをめぐり、日中関係の 緊張が高まっている。ただ、首相の靖国神社参拝が批判を招き、日本と 韓国の関係は冷え切ったままであるものの、東シナ海での防空識別圏の 設定など中国の行動への域内の懸念が首相にとって追い風となってい る。

シンガポールの東南アジア研究所(ISEAS)のイアン・ストー リー上級研究員は「東南アジア諸国は一般的に日本のアプローチを受け 入れている。中国の台頭及び米国の長期的な影響力維持をめぐる疑問か ら、戦略面で不確実性が広がっていることが背景にある」と説明した。

原題:Abe’s Southeast Asia Push Complements U.S. Ties in China Rift(抜粋)

--取材協力:Chris Blake. Editors: Andrew Davis, Rosalind Mathieson

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