ドル・円は102円台前半、FRB議長の議会証言控え底堅い展開

東京外国為替市場では、ドル・円相 場が1ドル=102円台前半で推移した。中国経済やウクライナ情勢をめ ぐる不透明感がくすぶる一方、あす行われる予定のイエレン米連邦準備 制度理事会(FRB)議長の議会証言を見極めようとする雰囲気が広が った。

午後4時11分現在のドル・円相場は102円31銭付近。ドルは朝方に 付けた102円13銭を下値に、102円41銭まで値を戻す場面も見られた。午 後は、値動きが鈍り、同時刻までの値幅は28銭にとどまっている。

三井住友信託銀行の細川陽介為替セールスチーム長は、米国の経済 指標が悪く、新興国懸念もあり、不安心理のなかで動いてきた相場なの で、楽観ムードが極端に後退するという状況にもなりにくいとしながら も、ポジション調整に迫られる局面では、中国やウクライナの話が蒸し 返される可能性は残ると指摘。その上で、「マーケット全体で見方が定 まっていないと言うのが今の状況」と話していた。

26日の中国外国為替取引では、人民元相場が昨年7月以来の安値を 付けている。同国の株式相場は上海総合指数がプラス圏に浮上する場面 も見られているが、興業銀行が一部の不動産会社向け融資を停止するな ど、不動産市場をめぐる懸念は根強く、不動産株指数は2012年以来の水 準に低下している。

また、治安部隊と反政府デモ隊の衝突で混乱が続いていたウクライ ナでは、22日に最高会議(議会)がヤヌコビッチ大統領の解任を決議し た。25日に予定されていた内閣発足のための議会投票が延期される中、 ロシアはウクライナがデフォルト(債務不履行)をする確率が高いと警 告。25日の金融市場では、ウクライナの通貨フリブナが過去最安値を更 新し、国債も4営業日ぶりに反落している。

FRB議長の議会証言

イエレン議長は27日、半年に1度の上院銀行委員会での証言を行 う。当初は13日に予定されていたが、大雪の影響で延期された。11日に は下院金融サービス委員会で議会証言を行い、バーナンキ前議長が主導 した政策を継続し、「慎重なステップ」で債券購入を縮小させる考えを 表明。さらに、その計画を変更するハードルは高いことを示唆した。

みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、イエレン議長 の議会証言では、「緩和縮小のペース変わらずと言う姿勢はぶれない」 とみる。一方で、日本銀行は「緩和策を強化する方向で間違いない」と し、こうした日米間の金融政策の方向性の違いを背景に、102円台前半 ではドルが底堅くなると説明している。

一方、欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会はユーロ 圏の2014年の成長率見通しを引き上げた。ただ、高水準の失業率と債務 が景気回復の足かせとなり、米国の成長には遠く及ばない見込みだ。

前日の海外市場では、ユーロが上下に振れる展開となり、対ドルで は一時1ユーロ=1.3767ドルから1.3716ドルまで急落し、その後は1.37 ドル台前半で推移。対円では一時1ユーロ=140円13銭と、3営業日ぶ りの安値を付けたが、140円台後半に上昇している。

--取材協力:大塚美佳. Editor: 崎浜秀磨

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