【クレジット】野村債リスク上昇、アベノミクス神通力に陰りか

野村ホールディングスの社債をクレ ジット・デフォルト・スワップ(CDS)を使って保証するコストが今 年に入って上昇し、リスク意識の高まりを示唆している。借り入れコス トが低いなかでのリスク上昇は、安倍晋三首相の経済政策アベノミクス への疑念が浮上しつつある兆候かもしれない。

CMAによれば、野村債のCDSスプレッドは年初から24ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、24日に99.3bpとなった。こ れに対し、日本企業のCDSスプレッドで構成するマークイットiTr axx日本指数は8.3bp上昇の75.8bp。米国の金融債の保証コスト の数指は74bpで変わらず。

安倍首相が日本経済を再生させる能力に対し、投資家の信頼が揺ら いでいる兆候が現れつつある。TOPIXは今年に入り5%以上も下落 した。

BNPパリバ証券の野川久芳ストラクチャードクレジットストラテ ジストは「証券会社のCDSは指数以上に株式相場に影響される」と指 摘。今は株式市場全体に「重い感じがあり、上値が重い」と付け加え た。

日本の2013年10-12月期実質国内総生産(GDP)速報値は前期比 年率で1%増と、市場予想を下回った。今年1月の貿易赤字は2兆7900 億円と過去最大。

みずほ証券の香月康信チーフクレジットアナリストは「株価や為替 の方向感が定まらず、目先の材料に大きく反応するのは、これまで市場 心理を支えてきたアベノミクスの神通力が陰りを見せているためだろ う」と分析した。

「リスクはソブリンに集中」

CDSスプレッド上昇の一方で、野村の借り入れコストは低水準。 野村は先週、414億円相当の5年債を起債。国債に対する上乗せ利回り (スプレッド)は27bpと、2007年8月の起債時と並んだ。利回り は2002年以来の低水準。日本銀行の債券購入が社債市場を支えているこ とがうかがわれる。

メリルリンチ日本証券チーフクレジットストラテジストの上田祐介 氏は「日本が今が取っているアベノミクスの戦略は非常にシンプル」だ として、政府の資金で民間セクターをサポートするため、「デフォルト (債務不履行)リスクはソブリンに集中し」、民間セクターの「クレジ ットリスクが下がる」と解説した。

野村の1月の発表によると、同社の2013年10-12月(第3四半期) の連結純利益は483億円に増え、4-12月の9カ月累積では1523億円に 達した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリスト13人の予想平 均では、14年3月通期は06年以来で最高の1970億円と見込まれている。

パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は「野 村など証券大手の今期の業績は非常にいい」とし、野村の「国内ビジネ スに関して言えば非常に順調に来ていると思うので、CDSの動きを特 に気にしなくていいいと思う」と語った。

原題:Nomura Risk Rises in Early Warning for Abenomics: Japan Credit(抜粋)

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