【コラム】雪不足超える冬季五輪の悪夢は大気汚染-ミンター

ヤシの木が立ち並ぶロシアのリゾー ト地、ソチでの冬季五輪が閉幕したばかりだが、雪不足よりひどい冬の 五輪があるとすれば、スモッグで覆われた荒れた大地での開会式で始ま り、中国でも人口が密集している地域の山々でスキー競技が繰り広げら れる大会かもしれない。

つまり国際オリンピック委員会(IOC)に2022年の冬季五輪候補 地として名乗り出ている北京市と河北省張家口での開催だ。中国オリン ピック委員会はソチ五輪大会中もロビー活動を行い、早くもロシアのプ ーチン大統領から支持も取り付けた。

残念なことだ。オスロやポーランドのクラクフ、カザフスタンのア ルマトイ、ウクライナのリビウといった他の候補都市もそれぞれ問題を 抱えている(今のウクライナの混乱を踏まえればリビウは特にそう だ)。だがいずれも北京・張家口と比べればはるかに真剣な検討に値す る。純粋に大気汚染の水準で判断し、北京・張家口は早期の段階で検討 対象から除外されるべきだ。

中国が冬季五輪の開催を目指すこと自体は驚くことではない。北京 での08年夏季五輪の成功は中国の世界的な存在感を高めた。どの国でも 五輪開催の理由は身勝手なものだ。プーチン大統領はソチの変貌を世界 に示し、ロシアの発展に注目を集めることを望んでいた。

ソチ五輪開催にこぎつけるまで克服しなければならなかった全ての 課題も、北京・張家口での五輪開催の課題に比べれば大したことではな い。。第一の懸念はもちろん大気汚染だ。08年の北京大会では、中国政 府は多くの懐疑的な見方に反し、五輪前には青空を取り戻すとの公約を 守れることを示した。だがその後は結局、北京の大気汚染は極度に悪化 し、世界保健機関(WHO)の基準を満たすことができない状況が続い ている。

選手の安全

中国政府が08年の成功を22年でも再現することができると表明する ことは間違いないだろう。だが北京の空気を再びきれいにすることがで きるかどうかを尋ねるより、むしろIOCが自問した方がいいのかもし れない。本当にこの種の茶番にまた関与したいのかと。張家口は北京と 比べればましかもしれないが、それでも13年には中国の基準を満たせな い日が80日もあった。当局のデータによれば、冬季は最悪だ。

ただ、北京・張家口にはメリットもある。施設の再利用、特に北京 五輪のために建てた施設を再び利用するという提案だ。五輪の簡素化と いう点では好ましいだろう。だが参加選手にとって安全で、五輪運動の 精神に値する大会を開催する必要性より、簡素化が重視されることはな い。現時点で、そして想定し得る将来において、北京がこの基準を満た すことは不可能だ。22年冬季五輪の開催地選定を始めるに当たり、 IOCは別の候補地を検討すべきだ。(アダム・ミンター)

(上海を拠点とするミンター氏はブルームバーグ・ビューに定期的 に寄稿しており、コラムの内容は同氏自身の見解です。同氏のツイッタ ーは@AdamMinter

原題:China Pollution Should Doom Its 2022 Olympics Bid: Adam Minter(抜粋)

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