米政府公認ディーラー、新たな取引慣行に危機感-制限求める

1987年発表のトム・ウルフの小説 「虚栄のかがり火」で不滅の存在とされたウォール街の覇者たちがここ にきて、しょせんは消え行く運命だと実感しつつある。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)は技術の進 歩で自らの存在意義が薄れつつあると懸念。プライマリーディーラーを 介さずに財務省から国債を直接購入するやり方が人気化している状況に 危機感を募らせ、制限を設けるよう同省に求めている。

いろいろな意味でこうした要求が浮き彫りにしているのは、ビジネ スの性質の変化だ。情報入手手段が広がって金融機関と投資家が対等な 立場で競争できるようになり、電話が文鎮程度の役割しか果たさなくな った。2013年に米国債の電子取引の比率は過去最高の49%に達した。入 札で投資家が直接落札したのは発行額の17.7%と、08年の2.5%から増 加した。プライマリーディーラーの数は22社と、ピークだった1988年 の46社から減少している。

80年代にソロモン・ブラザーズで国債トレーディングデスクの共同 責任者を務めたE・クレイグ・コーツ氏は「財務省はかつて情報と国債 流通のためにディーラーのコミュニティーを必要としていた。現在では 流動性と情報、流通に多様なソースがあるため、財務省にとってディー ラーの重要性が低下している」と指摘した。

米政府の借り入れで取引可能な米国債の量が2倍強の11兆8000億ド ル(約1200兆円)に膨らむ一方、米金融当局は量的緩和の縮小を始めて いる。こうした状況で国債需要が低下すれば、市場混乱の可能性が高ま ると、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックス・グループな どのプライマリーディーラーは懸念している。

プライマリーディーラーの要請は、財務省に借り入れについて助言 する米国債発行諮問委員会(TBAC)が今月政府に提出し公表した報 告書に付随するチャートで明らかになった。諮問委は投資家がディーラ ーを迂回(うかい)して財務省から債券を直接購入する方法では需要が 予測不可能で政府の「資金調達コスト上昇につながる恐れがある」とし て、規制するよう提言。満期まで30年を超える超長期国債などをシンジ ケート団が引き受けて販売する可能性などを検討するよう提案した。

原題:Dealers Seek U.S. Treasury’s Help in Regaining Grip on Debt (1)(抜粋)

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