ユーロ下落、ECB総裁発言で売り圧力-ドル・円は102円前半

東京外国為替市場では、ユーロが下 落。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、物価見通しが悪化した場 合に行動する用意があると発言したことを背景に、ユーロ売り圧力がか かった。

午後3時40分現在のユーロ・円相場は1ユーロ=140円57銭付近。 ユーロ・円相場は140円台後半で日本時間朝の取引を迎え、いったん141 円04銭に上昇した後、140円35銭まで水準を切り下げた。前週末の海外 市場では、一時141円27銭と1月24日以来のユーロ高値を付けていた。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、「ECBにとっ て物価が上昇しないということは大きな問題」だとし、景気見通し次第 では3月のタイミングで動いてくる可能性はあると指摘。この日はドイ ツで経済指標の発表を控えているが、「ユーロ圏をけん引しているドイ ツの指標が悪いとなると、ECBによる金融緩和が意識されやすい」と 言い、ユーロが売られる展開もあり得るとしている。

一方、同時刻現在のドル・円相場は1ドル=102円30銭付近。102 円68銭までドル高・円安に振れる場面が見られたが、その後はクロス・ 円(ドル以外の通貨の対円相場)での円買いが波及し、午後には102 円17銭まで円が水準を切り上げた。円は主要16通貨に対して全面高とな った。

佐藤氏は、ドル・円相場について、102円台後半でドルの上値の重 さが感じられていたところに、アジア株の下落に引っ張られて、円高が 進んだ面もあると説明している。

24日の中国株式相場は不動産関連株を中心に下落し、MSCIアジ ア太平洋指数も反落している。上海証券報は、複数関係者の情報を基 に、中国の一部銀行は不動産関連の一部融資業務を3月いっぱい停止す るもようだと伝えた。これに対して、国泰君安証券は23日のリポート で、「部分的に正しい」とし、不動産流通網への融資やメザニンファイ ナンスは停止されたと記載した。

欧州指標を見極め

ドラギ総裁は23日、シドニーで開催された20カ国・地域(G20)財 務相・中央銀行総裁会議の終了後に、物価見通しが悪化した場合に刺激 策を追加する用意があると述べた。一方で、現時点でユーロ圏にデフレ の兆しはないとの認識を示した。

IG証券の石川順一マーケットアナリストは、先週には日本銀行の 金融政策決定会合を終え、次の米連邦公開市場委員会(FOMC)は3 月下旬までないとなると、「目先はECBの金融政策に焦点が移っても おかしくない」と指摘。その上で、ドラギ総裁が常に行動する用意があ ると表明する中、ユーロ圏の経済指標が下振れした場合は、「ユーロ売 り要因として働く可能性がある」と言う。

この日の欧州時間には、ドイツのIfo経済研究所が2月の独企業 景況感指数を発表する。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミ スト予想では110.5(中央値)と、前月の110.6からの低下が見込まれて いる。

G20

一方、G20財務相・中銀総裁会議は23日、多くの先進国で当面緩和 的な金融政策を維持する必要があるとする一方、今後5年間にG20の経 済成長を押し上げる協調行動を公約する共同声明を採択して閉幕。国内 総生産(GDP)の具体的な数値目標としては、現行政策で達成される 水準よりも2%以上引き上げることを目指すという。

マネースクウェア・ジャパン市場調査室の山岸永幸シニアアナリス トは、G20に関しては「新興国に配慮した発言も見込まれていたが、米 金融政策に対して特別に批判も出てこなかった」とし、米国の緩和策縮 小に対しては「国際的な信認を得た」ということになると指摘。その上 で、米緩和縮小の継続見通しがベースにあり、米国の弱い経済指標を受 けても、ドルは底堅さを維持していると言う。

ダラス連銀のフィッシャー総裁は21日の講演で、引き続き量的緩和 の縮小を強く主張。当局のバランスシートの一段の拡大が「高い有効 性」をもたらしたとは言い難いとし、「大規模な資産購入の縮小を強く 主張するのはこれが理由だ」との見解を示した。

そうした中、今週は米国で26日に1月の新築住宅販売件数、27日に 1月の耐久財受注などの指標の発表を控えている。

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