G20声明:5年間で2%成長底上げ目標-先進国の緩和策支持

シドニーで開かれた20カ国・地域 (G20)財務相・中央銀行総裁会議は23日、多くの先進国で当面緩和的 な金融政策を維持する必要があるとする一方、今後5年間に国内総生産 (GDP)を2兆ドル(約205兆円)以上押し上げる協調行動を公約す る共同声明を採択して閉幕した。

同声明では刺激策の解除のタイミングは物価と経済成長の見通し次 第だと指摘。G20全体のGDPを現行政策で達成される水準よりも2% 以上引き上げることを目指す。

声明は世界経済について「依然幾つかの分野で需要の弱さに直面 し、人々に再び仕事を与え、発展に向けた彼らの希望を満たすために必 要な水準よりも成長がなお低いという見解で一致した」と述べた上で、 「金融市場の最近の変動や高水準の公的債務、継続する世界の不均衡、 一部の国に残る脆弱(ぜいじゃく)性は重要な課題に引き続き対処する 必要があることを浮き彫りにしている」と指摘した。

米緩和縮小に伴い南アフリカやブラジル、インドは通貨安に見舞わ れた。新興市場の当局者は米国に対し、緩和縮小の二次的効果を考慮す るよう求めている。G20の中銀当局は金融政策を慎重に調整し、説明す るとともに、世界経済への影響に配慮する姿勢を明確にした。

ウエストパック銀行の通貨ストラテジスト、ショーン・キャロー氏 は、「新興市場国の懸念が明確に声明に反映されたが、米連邦準備制度 理事会(FRB)が現行の政策アプローチを若干でも変更する兆候はな い」との見方を示した。

インド準備銀行(中央銀行)のラジャン総裁はこの日、シドニーで のインタビューで、「われわれの行動を適切に調整し、波及効果を懸念 する必要があるとの見解で先進国と新興市場が幅広く一致した」と語っ た。同総裁はG20前に、米緩和縮小で世界的な政策協調が阻害されると 警告していた。

米英日が力強さ増す

G20は各国・地域別で米国と英国、日本の成長が強くなっているほ か、中国や多くの新興国で力強い成長が継続、ユーロ圏も再び成長して いるとの認識を明らかにした。早い段階のG20声明案は中国に言及して いなかった。

G20声明は「こうした最近の改善にもかかわらず、世界経済は強固 で持続可能かつ均衡ある成長の達成には引き続き遠い」と述べ、「慢心 する余裕はない」と強調している。

共同声明はまた、市場がさまざまな政策の変更や各国の状況に反応 する際には、資産価格や為替レートが調整され、これが成長に悪影響を 与える恐れがある過度な変動をもたらすかもしれないと説明した。

同声明は為替相場に関して、「レートの柔軟性も経済の調整を円滑 化し得る」と指摘。このほか「政策余地が減少している国々は財政余力 を再構築する必要があろう。われわれは自らの行動を互いに、また対外 的に整合的にコミュニケーションを行う。われわれは引き続き他国への 波及効果への対応に協力し、グローバル・セーフティー・ネットが引き 続き有効であることを確保する」と強調した。

原題:G-20 Backs Accommodative Policy as Target Set of Higher GDP (1)(抜粋)

--取材協力:Shamim Adam、Stephanie Phang、Malcolm Scott、Svenja O’Donnell、Matthew Brockett、藤岡 徹、Ian Katz、David Fickling、Jason Scott、Benjamin Purvis、Raymond Colitt、Xin Zhou、Candice Zachariahs. Editors: Shamim Adam, Edward Johnson

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