【今週の債券】長期金利0.5%半ばに低下も、景気懸念や需給の良さで

今週の債券市場で長期金利は約10カ 月ぶり低水準の0.5%台半ばまで低下するとの見方が出ている。米国や 中国の経済指標の悪化で世界的な景気の先行き懸念が出ていることや需 給環境の良さで金利に低下圧力が掛かりやすいことが背景にある。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが21日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは 全体で0.55%-0.65%となった。予想の下限に達すれば昨年4月以来の 低水準となる。前週末終値は0.595%だった。

前週の長期金利は0.60%付近での推移が続いたが、20日には中国製 造業の経済統計の悪化を受けた株安・円高を背景に水準を切り下 げ、0.58%と昨年11月8日以来の低水準を付けた。前週末の米国債市場 では10年国債利回りが1月の中古住宅販売件数の大幅な落ち込みを受け て2.73%に低下している。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー は、「米国の寒波の影響は市場の予想以上であり、米指標は2月分も弱 めの発表が続きそうだ」と指摘。10年債利回りについて、来月上旬の米 雇用統計発表までで「0.5%台半ばがめど」としている。

足元の需給環境は良好だ。今週は日本銀行による長期国債買い入れ オペが入札日を除く3営業日すべて実施される見込み。月末には債券イ ンデックス(指数)が対象銘柄の入れ替えで長期化するため、年金基金 や生命保険などの投資家から保有債券の年限を延ばす買いが長期ゾーン に入る見通し。

40年債入札

25日に40年利付国債の利回り競争入札が実施される。6回債と銘柄 統合するリオープン発行で表面利率(クーポン)は1.9%。発行額 は4000億円程度。野村証券の松沢中チーフストラテジストは「アウトラ イト(相場観に基づく取引)購入を引き出す水準ではないが、20年債か らの入れ替えなどでこなすのではないか」とみている。

27日には2年利付国債(3月発行)の価格競争入札が予定されてい る。クーポンは前回債と同水準の0.1%となる見込み。発行額は2 兆9000億円程度。投資家需要の強さで順調な結果が見込まれている。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は中心限月の3月物、10年国債利回りは332回債。

◎三菱UFJ投信の下村英生チーフファンドマネジャー

先物3月物144円80銭-145円50銭

10年国債利回り=0.55%-0.62%

「年度内は需給が良く、金利上昇要因はあまり見当たらないため、 買い進まれる可能性が高いのではないか。日銀の貸出支援オペ拡充は4 年物の資金供給と同じ効果で、時間軸は盤石。中期金利の抑制が強ま り、先物の上昇余地はまだ残っている。10年債利回りは0.6%割れでも 消去法的な買いがあり、日銀の買い入れがたんたんと続く中、超長期債 も含めて計画的に買っていかざるを得ない」

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー

先物3月物144円85銭-145円35銭

10年国債利回り=0.56%-0.61%

「超長期ゾーンを中心に相場はしっかり。内外とも材料難のタイミ ングに当たるため、需給にフォーカスした展開が見込まれる。月末の年 限長期化の買いや日銀の買いオペが支えとなりそうで、実際に前週に入 札低調だった20年債も荷もたれ感は乏しい。日銀が貸出支援制度を拡充 したことに伴って、5年ゾーンにも資金が流入するとの期待がある。た だ、一段と金利を押し下げるには材料不足だろう」

◎三井住友アセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジスト

先物3月物144円50銭-145円25銭

10年国債利回り=0.57%-0.65%

「リスクオフ(回避)の動きが一服して、円債相場は上値が重くな り、一服する展開か。40年債、2年債入札については、日銀が強力な金 融緩和を行っていることから、需給が崩れることは想定されず、波乱要 因にはならないだろう。経済指標では、消費者物価指数が現状の伸び率 を維持できるか、雇用の改善が示されるかに注目。鉱工業生産は、輸出 動向を考慮すると、それほど高い伸びにはならないだろう」

--取材協力:赤間信行、池田祐美、船曳三郎 Editors: 崎浜秀磨, 山中 英典

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