【日本株週間展望】続伸、日銀期待で出遅れ修正-米景気注視

2月4週(24-28日)の日本株相場 は続伸しそうだ。日本銀行の金融政策に対する期待感が下支えし、海外 市場と比べた出遅れ修正の動きが続く。

みずほ信託銀行の中野貴比呂シニアストラテジストは、「決定的な イベントを欠く中で経済指標に一喜一憂し、方向感は出にくい週」と予 想する半面、「日銀が追加金融緩和期待をつないだことで、日本株は底 堅いだろう」ともみている。

第3週の日経平均株価は前の週に比べ3.9%高の1万4865円67銭 と、7週ぶりに反発。上昇率は昨年11月2週以来、約3カ月ぶりの大き さだった。中国の製造業購買担当者指数(PMI)の悪化が嫌気される 場面もあったが、日銀の政策期待に加え、米国の景気回復の流れは変わ らないとの見方などが相場反転を後押しした。

世界の先進24カ国で年初からワーストパフォーマーだった日本株 に、ようやく変化の兆しが訪れつつある。日経平均のテクニカル分析で は、昨年の大納会終値(1万6291円)から2月4日安値(1万4008円) までの下げ幅の3分の1戻しを達成。週間騰落は、安倍政権発足後の最 長連続安記録に終止符を打った。SMBC日興証券株式調査部の西広市 部長は、日経平均が「4日の安値で底を打った可能性がある」と言う。

日本株がようやく底堅さを見せ始めたのは、日銀の政策に対する期 待感が再燃してきたためだ。日銀は18日に開いた金融政策決定会合で、 「貸出増加を支援するための資金供給」と「成長基盤強化を支援するた めの資金供給」について、規模を2倍にするとともに、期限を1年間延 長することを決めた。金融政策の運営方針は、現状維持とした。

市場フレンドリー取り戻す

貸出増加支援策などの強化について、アムンディ・ジャパンの吉野 晶雄チーフエコノミストは「これだけではマーケットのドライバーとな るものではない」としながらも、「追加緩和期待に対しフレンドリーで はなかった日銀が、まだアクティブに前に進んでいるということを久々 に確認した1つのイベントだった」と振り返る。

野村証券の田村浩道チーフストラテジストは、日本株は第2週後半 の「催促相場による下げ」をほぼ取り戻したと指摘。マーケットの反応 を見る限り、日銀の追加金融緩和のタイミングについて一時的に後ずれ していたコンセンサスは再び前倒しされ、「株式市場では4月の追加金 融緩和がメインシナリオに復帰したと考えられる」とした。

ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト34人に行った今回の日銀 会合前の調査では、追加緩和の予想時期は消費税率引き上げ後の7-9 月が12人(35%)と最多。一方、4-6月は9人(26%)だった。

先進国24の市場で、20日時点でデンマークなど18カ国の年初来パフ ォーマンスがプラス。これに対し香港やシンガポールなど6カ国がマイ ナスで、中でも日経平均はマイナス11%と下落率が最大だ。「日本株は 世界に比べ、2月の戻りが出遅れている。業績の上方修正でバリュエー ションも割安、ノーマルな水準に戻るだけの力は残されている」と、い ちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は指摘する。

米寒波の影響見極め、国内も増税後意識

一方、国内企業の決算発表が終わり、株式市場ではミクロから米国 を中心としたマクロ経済動向へ関心が向かっている。第4週は、米国 で25日に昨年12月の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケ ース・シラー住宅価格指数、2月のコンファレンス・ボード消費者信頼 感指数、26日に1月新築住宅販売、27日は1月の耐久財受注、28日に は10-12月期の国内総生産(GDP)改定値などが公表予定だ。

エコノミスト調査では、住宅価格指数は前年同月比13.3%増(前 回13.7%増)、消費者信頼感指数は80.7から80.0への低下、新築住宅販 売は年率換算で前月比2.2%減の40万5000戸(前回は7%減の41万4000 戸)、耐久財受注は前月比1%減(前回4.2%減)の予想。GDP改定 値は、前期比年率2.5%増(速報3.2%増)が見込まれている。

全体的に悪化予測の指標は多いが、予想より弱いと「寒波による一 時的な影響として株価は大きく崩れず、強ければ、寒波の影響があって も実体経済は強いと受けられる可能性がある」と、みずほ信託銀の中野 氏。懸念は内包しつつ、先行きの回復期待は揺るがずとの見立てだ。

もっとも、上値も限定的になる見通し。三菱UFJモルガン・スタ ンレー証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは、「国内では消費税 増税を控え、円安の勢い鈍化や商品市況上昇によるコストアップなどか ら、来期の企業業績は増益が大丈夫かと市場は感じ始めた」と言う。

セゾン投信運用部の瀬下哲雄ポートフォリオマネジャーは、日経平 均が「1万4000円台半ばから下がると戻るが、上がると押し戻されてく る」と分析。天候要因は認めながらも、米経済指標の表面上の弱さは心 配だとし、1万4000円台が当面定着する可能性に言及した。

このほか国内では、28日に1月の鉱工業生産や家計調査、全国消費 者物価指数などが発表予定。4月からの消費税増税をにらんだ駆け込み 需要の状況や見通し、物価上昇を受けての家庭の購買力の変化などが焦 点になる。

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