日産ゴーン氏、ブータンに狙い-「リーフ」販売の自信回復なるか

日産自動車の電気自動車(EV)「 リーフ」販売でデンマークに照準を合わせてきたカルロス・ゴーン最高 経営責任者(CEO)は、次の市場としてヒマラヤの王国、ブータンに 狙いを定めている。

日産は21日、ブータンの国内車両EV化の戦略に協力し、政府公用 車やタクシー、実証実験などに使用する車両にリーフの提供や、急速充 電器の提供を検討していくと発表。ブータンは二酸化炭素や排出ガスを 出さないゼロ・エミッション国家に向け、水力発電による電力を使い、 国内車両のEV化を目指している。

リーフ販売拡大を掲げてきたゴーン氏だが、ガソリン車に比べ割高 な価格や、1回の充電で走る距離や充電時間の問題、充電設備などイン フラ整備が十分でないことなどから、販売に苦戦してきた。ブータンで は政府の支援もあり、EV販売の自信回復につながるかもしれない。

ゴーン氏は発表資料で「クリーンエネルギーが豊富なこの新興国 で、どの程度の規模でEVビジネスを行うことができるかを調査してい く」とコメントした。

ブータンは水力発電によるクリーンエネルギーを主要輸出品とし、 首都ティンプーの市民10万人以上の交通手段をクリーンエネルギーで賄 う計画。現在は車両走行に化石燃料が必要だが、石油輸入量を大幅に減 らすことに取り組んでいる。ツェリン・トブゲイ首相は発表資料で「世 界をリードするEV国家になるビジョンを掲げ、その達成に向け取り組 んでいる」とし、「国内交通インフラの電動化に向けても進めている」 とコメント。

外務省のウェブサイトによると、ブータンはほとんどの消費財や資 本財をインドなどからの輸入に依存している。1990年代後半以降は大規 模な水力発電プロジェクトを推進。面積は九州とほぼ同じ、人口は約72 万人。

デンマークやイスラエル

EV開発に約5000億円を投じたゴーン氏は2009年、世界の自動車市 場で20年までにEVが10%に達すると予想した。そして、日産は10年12 月、日米を皮切りにリーフを投入。だが、現状の販売は当初の想定を大 きく下回るペースになっている。

ゴーン氏は09年、EV市場として、消費者の環境意識の高いデンマ ークやイスラエルなどを挙げた。1回の充電による走行距離が限られて いるEVにとって、これらの市場は適度な広さの国土となっている。

ブータンの首都ティンプーの街角で取材した若者は、EVの環境へ の恩恵よりも、値段のほうにより関心を示していた。現地を走っている 車の多くは、スズキの印子会社マルチ・スズキ・インディアや韓国の現 代自動車のモデルなどだ。

日産は昨年4月、日本でリーフ価格を約28万円引き下げ、販売てこ 入れを図った。日産の発表資料によると、リーフは世界のEV市場 で45%のシェアとなっている。リーフの世界累計販売は1月に10万台を 達成した。

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