2月21日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルが対円で上昇、日米金融政策の相違で

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対円で上昇。米連邦公開市場 委員会(FOMC)が緩和縮小を続ける一方、日本銀行は債券買い入れ 計画を維持するとの観測が背景にある。ドルは円に対して週間ベースで は今年に入って最大の上げとなった。

20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は先進国・地域で の金融政策の正常化に支持を表明することが、ブルームバーグ・ニュー スが入手した共同声明の草稿で明らかになった。ドルはこれをきっかけ に上昇した。ウクライナの反政府派とヤヌコビッチ大統領が和平合意に 達し、投獄されているティモシェンコ元首相の釈放を同国議会が可決し たことを背景に、ユーロは値上がりした。

ファロス・トレーディング(コネティカット州スタンフォード)の 調査責任者、ダン・ドロー氏は電話インタビューで、「リスクセンチメ ントは今週改善しており、ウクライナの和平合意やティモシェンコ氏の 釈放はプラスの材料だ」と指摘。「対円でのドル買いはまさにこうした センチメントに基づく取引だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で前日比0.2%高の1 ドル=102円51銭。週間での上げ幅は0.7%と、昨年12月27日終了週以来 の最大。ユーロは対ドルで0.2%高の1ユーロ=1.3746ドル。円は対ユ ーロで0.4%安の1ユーロ=140円90銭。

ウクライナでの和平合意を手掛かりに、トルコ・リラやユーロはド ルに対して上昇したと、チャプデレーン(ニューヨーク)の為替責任 者、ダグラス・ボースウィック氏は指摘した。リラやユーロは流動性の 低いウクライナ通貨フリブナの代わりとして取引されているという。リ ラは対ドルで1.1%高。

G20

G20共同声明の草稿によれば、各国はシドニーで22、23日に開催さ れる会合で刺激策の解除を支持するほか、金融政策を引き続き注意深く 測定し、明確なコミュニケーションを行う方針を再確認する。会合には イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長も出席する。

19日公表されたFOMC(1月28-29日開催)の議事録によると、 幾人かの金融政策当局者は、「経済見通しに目立った変化がなければ、 継続的な緩和策ペースの減速を支持することが明らかに推測される」と 述べた。

ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)のG10・ア ジア通貨戦略のグローバル責任者、ピーター・フランク氏(ロンドン在 勤)は電話インタビューで「天候の影響を受けたゆがみや雑音を取り除 くと、状況はかなり急速に改善しつつあるということを市場は認識して いる」と指摘。新興国市場では「数週間前に懸念された市場の大混乱は 起こっていない。それがドルの強さにつながっている。米経済のデータ や先行指標は非常に良好だからだ」と話した。

時期尚早

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ドルは過去1週間に0.5%上昇。ユーロは0.9%高、円は0.3% 安となっている。

日本銀行は18日開いた金融政策決定会合で、3月末に期限が来る 「成長基盤強化を支援するための資金供給」を1年間延長し、「本則」 の供給枠を従来の3.5兆円から7兆円に拡大することを決めた。金融政 策の運営方針については現状維持とすることを決めた。日銀の黒田東彦 総裁はこの日、具体的に出口を議論するのは時期尚早だと述べた。

商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファン ドなど大口投機筋の対ドルでの円先物の売越幅は18日終了週に7万9784 枚に拡大した。前週は7万8786枚だった。

原題:Dollar Advances Against Yen on Policy Divergence; Real Rises(抜粋)

◎米国株:下落、金融当局者の縮小継続発言を嫌気

21日の米国株は下落。米金融当局者の発言から、当局が金融緩和縮 小のペースを減速させる可能性は低いことが示唆された。

共同購入サイト、グルーポンは大幅下落。1-3月(第1四半期) 利益見通しがアナリスト予想に届かなかった。インターネット旅行代理 店、プライスライン・ドット・コムは上昇。四半期決算が予想を上回っ た。ハードディスク駆動装置(HDD)メーカーのシーゲイト・テクノ ロジーは、RBCキャピタル・マーケッツによる株式投資判断の引き上 げが好感され上昇した。

S&P500種株価指数は前日比0.2%安の1836.25。ダウ工業株30種 平均は29.93ドル(0.2%)下落し16103.30ドルで終えた。

ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズのエリック・ティール 最高投資責任者(CIO)は「当局による緩和縮小が早過ぎるという不 安があるのかもしれない」と指摘した上で、「複数の中央銀行が緩和的 な政策を維持することで合意した事実は、当局者にはこれまでの回復を 損ねる意図がないということであり、投資家に若干の安心感をもたらす はずだ」と続けた。

S&P500種は今年1月15日に最高値をつけたものの、その後は米 金融当局による緩和縮小懸念を背景に新興市場で混乱が広がり、最大 で5.8%下げた。2月3日に付けた直近安値からは5.4%戻している。

フィッシャー総裁の発言

テキサス州オースティンで講演したダラス連銀のフィッシャー総裁 は、当局のバランスシートの一段の拡大が「高い有効性」をもたらした とは言い難いと述べた。同総裁は「大規模な資産購入の縮小を強く主張 するのはこれが理由だ。この先も同じ主張を続ける」と言明した。

またセントルイス連銀のブラード総裁は、当局は緩和策縮小を継続 する軌道にあると述べ、今年に入ってからの低調な経済統計は悪天候の 影響を受けている可能性があると続けた。

全米不動産業者協会(NAR)が発表した1月の中古住宅販売件数 (季節調整済み、年換算、以下同じ)は、前月比5.1%減の462万戸。ブ ルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値 は467万戸だった。

G20財務相・中央銀行総裁会議

シドニーで22、23日に開催される20カ国・地域(G20)財務相・中 央銀行総裁会議では、米金融当局による債券購入プログラム縮小の影響 で発生するボラティリティーを最小限に抑制することを模索する。ブル ームバーグ・ニュースが入手した共同声明の草案によると、G20はま た、財政の持続可能性を維持しつつ、世界経済の成長を大きく高める新 たな措置を模索することを目指す。

ブルームバーグがまとめたデータによると、今回の決算発表シーズ ンで既に発表を済ませたS&P500種構成企業433社のうち74%で利益が アナリスト予想を上回った。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数( VIX)はこの日0.7%低下して14.68。

S&P500種産業別10指数のうち6指数が低下した。通信サービス 株は1.4%下げた。

プライスラインは2.5%上昇。同社の10-12月(第4四半期)の利 益はアナリスト予想を上回った。欧州の景気回復がホテル予約の増加に つながった。

シーゲイトは1.5%高。RBCキャピタル・マーケッツは同社の株 式投資判断をセクターパフォームからアウトパフォームに引き上げた。

グルーポンは22%安。同社の1-3月利益見通しはアナリスト予想 に届かなかった。買収やマーケティングの経費がかさんだことが要因。

原題:U.S. Stocks Fall as Fed Stimulus Comments Overshadow Earnings(抜粋)

◎米国債:反発、中古住宅販売件数の落ち込みで

米国債相場は反発。10年債利回りは一時1週間ぶりの高水準を付け たが、1月の中古住宅販売件数が1年半ぶりの低水準に落ち込んだた め、低下に転じた。

1月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で債券購入の縮小が 続く可能性が示唆されたため、今週は売りが先行したが、週間での下げ を埋める展開となった。降雪や冬の嵐も小売りや雇用指標に悪影響を与 えた。ブルームバーグ米国債指数は今月、0.3%低下した。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏は「市場は現状を見極めようとしている。景気減速が天候要因による ものなのか、あるいはそれ以上のものなのかという疑問は残る。市場は かなりの減速を織り込んだ。利回りがさらに低下するにはもっと悪いニ ュースが必要になるだろう」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の2.73%。一時は13日以来の高水準となる2.78%まで 上昇した。同年債(表面利率2.75%、2024年2月償還)価格は5/32上げ て100 5/32。

全米不動産業者協会(NAR)が発表した1月の中古住宅販売件数 (季節調整済み、年換算、以下同じ)は、前月比5.1%減の462万戸。ブ ルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値 は467万戸だった。

「市場は再調整も」

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン (ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリ バン氏は「異常気象による統計のゆがみがなくなれば、ファンダメンタ ルズの見通し改善に対して市場は容易に再調整する可能性がある」と指 摘。FOMC議事録は「一部の当局者が市場の見通しよりも早い時期の 利上げを想定している可能性を示唆した。それが売りを誘った」と述べ た。

米国債は今月に入ってからは下落しているが、1月はブルームバー グ指数で1.8%上昇と、2012年5月以来の大幅高だった。新興市場通貨 の混乱で安全な逃避先としての需要が高まったことが背景にあった。

来週は合計1090億ドル相当の中期債入札が実施される。内訳は25日 の2年債が320億ドル。26日は2年物変動利付債が130億ドルと5年債 が350億ドル。27日は7年債が290億ドル。

20日に実施された30年物インフレ連動債入札では、投資家の需要を 測る指標の応札倍率は2.34倍と、2001年10月以来の低水準となった。

10年債利回りは3.05%に上昇か

ブルームバーグが金融機関を対象にまとめた調査では10年債利回り は第2四半期の終わりまでに3.05%に上昇すると予想(中央値)され た。

19日に公表された議事録(1月28-29日開催)は債券購入の縮小を 継続することが示唆された。さらに、「幾人か」の金融政策当局者は、 「経済見通しに目立った変化がなければ、継続的な緩和策ペースの減速 を支持することが明らかに推測される」とされた。

◎NY金:3日ぶり上昇、米経済に弱さの兆し-安全逃避買い

ニューヨーク金先物相場は3日ぶりに上昇。米中古住宅販売の減少 を背景に、予想していたよりも経済は弱いとの懸念が再燃、安全逃避と しての金買いが活発になった。全米不動産業者協会(NAR)が発表し た1月の中古住宅販売件数は1年半ぶりの低水準に落ち込んだ。

TDセキュリティーズ(トロント)のアナリスト、バート・メレク 氏は電話インタビューで、「金は引き続き弱めの米経済指標に支えられ ている」と指摘。米金融当局が緩和縮小を継続するとの兆しを背景に、 価格上昇は抑えられるだろうとも同氏は述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比0.5%高の1オンス=1323.60ドルで終了した。

原題:Gold Resumes Rally as Sign of Weaker U.S. Growth Spurs Demand(抜粋)

◎NY原油:続落、高値警戒感で-暖房需要期が終わりに近づく

ニューヨーク原油先物相場は続落。暖房の需要期が終わりに近づく なか、高値警戒感から売りが優勢になった。週間では6週連続で上昇し た。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「暖房 用燃料の需要を背景に相場は可能な限り上昇してきた。3月に入ればい や応なしにヒーティングオイルの需要期は終わりを迎える。20日の統計 では留出油の在庫は予想されたほど減少せず、今後を占うガソリンの需 要は弱かった」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比55セント(0.5%)安の1バレル=102.20ドルで終了した。週間で は1.9%高。

原題:WTI Crude Pares Sixth Weekly Gain on Heating Demand; Brent Slips(抜粋)

◎欧州株:6年ぶり高値に上昇-週間ベースでは3週続伸

欧州株式相場は上昇。指標のストックス欧州600指数は6年ぶり高 値に達し、週間ベースでは3週続伸となった。

英携帯電話サービスのボーダフォン・グループが3%高。同社が米 合弁会社ベライゾン・ワイヤレスの持ち分を売却後、買収提案を受ける 可能性をUBSが指摘した。フランスの自動車部品メーカー、ヴァレオ は13%の大幅上昇。昨年7-12月(下期)利益が市場予想を上回った。 英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) は1.2%の値上がり。同行がリスクの高い投資銀行業務から撤退すると 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。

ストックス欧州600指数は前日比0.4%高の336.09で終了。前週末比 では0.8%上昇。今月4日以降では5.8%上げている。米連邦準備制度理 事会(FRB)のイエレン議長は今月の議会証言で、バーナンキ前議長 が主導した政策を継続して「慎重なステップ」で債券購入を縮小させる 考えを表明しており、米景気回復継続への楽観が高まった。

バークレイズのウェルスマネジメント部門で株式戦略責任者を務め るウィリアム・ホブズ氏は株式相場の6年ぶり高値への上昇について、 「相場をこの後も支える十分な関心と資本がある証拠だ」と指摘。「世 界経済回復のシナリオに賭けないのはもったいない。米国の成長見通し を真剣に疑問視するのでもない限り、株式に賭けるのが一番だ」と述べ た。

この日の西欧市場では18カ国中16カ国で主要株価指数が上昇。独 DAX指数と英FTSE100指数がそれぞれ0.4%上げ、仏CAC40指数 は0.6%高となった。

原題:Europe Stocks Rise Third Week as Stoxx 600 Reaches Six-Year High(抜粋)

◎欧州債:イタリア債が上昇、新政権での改革加速を期待

21日の欧州債市場ではイタリア国債が上昇。10年債は週間ベースで 4週続伸となった。次期首相に指名された民主党のレンツィ書記長は組 閣の準備を進めており、新首相の下で経済改革が加速するとの期待が高 まっている。

ドイツ10年債に対するイタリア債の利回り上乗せ幅(スプレッド) は縮小。スペイン10年債も値上がり。来週発表されるユーロ圏の1月の 消費者物価指数(改定値)はインフレ鈍化をあらためて示す見込みで、 欧州中央銀行(ECB)による利下げの公算が大きくなる。

モニュメント・セキュリティーズのストラテジスト、マーク・オス トワルト氏(ロンドン在勤)は「レンツィ氏をめぐる期待は大変高い」 と指摘。さらに、スプレッドは縮小してきたもののドイツ債は依然とし て非常に割高に見えるため、利回りを求めてイタリア債が買われている と付け加えた。

ロンドン時間午後4時56分現在、イタリア10年債利回りは前日比5 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.60%。19日に は2006年1月以来の低水準となる3.53%まで下げている。同国債(表面 利率4.5%、2024年3月償還)価格はこの日、0.43上げ107.79。ドイ ツ10年債とのスプレッドは1bp縮小の195bp。19日には11年7月以 降で最小の186bpを記録していた。

スペイン10年債利回りは5bp低下の3.55%。19日には06年2月以 来の低水準となる3.49%を付けていた。ドイツ10年債利回りはこの日、 3bp低下の1.66%。

英10年債利回りは2bp低下の2.78%。同国債(表面利 率2.25%、2023年9月償還)価格は0.14上げて95.58。

原題:Italy’s Bonds Advance With Spain’s as Renzi Set to Name Cabinet(抜粋) Pound Has Biggest Weekly Drop in Three Months After Retail Sales (抜粋)

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