NY外為:ドル指数上昇、弱い米経済統計を市場は気にせず

ニューヨーク外国為替市場ではド ル指数が1週間ぶり高水準を付けた。複数の米経済統計が事前予想より 弱かったものの、天候要因が影響した可能性があるとして、市場には響 かなかった。

フィラデルフィア連銀地区の製造業が予想外の縮小となったほか、 新規失業保険申請件数が予想より多かったにもかかわらず、連邦公開市 場委員会(FOMC)は緩和縮小を続けるとの見方からドルは堅調。ユ ーロ圏の製造業とサービス業の活動が予想を下回ったことから、ユーロ は下落。円は質への逃避で総じて高い。中国の製造業活動を測る民間の 指数が予想以上に低下し、世界2位の経済大国の成長が抑制される兆候 があらためて示された。

モントリオール銀行の世界為替戦略責任者、グレッグ・アンダーソ ン氏(ニューヨーク在勤)は「経済データが弱かったのに、外国為替市 場はパニックに陥っていない」と指摘。「弱い統計はフィラデルフィア 景況指数だけでなく、中国の統計、ユーロ圏のデータのいずれも失望さ れた」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は1020.59。一時は0.2%上昇 して1021.98を付けた。

円は対ドルでほぼ変わらずの1ドル=102円28銭。前日は0.1%上昇 していた。対ユーロではこの日0.1%上げて1ユーロ=140円31銭。ユー ロはこの日、対ドルで0.1%安い1ユーロ=1.3719ドル。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、円は今年に入り3.6%上昇。10通貨中で最も大幅な上げとなっ た。ドルは0.3%、ユーロは0.1%それぞれ上昇した。

円は「質への逃避先」

ウエストパック銀行のシニア通貨ストラテジスト、ショーン・キャ ロー氏(シドニー在勤)は「円にはまだ質への逃避先としての魅力があ る」と指摘。「今の市場は中国のPMIに対して特に神経質になってい る。タイミングも一因だろう。わたしは結論を急ぎたくはないが、市場 というものはこれに反応する。今のムードは弱気だ」と述べた。

米フィラデルフィア連銀が発表した2月の同地区製造業景況指数は マイナス6.3と、前月の9.4から低下した。ブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミスト調査の予想中央値は8だった。米労働省が発表し た先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は33万6000件と、前週 から3000件減少した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミス ト予想の中央値は33万5000件だった。

米連邦準備制度理事会(FRB)が19日公表したFOMC(1月28 -29日開催)の議事録によれば、「幾人か」の金融政策当局者は、「経 済見通しに目立った変化がなければ、継続的な緩和策ペースの減速を支 持することが明らかに推測される」と述べた。

ユーロは主要16通貨の大半に対して下落。英マークイット・エコノ ミクスが20日発表した2月のユーロ圏製造業とサービス業を合わせた総 合景気指数は52.7と、前月の52.9から低下した。エコノミストの事前予 想は53.1への上昇だった。

2014年通期のユーロ圏経済は3年ぶりのプラス成長が見込まれてい るものの、過去最悪に迫る失業率と物価圧力の低下が引き続き回復を脅 かしている。

原題:Dollar Gains as Markets Discount Weak Economic Data; Real Rises(抜粋)

--取材協力:大塚美佳、Mariko Ishikawa、Kristine Aquino、Fion Li. Editors: Paul Cox, Kenneth Pringle

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