過去最大2兆7900億円、貿易赤字-燃料輸入や駆け込み需要で1月

輸出入の差額を示す貿易収支は1月 分で過去最大の赤字を計上した。原子力発電所停止に伴う液化天然ガス (LNG)や原油の輸入が増えており、中華圏の旧正月で輸出が伸び悩 んだことも響いた。

貿易収支は2兆7900億円の赤字と単月で比較可能な1979年以降で最 も大きくなった。赤字は19カ月連続。財務省が貿易統計(速報、通関ベ ース)を20日発表した。消費増税前の駆け込み需要や円安も影響した輸 入は前年比25%増の8兆429億円と最大。自動車を中心に増えた一方で 中国などで伸び率が縮小した輸出は同9.5%増の5兆2529億円だった。

単月の貿易赤字が2兆円を超えるのは初めて。ブルームバーグ・ニ ュースのエコノミスト調査による予想中央値は2兆4870億円の赤字だっ た。貿易収支を含む経常収支は2013年度の昨年12月速報分までで、計1 兆7217億円の黒字。1月の貿易赤字額はこれを上回る規模。

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは、全原発停止で 燃料輸入が年4兆円程度増えているなどとして「構造要因から考えれ ば、貿易赤字自体は長期化する可能性がある」と1月実績を踏まえたリ ポートで予想した。

地域別貿易動向では、衣料品や付属品の輸入が多かった中国が1 兆448億円の赤字、アジアは9664億円の赤字といずれも過去最大の赤字 になった。EUも886億円の赤字。一方で自動車輸出が増えた米国 は3672億円の黒字になった。

輸入が過去最大

過去最大となった1月の輸入の伸び率(25%)は、ブルームバーグ 調査の予想中央値(22.7%増)を上回った。寄与度が大きかったのは原 粗油、LNG、半導体等電子部品。東日本大震災による原発停止で、火 力発電所用燃料の輸入が引き続き増えている。

ソシエテジェネラル証券の会田卓司チーフエコノミストは、最近の 貿易赤字の拡大は燃料輸入だけでは説明できないとして、消費税率引き 上げ前の駆け込み需要が内需を拡大、「この駆け込み需要に備える輸入 が引き続き大きかったとみられる」と指摘した。

自動車がけん引している輸出は11カ月連続の増加だが、伸び率 (9.5%)はブルームバーグ調査の予想中央値(12.7%増)を下回っ た。数量ベースでも4カ月ぶりに減少に転じた。

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