FOMC議事録:緩和縮小ペースに変更はない-市場関係者

米連邦準備制度理事会(FRB) が19日公表した連邦公開市場委員会(FOMC、1月28、29日開催)の 議事録によれば、政策当局者は失業率が利上げを決定する際の目安とし ている水準付近まで低下したことに伴い、政策金利の方向性をめぐるガ イダンスを近く変更することを検討している。議事録では「失業率 が6.5%に迫っている中、その目安を下回った後のフェデラルファンド (FF)金利をめぐる決定についての情報を提供するため、FOMC参 加者はフォワードガイダンスを変更することが近く適切になるとの見解 で一致した」と記述した。

市場関係者の見方は以下の通り。

◎緩和縮小ペース減速には明確な景気鈍化必要、議事録示唆-HFE:

債券市場では議事録のトーンが予想よりも「ややタカ派的」だと受 け止められている。HFEのチーフエコノミスト、ジム・オサリバン氏 がリポートで指摘した。

イエレンFRB議長の先週の議会証言や3週間前のFOMC声明と 同様、議事録も天候要因だけではFOMC開催ごとに100億ドルの緩和 縮小を決めるペースからそれるには不十分である点を強調した。

◎イエレン議長率いるFOMCは早期利上げしない-三菱東京UFJ:

FOMCではフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の早期引き 上げが適切かもしれないとの少数の意見があったものの、こうした意見 は労働市場に依然としてかなりのたるみがあると考えるイエレンFRB 議長を納得させる可能性は低い。三菱東京UFJ銀行のチーフ金融エコ ノミスト、クリス・ラプキー氏がリポートで指摘した。

「失業率が6.5%に低下した時にFOMCがどんなガイダンスを示 すかについて理解できる状況には近づいていない」。

FOMCは金利で何らかの行動を取る前に量的緩和の段階的縮小が 必要。FOMCをめぐっては向こう数回の会合で引き続き100億ドルず つの緩和縮小決定が見込まれる。

◎FOMCは縮小停止に高いハードル設定-ルネサンスのダッタ氏:

FOMCの議事録は会合ごとに100億ドルずつの量的緩和縮小を 「明らかに想定」していることを示しており、「ここでペースを落とす のは非常に難しい」ことを意味する「かなり強い表現だ」とルネサン ス・マクロのエコノミスト、ニール・ダッタ氏はリポートで指摘した。

低インフレを懸念していた当局者でさえ1月の会合で緩和縮小を支 持した。

残念ながら、FOMCは新たなフォワードガイダンスについてまだ 意見がまとまっておらず「質的なガイダンスが一番抵抗の少ない道だと 考えられる」。

「重要な問題は先月のFOMC以来、状況が悪化しているという純 然たる事実だ」。

◎FOMCは定性的ガイダンス採用か-キャピタル・エコノミクス:

政策当局は、失業率が目安に達してもインフレ率が目標を下回り続 けていれば利上げはないことを強調する内容のガイダンスを採用するだ ろうと、キャピタル・エコノミクスのポール・アシュワース氏がリポー トで指摘した。

春まで弱いデータが続き、「天候を理由にしずらくなる」状態とな らない限り、緩和縮小ペースの変更はない見通し。

◎FOMCの新たな金利ガイダンスは3月公表の公算-バークレイズ:

イエレンFRB議長は来月の記者会見を利用してFOMCの考えを より詳細に説明する可能性があると、バークレイズのエコノミスト、マ イケル・ゲーペン氏は顧客向けリポートで指摘した。

FOMCは定量的な目安を取り除き、それに代わるものとして定性 的なガイダンスを支持する可能性が高い。

◎ガイダンス言及は米国債利回り曲線の中期ゾーンを圧迫-TD

FOMCは当局の意図を明確化し、利上げ検討の目安設定に伴い生 じた混乱を収集する意向だったのだろうと、TDのストラテジスト、リ チャード・ギルフーリー氏は指摘した。

米5年債は議事録公表直前に1.435%を試す展開だったが、1.51% に戻した。

1月のCPIが20日の注目材料となり、前月比で0.1%上昇の見通 し。

◎金利ガイダンスめぐる議論で分派形成も、利上げ早まるか-FTN:

金利ガイダンスで金融安定に重きを置いて働き掛けるFRB当局者 のグループに注目すべきだと、FTNのチーフエコノミスト、クリス・ ロー氏が顧客向けリポートで指摘した。

グループにはスタインFRB理事が含まれる公算が大きく、同理事 は長期間の低金利がシステミックリスクを引き起こすとみる。

新しいガイダンスに影響を及ぼす上で十分な勢力であれば、FRB 内に「分派」が形成されつつある可能性を示唆するもので、「イエレン 議長が望むとみられる」時期よりも早期の利上げにつながる可能性があ る。

現時点でFOMCの大半のメンバーは、極めて長期間にわたって金 利を低水準に維持する要素を強調するガイダンスを選好。

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