円全面高、中国指標低下でリスク回避-対ドルは101円台後半

東京外国為替市場では円が主要16通 貨に対して全面高となった。中国の製造業関連指数が、市場の予想に反 して低下したことをきっかけに、リスク回避の円買い圧力がかかった。

午後3時32分現在のドル・円相場は1ドル=101円82銭付近。円は 午前9時すぎに付けた102円41銭を下値に水準を切り上げ、中国指標の 発表後には101円台を付けた。午後の取引終盤では一時101円78銭と、2 営業日ぶりの水準までドル安・円高が進んだ。

外為どっとコム総合研究所の石川久美子研究員は、新興国不安が完 全に解消されていない中で、中国の弱い経済指標というのが出た結果、 やや蒸し返される格好になったと説明。目先はリスクセンチメントが弱 気に傾いて、「株安・円高の脊髄反射」が起こっているとしている。

英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクスが20日 発表した2月の中国製造業購買担当者指数(PMI)速報値は48.3と、 前月の49.5から低下し、7カ月ぶりの低水準となった。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想では前月と同水準が見込まれ ていた。

東京株式相場は日経平均株価が一段安の展開となり、前日終値から の下げ幅が300円を超えて取引を終えた。ウエストパック銀行のシニア 通貨ストラテジスト、ショーン・キャロー氏は、市場が弱気に傾きつつ あるところに、タイミングよく中国のPMIが発表され、敏感に反応し た格好になったと指摘。「円は引き続き避難通貨として魅力がある」と 言う。

日本の貿易赤字は過去最大

一方、財務省がこの日に発表した貿易統計によると、1月の貿易収 支は2兆7900億円の赤字と、単月で比較可能な1979年以降で最大の赤字 幅となった。貿易赤字は19カ月連続。

マネースクウェア・ジャパン市場調査室の山岸永幸シニアアナリス トは、「国内の産業が立ち上がってくるとだんだん燃料や原材料の輸入 が増えてくる。その意味で言えば、足元の円安が逆に貿易収支の悪化を 招く」と指摘。このトレンドは当面変わらないとみる。

米国では、19日に発表された1月の住宅着工件数が2011年2月以来 の大幅な落ち込みとなるなど、雇用統計をはじめとして足元の経済指標 は悪天候の影響などでさえない内容が続いている。

そうした中、米連邦準備制度理事会(FRB)が19日に公表した1 月28、29日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録によると、 「幾人か」の金融政策当局者は、「経済見通しに目立った変化がなけれ ば、継続的な緩和策ペースの減速を支持することが明らかに推測され る」と述べた。

三菱東京UFJ銀行米州金融市場部マーケティンググループの村尾 典昭マネジングディレクター(ニューヨーク在勤)は、「イエレン FRB議長の議会証言とFOMC議事録を見ていると、やはりよほど経 済のアウトルックが上にも下にもどちらかに大きく振れない限り、それ ぞれの会合で100億ドルずつ縮小していくのがもはや既定路線になって いる感じがする」と指摘。その上で、「少々米国の経済指標で弱いもの が続いたとしても、この動き出した緩和縮小はそう簡単には止まらない のではないか」としている。

--取材協力:Mariko Ishikawa、大塚美佳. Editor: 崎浜秀磨,青木勝

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