宝くじに当たった人と成功したベンチャー投資家の共通点

ベンチャーキャピタルのクライナ ー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイアースの共同創業者ト ム・パーキンス氏は、上位1%の米国の超富裕層に対する反感をナチス のユダヤ人迫害に例えて批判を呼んだ。先週も高い税金と手厚い社会保 障が米国の格差を拡大させていると発言して注目を集めたばかり。

パーキンス氏が新興企業への賭けで富を築いたことを考えると、富 の蓄積に運が演じる役割はよく理解しているはずだ。また、クライナ ー・パーキンスを設立する前に既に企業経営者として成功していたの も、もとはと言えば1953年にマサチューセッツ工科大学に入学できるほ ど恵まれた環境にあったことが一つの要素だ。もちろん、勤勉に働いた し自分の頭を使ってリスクも取った。しかし出発点において、そしてク ラシックカーを集め大型ヨットを買えるような今の境遇にたどり着いた という点において、信じられないほど幸運な人だったことは間違いな い。

しかし、金持ちになったのは自分の力であり、貧乏なのはその人が 金持ちになるに値しなかったからだと考えがちなのは同氏1人ではな い。実のところ、この考え方は裕福になることに伴う避けがたい副作用 であるようだ。英エコノミストのナタブド・パウドタベ、アンドルー・ オズワルド両氏が先週発表した研究結果がそれを示唆している。両氏は 英国民の全体的な姿勢に関する調査の一環として、宝くじに当たった人 を対象に、その前後での物の見方を比較した。所得配分に関して「普通 の人が国の富の公平な分け前を受け取っていると思うか」と質問すると ともに、右寄りの保守党と左寄りの労働党のどちらを支持するかを尋ね た。

公平?不公平?

500ポンド(約8万5000円)が当たっただけでも、労働党支持から 保守党支持に転じる確率が5%高まった。現在の所得配分が公平だと感 じる傾向も大きく強まった。当たった額が大きいほど、回答者の考え方 への影響は大きかった。当たったのは運にすぎないにもかかわらずだ。 ハイテク業界の新興企業に賭けたパーキンス氏の賞金が500ポンドの100 万倍以上であること、宝くじに当たった人よりも富を得るために努力し たことを考えれば、所得配分に関する同氏の見解は驚くに当たらない。

しかし、米国で上位1%の富裕層が国民所得の19%を占め、上 位10%が半分近くを得ている状況で、普通の人が国家の富の公平な分け 前を受け取っていると言うのはお笑い草だ。宝くじが当たった人も含め て、より多くの人がおかしいと感じ、是正に向けて何かをしてくれる政 治家に投票するようになってくれるとよいのだが。

原題:What Lottery Winners and Tom Perkins Have in Common :Small World by Charles Kenny(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE